『負けるのが判っているのに戦うなんて、意味ないですよ！』『それが意味があるんだよ…待ってるやつがいるからさ』
ああ〜、面白かったよ。雰囲気的には何となく前半部分ぽい感じを残しつつ、こないだまでとはまた違う雰囲気で、やっぱり本来こういうノリを最初から見たかった…はもういい加減いわないほうがいいですかね。
オレは後半の井上脚本は今回の響鬼に関しては面白かったと思うのです。何故かというと井上脚本の場合、かなり極端な表現であるにしてもキャラクターの言動の筋が通っているというか、ちゃんと理由があるのですよ。その辺がハッキリしすぎててダメな人はダメなんだろうけど、オレはちゃんと理由があるほうがいいです。そうしてはっきりキャラ立てが出来たからこその展開ですかね。
前編の38の巻が終わって思ったことは、今回明日夢が悩む必要があったんだろうか？ということです。悩んでる内容の問題ではなく（これは後編見てもその悩み自体は話にからんではないので余計そう思ったのですが）今また明日夢がヒビキさんに相談しなければならない状況を作る必要があったのかということです。
直接的には明日夢・桐矢・みどり・ヒビキさんを一ヶ所に集めて魔化魍に襲わせる為と、明日夢とヒビキの会話で『全てのものに響きがある〜』というセリフ（明日夢がヨブコの波動に気がつくためのキッカケになれば何でもいいんだけど）を出しておくための装置でしかなかった様な気がしますね。でもそのためだけに明日夢を悩ませたのだとしたら、明日夢が悩むという図式だけで、もう大分精神面で鍛えられてきたはずの明日夢がまた振りだしに戻ってしまったような気にさせられるのですよ。そういう意味で今回の話はどうなのかなあと思ってたんですが、後編、思った以上に面白かったんで安心しました。
というわけでタイトルの「始まる君」は明日夢、イブキ、トドロキ、あと桐矢のことも差してるんだと思うけど、この中で本当に始まった（成長した）のはイブキと桐矢だけなんじゃないかなあ。
イブキの場合、前回ザンキさんに殴られたのは、すでに弟子を採っている身でありながら自分は師匠に向いてないんじゃないかなどと、人を導く立場としては言ってはいけないことを言ったからであって、そう思った理由は回りから常に高みにいるように思われていた、自分はまだ人を指導する立場になかったのでは、と気づいたからですよね。気づくというのは成長への第一歩なわけです。
この間の鰹のときのように、精神面での揺れが融合係数…もとい、鬼としての強さに影響するのであれば、威吹鬼・轟鬼が今回の魔化魍に勝てない理由でもあったりするんでしょうか。（まあ響鬼でも勝てないんだから単純にヨブコが強いんだろうけど）でもしかし彼らにしてみれば、悩んでいたから魔化魍にやられたと思ってるのかも知れないし、そうして文字通り《地に塗れ》たからこそ、イブキの場合はまだまだ未熟な自分でも責任をもってあきらを導かなければならないんだと気がついて、成長したわけです。
更にそれをあきらに告げるということは、あきらの中の《恰好良いイブキ像》を否定することで、師匠ではあるけれどまだ成長途上の未熟者同志だということ、実は同じ立場なんだと知らしめることでもあります。元々あきらがイブキの元を去った理由、イブキが自分は師匠に向いてないのではと悩んでいる理由は、あきらの『イブキさんと自分は違うんです』（36話）なので、これに気がついてくれればあきらは戻ってきてくれると思うのですが…（ちなみにマジのヒカル先生は導く立場でありながら事あるごとに教えられたと公言してて、まさにこういうタイプの理想像ですね〜）
桐矢はといえば、たちばなに忍び込んだりいきなり音叉を使おうとしたり、やってることは先走り過ぎなんだけど、ヒビキさんが彼の言うことを明日夢のときより真剣に聞いているのは、桐矢が本気だからだと思うんですよ。言っちゃ何だけど明日夢の場合、思っていながら行動に移さない、常に自分の中で良くも悪くも完結というのが見てて歯がゆかったんですが、桐矢はとにかく目的に向かって真っ直ぐであると。そんな彼が『鬼になりたい』というのをヒビキさんは少なくとも明日夢のときより真剣に聞いてあげてると思うのですよ、あのシーンは。
極めて個人的な動機で鬼になりたいという桐矢に、そうじゃないんだというヒビキさんが恰好良いのは何故なのか、桐矢にも気がついて欲しいですね。
いいけどあとで落ち着いて見返したら、ここちょっと泣きそうになりました。ここから泥まみれの威吹鬼とあきらのシーンに続いてるし。とにかくここのヒビキさんはカッコよすぎです。初めてヒビキさんを恰好良いと思ったかも（笑）
トドロキは、こういうタイプの人については全く心情の流れが判らないのでちょっと投げ遣り気味ですが、とにもかくにもザンキさんに相手にされなかったことで、自分なりにその理由を考えて勘違いか思い込みか、どっちでもいいけど独り立ちするべきだという結論に至ったといことでいいのかな。理由はどうであれ、そう思って実行にうつしたんなら後戻りせずに突き進んでいって欲しいですね。
肝心の明日夢ですが、名前で呼んでもらう＝認められたということであれば、何故ここなのかと言う気はします。本来やはりもっと前に言うべきでは…（その場合明日夢が著しく成長してればですが）今回のタイミングだと、単純に明日夢が役に立ったから（しかもそれは明日夢自身の成長とは関係ない）名前を呼んでくれたとしか見えないんですよ…
ということで、萌えとかツッコミなどを。
ザンキさんへの思いを甘味処でぶちまけるトド、何故にBGMがアルゼンチンタンゴ風？そんなに情念燃やしてどうすんだ（笑）
やっぱり先週から明日夢ヘンです。無駄に攻めっぽい（笑）みどりさんはやっぱり鍛えてた。カコイイ。
たちばなの秘密部屋で閉じ込められて『暗いよ、コワイよ、ママァ〜！』な京ちんに、全国から「面倒終太朗かよ!?」とツッコミが入ったのは間違いないと思う。
今のところ鬼になる気はなさ気な明日夢ですが、みどりさんの話を聞いてどう思ったのか。いいけど一歩踏み出す少しの勇気というけど、ヒビキさんは鍛えたからそうなのであって、心身ともに強いわけではない普通の人がそんな勇気を奮ったら酷い目に遭うと思います。
トドは激しく勘違い。えーっと、獅子なのはザンキさんであってトドではないと思う。火の輪とライオンも違うと思う。まあやる気になったからいいか。単純だなあ。ていうか空回りやん。
いきなり雨かよ。雨の中佇むあきらとザンキさんの心中は如何に？
しかし、京ちんはいつの間にかたちばなの懐深く入り込んでますね。スゴイ才能だ（笑）
ああそして、たちばなから出かけるヒビキさんもカッコ良かったですが、明日夢とみどりを助けに夕日を背に現れるヒビキさんはシビレルほど恰好良いですね〜。しかも無駄にカッコつけてるし。今回シゲキは随分ノってやってんですかね、楽しそうですね。シブエも今回のエピは満足だろうし。反面ちょっと厳しいのはあきらの中の人。とっちーほどでないにしてももうちょっと何とか…
初めて役に立った？明日夢、やっと名前で呼んでもらえました。ヨカッタヨカッタ。
『夜明けは遠いな…』とスーパー姫＆童子。でもヨブコ、性能の問題ではないんでこの魔化魍は有効だと思うんだけど…？
予告。また盛りだくさんな予感。ヒビキの弟子とかあきらの弟子とかいろいろ言ってますよ京ちん。どうしたいんだ？洋館の男女も久し振り。そしてとうとうあきら、鬼に変身!?
せっかくの感動を台無しにするマン坊＆スモちん。こいつら……！そのうち響鬼ファンから闇討ちに遭うぞ？（笑）
