そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

移動都市 モータル・エンジン

http://mortal-engines.jp/
監督:クリスチャン・リバーズ 脚本: 原作:フィリップ・リーブ

 

フィリップ・リーブの小説「移動都市」を「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」のピーター・ジャクソン製作、脚本で映画化。
「60分戦争」と呼ばれる最終戦争から数百年の時が過ぎ、わずかに残された人類は地を這う移動型の都市で生活することを余儀なくされた。巨大移動都市ロンドンは、都市同士が捕食しあう弱肉強食の荒れ果てた地でその支配を拡大させ、小さな都市を捕食することで成長を続けている。そんなロンドンの指導者的立場にあるヴァレンタインに対し、過去のある出来事から復讐心をたぎらせる少女ヘスターは、ある小都市がロンドンに捕食される騒ぎに乗じてロンドンに潜入。ヴァレンタインに刃を向けるが……。
へスター役は「アンナ・カレーニナ」などに出演したアイスランド出身の新鋭ヘラ・ヒルマー、仇敵となるヴァレンタイン役をヒューゴ・ウィービングが演じた。監督は、これまでのピーター・ジャクソン作品にストーリーアーティストや視覚効果、第2班監督などで携わり、「キング・コング」ではアカデミー視覚効果賞を受賞したクリスチャン・リバーズ。(「映画.com」より)

 
スチームパンクテイストでハウルの動く城ラピュタ+マッドマックス FR 的な映画だった。
60分戦争で文明が荒廃した未来で独立して移動する都市が小さな都市を補食していくという発想は面白い!初っ端からまさにヨーロッパ貴族の狩りそのもの!ビジュアルはサイコー!
もちろんオレは好きなテイストなんだけど、公開規模が小さくてびっくりしたよ。都内だと新宿と日比谷のTOHOシネマズだけってどういうこと?一応ピーター・ジャクソンが製作なんだよ?
あまりにもアメコミ映画がブロックバスターとして流行りすぎてて、この手のファンタジー映画が既にオールド スタイルに見えてしまってとても損。いや確かにそいう部分ではそういう感じかーと多少物足りなく思ったけどさ。でも公開規模をみてもこういう正統派のファンタジー映画が日本じゃこの手の映画が無理なんだとしたらそれはちょっと寂しいなあ。
どうしても人種問題とかLGBTとか全く触れず、親と子の因縁も薄めになってるのは否めないんでその辺が残念なのかなあ。そんなのなくてもビジュアル優先ファンタジーはそういうものとして面白ければいいんだけど、でもやっぱり若干物足りないと思うのは何なんだろうね。
以下ネタバレな感想。
 
 
話としてはちゃんと筋が通っててまとまってるけど、予告編の印象からはもうちょい違うものを期待したというか。
いや原作知らないけど、これでロンドンとパリやベルリン、ローマ…などなど移動都市対決とか見たかった。他にも移動都市があるはずだよね…?
いやたぶんイギリスの人からしたらロンドンが移動都市wwwとか大英博物館があるとか、しまいにはセントポール大聖堂からビームwwwwってとこがウケるポイントだと思うけど、だったらそれヨーロッパの全部の都市でやって欲しかったというか(笑)
そしてさすがに2時間の映画にそこまで入れるのは無理だと思うから仕方ないけど、その移動都市云々じゃなくてもこれ絶対もっと面白い話があるはずだよね?いや原作読んでないけど。
トムの博物館の人たちの話とかキャサリンやあのお友達、そもそもあの移動都市ロンドンの全容ももうちょっと説明して欲しかった。(千と千尋湯屋くらいには)
ヘスターとシュライクの話とアナと飛行船の船長たちの話はラピュタみありすぎだし(コーラ船長は助かってて良かったけどニルスはー?)、アナとへスターの母親、バレンタインとの因縁(何かあるはずだからああなってるんだよね?)とか、いかにもネタありげなキャラばかりだからもうちょっと突っ込んだら面白そうなのに。
いやそれよりバレンタインがヘスターの(ネタバレ配慮)ならキャサリンとトムって(ネタバレ)なはずだけど、それに何も触れてないのもなあ。まあネタバレったけどそこはむしろスルーだからストーリー的にネタバレもくそもないというか (苦笑) そもそもトムとキャサリンほ関係って?ってとこからだよ。てっきり恋人未満かと思ったのに(だから女性キャラ多過ぎというかー)
てかアナはへスターの母親知ってるしヴァレンタインも知ってるっぽいなら、あそこの対決の時に何かひとことふたことくらい欲しかったなあ。エピソードはなくてもいいからセリフで何かあればと、期待しちゃったよ。
ストーリー展開はわりとオーソドックスだけど、奇抜な設定のわりにその辺で全体に世界観が説明されてなさすぎるというのはマイナスかも。(あんな世界なら人買いなんているに決まってるw)
移動都市が主だから反移動主義者がいるってのはわかるんだけど、それがなぜ壁の向こう(人種的に東方系?)にいるのか、そもそもなぜ壁を作ることになったのかとかさ。まああんあn西洋の野蛮な奴らみたらわからんでもないけど。
西洋の都市が狩りを主体として生き延びてるのと比べて壁向こうの東方の地域はなぜ移動しないで共存してるのとか、原作ではちゃんと描かれてるのかなあ。映画もその辺何となく憶測ではわかるんだけどちょっと説明なさすぎるんだよね。
映画としてはもう少し世界観はわかるようにするべきだと思うんだけど、やっぱりちょっと不親切かなあ。
登場人物も女性キャラがへスターとキャサリン、アナ・フィンと多いし、トムが主人公かと言われると若干弱いというか。主人公無双の方がまだストーリーとして吸引力がある気がするけど、彼とへスターの出会いがメインの割に脇キャラをちょっと盛り込みすぎて、少し散漫かなあ。しかもその脇キャラがちょっと魅力的だから余計にもったいないというか。
なんかもったいないとか残念とかばかり言ってるけど、見てる間は結構ハラハラするけどそれぞれのエピソードの展開はわりとオーソドックスで意外性がないから引っかからないんだよね。へスターとシュライクはこの映画の中で語られるにはちょっと変わったエピだと思うけど、それもやっぱりなぜへスターに執着するのか、もう少し突っ込んで分かりやすければグッときたかも。いやなんとなくはわかるんだ。でも2時間の中でパッとわかるようにそのものズバッと言って欲しかった。
あとトムの最後も結局そんなもんかいって感じなのが全体の話として軽すぎるというか。(最後の方ラピュタと被りすぎだろ、パズーかよw)
だってトムはアナの飛行船は受け継いだけど、彼女のことは何も知らないよね。ロンドンは故郷だと言ってたわりにロンドンの人たちとはあのあとどうなったのかなあ。
いろいろ映画じゃ足りなさすぎて原作気になる。
いいけどあの空中都市はさすがにシュライクのせいとかじゃなく危機管理というか構造としてダメだよね?あんなことで壊滅するなんて!(苦笑)
60分戦争の全貌とかそこまで突っ込むことじゃないのかな?ナウシカの火の7日間とか猿の惑星〈創世記〉みたいなそういうことです…って事でいいのかな?
wiki見たら原作は4作品あるみたいだし、それなりいろいろ話があるのかしら。ちょっと興味あるな。だってこれこれ絶対枝葉の話の方が面白そうだし、ネトフリとかで連続ドラマにしたら絶対面白いやつなのになあー。
 
ところでTOHO シネマズ系でしかやってないのでわかった。こいつが古代のアメリカの神だ!ww
というか一瞬だからはっきりわかんなかったけど、ミニオンズ3人いるはずなのに2人しか神になってなかったぞ?もう1人どこいった?

アクアマン

http://wwws.warnerbros.co.jp/aquaman/
監督:ジェームズ・ワン 脚本:デビッド・レスリー・ジョンソン

DCコミックス原作のヒーローで、「ジャスティス・リーグ」にも参戦したアクアマンを主役に描くアクション大作。
海底に広がる巨大な帝国アトランティスを築いた海底人たちの王女を母に持ち、人間の血も引くアクアマンは、アーサー・カリーという名の人間として地上で育てられた。やがて、アトランティスが人類を征服しようと地上に攻め入り、アクアマンは、アトランティスとの戦いに身を投じていく。
人気テレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」で知られるハワイ出身の俳優ジェイソン・モモアがタイトルロールのアクアマンを演じ、世界的大ヒットを記録した「ワイルド・スピード SKY MISSION」のジェームズ・ワン監督がメガホンをとった。共演にアンバー・ハードウィレム・デフォーニコール・キッドマンほか。(「映画.com」より)

 
スゴすぎ!! アメコミ系映画観るたびにスゴいスゴい言ってるけど、これは本当にスゴいし面白いしハンパなかった。脚本上手すぎる。
以下パンフとか読んでから追記します!超オススメ!

ミスター・ガラス

https://www.disney.co.jp/movie/mr-glass.html
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン

M・ナイト・シャマラン監督がブルース・ウィリスサミュエル・L・ジャクソン共演で送り出した「アンブレイカブル」のその後を描いたサスペンススリラー。同じくシャマラン監督作でジェームズ・マカボイ主演の「スプリット」とも世界観を共有する。
フィラデルフィアのとある施設に、それぞれ特殊な能力を持つ3人の男が集められる。不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド、24人もの人格を持つ多重人格者ケヴィン、驚くべきIQの高さと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラス。彼らの共通点は、自分が人間を超える存在だと信じていること。精神科医ステイプルは、すべて彼らの妄想であることを証明するべく、禁断の研究に手を染めるが……。
アンブレイカブル」でデヴィッドを演じたウィリス、ミスター・ガラスを演じたジャクソン、「スプリット」でケヴィンを演じたマカボイが同役を続投。(「映画.com」より)

 
一応シャマラン映画なのに初っ端からスクリーン小さいこの扱いは納得いかないんだけど、さすがに単館てわけでもないのになんでパンフレットないのかわからないよ!?
プロダクションノート読みたかったー。まさかと思ってツイッター検索したらみんなパンフ欲しがってんじゃんよ。一体全体配給会社さんは何考えてたの?
 
アンブレイカブル」から19年経ってまさかの続編。
別々の作品だと思ってた「アンブレイカブル」と「スプリット」の2作が実は繋がってて続編があると言われた時の驚きといったら(笑)
念のためアンブレイカブルを復習してから観に行ったけど、細かいネタがあるからできれば両方おさらいしといた方がいいかも。まだ観たことないなら悪いことは言わないからちゃんと観といた方が楽しめるしその方がいいと思う。
しかし「スプリット」は明らかにラストでこの「ミスター・ガラス」に続くってあったからいいとしても、ブルース・ウィリスはじめ俳優さんたちみんなよく19年無事だったなあ。特に息子、本当にあの息子役の人だったの感慨深い。息子がお父さんの私刑を手伝ってる…!てかデヴィッドは完全にリアルなバットマン
あと同じメンツというか、いつもおおっぴらにカメオ出演する監督が同じ人の役で出て来てた!(笑)てことはスプリットのラストの彼(監督)も同一人物ってことかww
そしてこれ、ブルー・スウィリスがいい感じに年取ってたのも良かった。
何よりこの作品がこういう話である以上、キャスティングにも意味があったといわざるを得ない。
ダイ・ハード」であり得ない不死身っぷりを見せてたブルース・ウィリス(これはアンブレイカブル公開当時もネタとして言われてたけど)が現実に不死身のヒーローであり、X-MENのエグゼビア教授役(もちろんマイノリティのスーパーヒーローを束ねるリーダー)だったジェームズ・マカヴォイが特殊な能力を持つ多重人格者、そしてヒーローを人為的に作り出そうとした黒幕イライジャはサミュエル・L・ジャクソンで、もちろんスーパーヒーローを集めてアベンジャーズを作ったニック・フューリーだし!
わかっててこれををやってしまう、計算だとしたらすごいよ、まだアベンジャーズX-MENも映画明かされてなかったのに…!何というか、シャマランすげえ。
以下ネタバレ。どんでん返しという感じではないけどじわじわくるような驚きのラストが待ってる。
オレはシャマラン好きなのでとても面白かった!
 
 
現実にアンブレイカブルな本物のヒーローは存在するのか。漫画のコミックに描かれているスーパーヒーローは現実にも存在するはずだというひとりの頭のおかしな人間の思い込みが実は当たっていたという、とんでもない方法でその彼を見つけ出したイライジャはリアルなヒーローを生み出す(見つけ出す)ことで逆にヴィランとなったけど、それは「ダークナイト」などでもよくとりあげられるようにヒーローとヴィランは表裏一体、悪役がいるからヒーローもいるはずという世界の均衡を逆手に取った理屈だった。
その状況を作り出したことは彼をヴィランにしてしまったけど、でもこれは善悪関係なしにいえば、自分の能力や才能を信じていいんだというひとつの解放の物語だったと思う。居場所というよりもっと強い自分のいる意味、役割りを求めるのは自分に対してじゃなく世界に対してどうなのか?という問いかけなのでより深いというか。
これを19年越しで、アンブレイカブルとスプリット、今回のミスターガラスのたった3作でこの世界観を作り上げるシャマラン監督すごい。何がすごいって、最後にどんでん返してくるあのラストのせいでその世界観が広がったんだよ。明らかにこの世界のありよう・見え方は変わったんだよね。どんでん返しというか長い伏線として。(後付けなのか最初から仕込まれていたのかはわからないけど)

しかもそれだけにとどまらず、スプリットのケヴィンが多重人格者になるきっかけも実は…という話だったし(さすがにそこはネタバレ自重)まさかそこで繋がってるとはというのは、あえて“そこ”なのはご都合ではあるけど、イライジャは“黒幕”なのだからそういうものかもしれないってことで。
映像にはアンブレイカブルの過去のシーンがあったけど、深夜の子供部屋のシーンとイライジャの子供の頃の遊園地シーン、見たことないしおそらく未公開シーンか没シーンだよね(ネット見たらDVDに入ってる未公開シーンらしい)そういう映像の使い方や編集も面白かった。
だからより楽しむなら前2作は予習復習必須。
これはネタバレに触れるけど感想として言いたいので言う。
途中、イライジャ、デヴィッド、ケヴィンの3人を診る精神科医のステイプルがあまりに彼らの能力を妄想だと否定する方に話を持って行きすぎるからおかしい、否定するのはそれを信じてるからじゃないのか…?という予想もちょっと超えてきて、まさか…みたいなのも、え、この3作って実はそう言う話だったの!?と言う驚きが。
彼らほどすごくなくてもイライジャの理屈だともう少しスーパーヒーローがいてもいいはずなのにと思ってたのに、なぜそうじゃないのかってのがまさかの理由。そこまで計算…!
大仰なドンパチをやると思わせといて、ハリウッドのバジェットムービーがあまり好きじゃない(どう考えてもインディーズになってからの方が面白い)シャマラン監督らしい肩透かしもいい意味で裏切られたし、そしてこのラストもとてもらしい気がする。
最後の最後、イライジャの黒幕っぷりにはかなりスッキリするし、ちょっとだけ謎の感動で泣けたw
 
非現実的なヒーローはいるのかどうかってことで、ある意味平成ジェネレーションFOREVERと似て非なる映画な気がするんだけどさ(苦笑)
アンブレイカブルの時からイライジャが言ってたけど、スーパーヒーローが存在することでその活躍がフィクション(この作品では漫画)として描かれている、コミックブックは実は本当のことが描かれた記録なのだ…っていうのはなんだか味わい深く、ちょっと夢があるね!w
この作品が無事に公開されて本当に良かったよ(笑)

バーフバリ 王の凱旋 完全版

http://baahubali-movie.com
監督・脚本:S・S・ラージャマウリ

 

古代インドの神話的叙事詩マハーバーラタ」をベースに、伝説の戦士バーフバリの壮絶な愛と復讐を描き、本国インドで大ヒットしたほか、日本でも異例のロングランヒットを記録した「バーフバリ 王の凱旋」のオリジナル完全版。日本公開された141分のインターナショナル版よりも26分長い、本国インドで公開された本編167分の完全版で、ヒロインのデーヴァセーナが歌い踊る楽曲「かわいいクリシュナ神よ」のシーンなど、日本初公開のシーンが多数含まれている。(「映画.com」より)

 
相方にバーフバリを布教すべく、昨日アマプラの伝説誕生(前編)を観せて、後編の凱旋はちょうど劇場でやってたからそっちを予約。やっぱり後編は劇場の大スクリーンで観るべき映画だった。前編はそこまででもないんだけどやっぱり後編の面白さは異常ですね!(ホメてる)
元々の完全版は3時間近くあるのに全然飽きなくてスゴい!面白かったー!(国際版は観てる)
改めて観てもお話も映像もエンタメとしてのあらゆる正解が詰まってるよ!
ストーリーもだけど、カメラワークと演出が神懸かって上手いし、アクションばかりなのに何が起こってるのかすごくわかりやすいのがすごい。比較ってわけじゃないけどマーベルとかのアメコミ映画系ってたまーにすごいことやってんだろうけど画面見てても何やってるのかさっぱりわからないってことがままあるんだけど、この映画はシンプルにバーフバリ(シブドゥ/アマンドラ)とバラーラデーヴァの2人の戦い(これがまたドラゴンボール並みのヒーローバトル)だってのを差し引いても、見せ方が上手いです。
ところどころかなりコメディっぽい展開(主にカッタッパ担当w)もあるんだけど、大真面目にやってるからこそ漫画っぽくてあり得なくて笑ってしまうとか、本当に漫画を実写にした感じで、ハリウッドのアメコミヒーローものがカッコよさをリアルに再現しようとするのとは似てるようでちょっと違うというか、漫画っぽさを笑いを超えたレベルの説得力で映像化してる、その説得力はプラバースさんのオーラというか、全体にはとにかくもう王を讃えよとしかw
そして同じプラバースが演じてるのにやっぱりお父さん(アマレンドラ)のほうがカッコ良くて…!
めちゃくちゃ濃いビジュアルなのに常に爽やかな風が吹いてる感と微笑みがステキすぎる!いちいち決めポーズもカッコよすぎる!惚れるw まあ息子は庶民の育ちだけどお父さんは元から王族の生まれ育ちだし、気品が違うってことかw
最後もやっぱり何が起こるかわかっててもその奇跡にひれ伏さざるを得ない。あのカタルシスと爽快感に言葉もない。
一応分析的なことを言うと、この映画のこの爽快感の主な部分は演出のタイミング、スローだったり決めポーズだったりの体感的な気持ち良さが主だと思うんだけど、3時間近くそんなCMやPVみたいな瞬間芸の快感(すごく思い出したのはかつて一斉を風靡したサッポロ黒ラベルの卓球編)みたいなものを見続けてもなお飽きることなくテンション上がり続け、最終的には多幸感を感じられるこの物語/映画がスゴいってことなのよねえ。
国際版で削られてたデーヴァセーナのミュージカルダンスも、彼女が美しくかつ勇ましくて気が強いだけの王女ではない可愛いところがあるのもわかったし、まるっと復活しててよかった。そして復讐が成就して本当に良かった(笑)
あと最後におじいさんと孫の会話っぽいのもあったけど、黄金像の行く末があの滝壺だったのとあの締めの会話のお陰でこの復讐譚がまさに正当なる王の凱旋(そもそもシヴァガミはアマンドラを殴打と宣言してたし)として神話的に終わっててより感動的だった。まさに神話。
とにかくオススメしたい映画です(笑)本当に爽快w

ヘレディタリー/継承

http://hereditary-movie.jp/
監督・脚本:アリ・アスター

家長である祖母の死をきっかけに、さまざまな恐怖に見舞われる一家を描いたホラー。
祖母エレンが亡くなったグラハム家。過去のある出来事により、母に対して愛憎交じりの感情を持ってた娘のアニーも、夫、2人の子どもたちとともに淡々と葬儀を執り行った。祖母が亡くなった喪失感を乗り越えようとするグラハム家に奇妙な出来事が頻発。最悪な事態に陥った一家は修復不能なまでに崩壊してしまうが、亡くなったエレンの遺品が収められた箱に「私を憎まないで」と書かれたメモが挟まれていた。
シックス・センス」「リトル・ミス・サンシャイン」のトニ・コレットがアニー役を演じるほか、夫役をガブリエル・バーン、息子役をアレックス・ウルフ、娘役をミリー・シャピロが演じる。監督、脚本は本作で長編監督デビューを果たしたアリ・アスター
「映画.com」より)

 
ネタバレ感想だよ。
めちゃめちゃ怖いと話題で、劇場予告編からはホラーだと思ってたけどオカルト映画?
オレはエクソシストオーメンも何となくストーリーは知ってる気がするけどちゃんと見たことないし、劇場予告でサスペリアリメイクって出てたけどサスペリアがどんな話かも知らねーくらいホラーめちゃくちゃ苦手なんだけど、この映画は劇場予告で気になってたのと最凶映画という触れ込みだったんであえて観ました。
でも基本的にオレが怖いホラーは人間<オカルト<スピリチュアルなので、この映画に関してはそこまで面白いとは感じなかったかなあ。
ちなみにホラー苦手なオレが面白かったホラー映画はシャマラン監督の「ヴィジット」とキング原作の「ペットセメタリー」、子供の頃見て超怖かったけど幻想的でわりと好きなのは「ファンタズム」です。この手のホラーの良さがわからなくてすんません。むしろこの後公開の中島哲也監督の「来る」への準備として見に来てしまったって感じ。
というか劇場予告だけで何の前情報もなしに観たんでてっきりお母さんが主人公だと思って観てたのに息子が主人公だった!知ってたらまた違ったかも?
 
 
最初はホラー映画的にすごい怖かったけど途中からオカルトになってきたんでちょっと拍子抜けというか、むしろ悪魔崇拝ネタだったのかーっていう邪悪な不穏さで終わったのをどう取るか…かなあ。何だろう、新しい王が誕生して良かったね!かなあ…(おい)
オレがホラー映画が怖いのは理由がわからないスピリチュアル系だからであって、スピ寄りオカルトならあのオチは自分的にはいらないかも。どっちかにして欲しいかなあ。それともそこは問題じゃないのかしら。
すべてはお祖母様の罠と用意周到な計画だったとしても、実際降霊があったのか、超常的な力は現実なのか、その辺の根拠がこの映画だけではわからなかったんで、その時点で怖さ半減しちゃったんだよな。
しかも本当に何かが来てる描写はあるから何らかの超常現象は起こってるんだよねえ?それが悪魔かと言われたらわかんないんだけど。
だからまあまあ何が怖いってやっぱり人間が怖いというか、お母さんが何もかもをミニチュアシーン再現していくのが狂ってて怖かったよ。
お母さんの表情だけで楳図かずお先生のホラー漫画レベルに怖い(苦笑)
作るミニチュアのシーンが怖いお母さん、そういうタイプの作家かなと思ったんだけど、にしたって普通あんなシーン再現するか?そうやって形にすることで自分の中の問題を解決するセラピーなのかなーとか思いながら観てたけど、精神錯乱と怪奇現象が紙一重
てかあの作るスピードとか造形力とか細部まで拘る記憶力とか逆にものすごい才能じゃん?正直美術的な才能としてはうらやましいですよ!
というかなんでそこ再現する?なチャーリーがアレした電信柱ってなんか呪文だか悪魔マークだか描かれてたよね?壁の文字も何だったの?
お祖母さんとお母さん、同じあの、マークのネックレスしてたよね?違った?それであの秘密を知らなかったってのは変だなあと思ったけど。どうなん?
あとお父さんは、そうなると思ってた!
そして息子のピーターがインド系っぽい顔立ちで家族と似てないのが気になって気になって…ずっとなんかの伏線かと思ってたよ?
予告編でもめちゃ怖かったチャーリーのビジュアル、演じてるミリー・シャピロちゃんを見るとちょっとファニーなだけであんなに怖くないから、もう何を信じていいのやらw あの子、すでにお祖母様に乗っ取られてたってこと?お祖母様はそもそもなんで悪魔崇拝してたの?

まあ特にあの最後の顛末は自分的には微妙かなあと思うくらいで、ホラー映画としての怖さはあったし、あの異変の時の重低音サウンド、如何にもなホラー演出じゃなくサスペンスでもない、見せるところと見せないところのバランスとかは新しいのかなあと思ったり。
初っ端、ミニチュアから現実にスライドするとこや棺桶を埋葬するときに地面のアイレベルを下げる視点とか、時間をつまむ演出(夜が一瞬で明るくなったり夜ベッドに座ってたピーターが昼間の授業中になるとか)や暗がりに何かがいるとか(幽霊と悪魔崇拝ってネタとして共存可能なの?)、精神錯乱と実際の超常現象が入り混じってるところはもしかして斬新なのかな、その辺は面白かった。
でもやっぱり最後のあれは、なんつーか、シャマラン監督の「サイン」で本当に宇宙人が出てきたくらいの微妙さはある気がするんだけどなあ。
まあ後半から結末までは恐怖というより邪悪さや禍々しさ(首や首無し死体の扱い方とか)、異端なカルト宗教の気味悪さで終わるとは思ってなかったんで、意外といえば意外だったかも。あのあとどうなるんだろ?その後の想像が広がらない、ネタ的なオチに思えたのも自分としては今ひとつだったかなあ。

ヴェノム

http://www.venom-movie.jp/
監督:ルーベン・フライシャー 脚本:ジェフ・ピンクナー、スコット・ローゼンバーグ、ケリー・マーセル

スパイダーマンの宿敵として知られるマーベルコミックの人気キャラクター「ヴェノム」を、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「ダンケルク」のトム・ハーディ主演で映画化。
サム・ライミ監督作「スパイダーマン3」にも敵として登場したヴェノムを、「ゾンビランド」「L.A. ギャング ストーリー」のルーベン・フライシャー監督のメガホンで、新たなダークヒーローとして描く。
「誰もが望む、歴史的偉業」を発見したというライフ財団が、ひそかに人体実験を行い、死者を出しているという噂をかぎつけたジャーナリストのエディ・ブロック。正義感に突き動かされ取材を進めるエディだったが、その過程で人体実験の被験者と接触し、そこで意思をもった地球外生命体「シンビオート」に寄生されてしまう。エディはシンビオートが語りかける声が聞こえるようになり、次第に体にも恐るべき変化が現れはじめる。(「映画.com」より)

 
これ、ハリウッド版寄生獣で黒いピョン吉だったー。原作こんなテイストだっけ?
普通にやれば結構ホラー味の強いSFサスペンスなんだろうけど最初から寄生が若干ネタ扱いだし、わりと展開ベタだし、ユーモアがコメディ扱いなのかそうでないのか今ひとつ中途半端で、はっきり言ってポスタービジュアルと印象が合ってねえぞ?それともそれ自体がギャグのつもり?
この監督ゾンビランドの人なのね。もうちょいはじければ…と思わんでもないけど、マーベル映画としては意外と普通。スパイダーマン(ホムカミ)とかデッドプールとか考えてももうちょい脚本とか構成の密度上げれそう。

なのでトム・ハーディはいいんだけどちょい惜しいというか残念。トムハ以外はメジャーな役者さんも少ないし、マーベル映画にしては地味な印象かなあ。
エディにしたって「正義のジャーナリスト」は言い過ぎじゃね?やろうとしてることは社会正義のためだけど方法が良くない上に彼女を巻き込んだやり方にしてもルール違反だから、共感はできるけど見え方として全然肩入れできないし。
ていうか設定としてライフ財団のブレイクの背景もよくわからないし、ストーリーもなんでロケット飛ばしてシンビオートとファーストコンタクトしちゃったのか、なぜ彼らを利用できると思ったのか曖昧。
ヴェノムが仲間を裏切る理由がはみ出しもの同士でエディのことを気に入ったからってのは理由になってそうで全然理由になってないんだよなあ。
それで特に引っかかりがあるわけでもない、完全導入だけで起承転結なのでそれ以上がないというか面白ポイントはあるのにそれがストーリー展開にうまく生かされてないというか。
これ映画でやるより、ヴェノムが犬に寄生して大混乱…とか、アンの今彼の医者さん、ダンとエディとヴェノムの微妙にズレてる掛け合いを連ドラで毎回やれば面白いコメディなのになーと思ったし。
面白いと思う人は面白いだろうし別につまらなくはないけど、オレはいまいちだったかなあという感じ。
サンフランシスコのスパイダーマン的というよりピョン吉的カーチェイスはスピード感あったしカッコよかった。後半のヴェノムともう一人のリーダーシンビオートのバトルもすごいけど、そもそもこの二人がなんで戦ってるのか理由がわからないので面白みが…
ただカメラワークはちょっとドラマっぽくてオレは良い意味で新鮮味と親しみやすさは感じたし。この手の映画ではやらない構図とかSF的な寄生生物の話でなきゃヒューマンドラマっぽいかなと。

いいけど敵が若いイケメン天才社長でかなりイカれてるとこはちょっとエグゼイドの壇黎斗っぽくて、告発に協力してくれたドーラ・スカース博士のビジュアルが進撃のハンジさんみたいなのが気になって仕方なかったw(鼻と眼鏡と髪型が狙ったかのごとくまんまハンジ!)
そして最後についてたあのアニメはなんなの?何を意図してるのか全然わかんないよ!

search サーチ

http://www.search-movie.jp/
監督:アニーシュ・チャガンティ 脚本:アニーシュ・チャガンティ、セブ・オハニアン 原作:

 

物語がすべてパソコンの画面上を捉えた映像で進行していくサスペンススリラー。
16歳の女子高生マーゴットが突然姿を消し、行方不明事件として捜査が開始されるが、家出なのか誘拐なのかが判明しないまま37時間が経過する。娘の無事を信じたい父親のデビッドは、マーゴットのPCにログインして、InstagramFacebookTwitterといった娘が登録しているSNSにアクセスを試みる。だがそこには、いつも明るくて活発だったはずの娘とは別人の、デビッドの知らないマーゴットの姿が映し出されていた。
スター・トレック」シリーズのスールー役で知られるジョン・チョウが、娘を捜す父親デビッド役を演じた。製作に「ウォンテッド」のティムール・ベクマンベトフGoogleグラスだけで撮影したYouTube動画で注目を集めた27歳のインド系アメリカ人、アニーシュ・チャガンティが監督を務めた。(「映画.com」より)

 
※ネタバレ部分は隠すので安心してお読みくださいw(これ絶対何も知らないで見た方がいいよ) 
 
カメ止めと同じく話の内容よりも見せ方のアイデアと演出が7割な映画。てかこの監督まだ27歳なのか…!すげー。
ストーリー自体の構成と内容はわりとオーソドックスなサスペンス。このストーリー自体も二転三転するどんでん返しがあって、たぶん普通でもそれなり楽しめる話だとは思う。ただ余程でないと今こういうサスペンスをやっても話題にはならないだろうとは思うかなあ。しかも新人監督って。
その「余程のこと」がとてもイマドキな、その人の個人情報やSNSを通じて社会とどう関わっているか、また家族であっても(家族だからこそ)知らない面があって、それを明らかにしていく物語的なカタルシスと他人の個人情報の塊であるパソコンを開くという罪悪感かなと。
しかもこの映画の場合、それをすべてPC画面の中で見せるという究極の選択を選び、上手いことやってのけたというアイデアの勝利で、そのアイデアそのものが行方不明になった娘のSNSを探って手がかりを探すという内容とマッチしてるから一瞬も気が抜けない、二重三重にサスペンスを感じさせるというのがとても上手い。そういうところがカメ止めに似てるなあと思った次第。
本当にあらゆる意味でSNS怖い。サスペンスだからどんでん返しはあるけど感想は何もいえない!
基本的にはお父さんと娘がお互い気持ちのすれ違いで分かり合えてないとか親子愛をえぐってくることもあり、そういう意味ではもちろんハラハラさせられる。
考えさせられるのはそんなに親しくないけど距離感は近い(ニュース取材にはとてもそれっぽいコメントをしたり)イマドキの友人関係や、親がリアルな友人関係を把握できてないこと、SNSごとに違う自分を表現して交流してるけどそれ大丈夫?みたいなやつとか、とてもキャッチーなネタだし、そういう意味で大SNS時代の今の現実としてとても興味深かった。
以下、もう少し突っ込んだ感想。
 
 
最初、家族の歴史をパソコンの画面内で何が起こっているのか見せていくところがすごく秀逸で。普通ならナレーションで説明するところをパソコン内の操作(カーソルの動きやどんなアプリを使ってるかも含めて)で見せていくのは気が利いた演出だと思った。
すべてがPCの画面内で起こるといっても、動画配信はともかくビデオ通話とか盗聴映像とかは結構強引かもと思ったところはあるし、そもそものお父さんのPCスキルがスゴすぎる。あれ画面内で何が起こってるかわからない人多いんでないかなあw(ザッピング感とその解決が早すぎる)←マシンスペックも気になるところw
あと個人的に気になったのは、最初のパソコン画面がWindowsのダサい画面で、これずっとなの?耐えられん!て思ってたらいつの間にかMacになってて、普通にiMessageとかFaceTimeでのやり取りになってたのに地味に笑ったw(たぶん日本ならLINEかな)
まあスマホiPhoneだし会社のPCはまた違うOSだったけど(Windows?)その辺も時代の流れとか表してるよな(ずっとWindows使いの人はどう思うか知らんけど)
あと主演のお父さん、見たことあると思ってたらリブート版「スター・トレック」のスールー役の人だった!あれ、もうそんな何年も経ってた…のか…
主人公一家が韓国系なのはたぶんそんなに重要ではないと思うけど、お父さんのPCスキルを見るに技術職なのかなあ。韓国系のインテリ層が多いってことだろか。娘も頭いいし生活レベルがわかるという意味で白人やヒスパニック系はないってことかなと。(黒人は大抵クズか超インテリだし)
ともかく娘のMacBookからSNSにアクセスするのにパスワードが保存されてなくていちいち入れなきゃいけないとか(キーチェーン使ってないのか?)そんな焦ってるときのパスワード再発行のための認証のためのメーラーのパスワード再発行とか見てて胃がキリキリするよう…
ここからは折りたたみます。うっかりこの記事に直接アクセスした人は気をつけて。

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