そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

明日夢とヒビキさん・プロポーズ大作戦

別に書かなくてもいいかと思いつつ結構書くことポロポロ出てきますね(こんなことをしてる場合じゃないんだが)
最終回のラスト、夕焼けの海岸シーンで明日夢とヒビキさんの会話が噛み合わなくて変だなぁ、ぶっちゃけ言えば、明日夢は自分の行く道をちゃんと決めたって言ってんのに何でヒビキさんはそんな明日夢に「オレのそばにいろ」なんて言うのかな、と思ったんですね。みんな思ったよな?
そのセリフの真意自体は「鬼の肖像」の対談で細川氏も言ってるように明日夢にそばにいて欲しかったからということで出てきたらしい。ズバリ恋愛に例えて「ずっとそばにいて欲しい」とか言ってるし。じゃあ結局さ、最終話を見た人たちが思った
「ヒビキさんが明日夢にプロポーズ?」(思いきり要約)
という印象は正しかったってことなんですね。そうなんですね?(苦笑)


京介が「響鬼」に憧れていて目標としている、というのは判るんですよ。だって京介はたまたま最初に見ちゃった響鬼に父の背中を見て鬼になりたいと思ったわけですから。(要はインプリンティング=刷り込みだね)だからといって威吹鬼でもよかったかというと、それは多分違うんだよね。京介自身、あちこち弟子にして下さいといって回ってるけどその目標自体は「響鬼を越えること」なワケだから、「響鬼」に何かを感じたんではあるけど、それは「ヒビキさん」ではないんだよね。だからキャンプ中でも、常にヒビキさんをつけ狙ったりするような面白師弟になってるし。京介の場合、ヒビキさんのことは好きなんだけど一緒にいたいとかじゃないというか、多分鬼として独り立ちしたらさっさとどっかに行っちゃいそうなんだよね。まあそれが正しいんだけどさ。
でも明日夢の場合はヒビキさんと一緒にいること自体が心地よい状態であって、それはヒビキさんもそう思っている。ヒビキさんはよく明日夢に弟子になりたいかと聞いておきながら、上手く答えられない明日夢に「そういうわけじゃないだろ」と先回りして釘を刺すということがありましたが、それは結局ヒビキさんにとって明日夢はそういう関係にしたくない相手ということですよね。
今までの感想でも明日夢が弟子になるかならないかについてはちょこちょこ書いてますが、弟子になるということは明確な上下関係が出来るということですね。特に自分というものがしっかりしていない明日夢は、自分をちゃんと持っている京介と比べると、弟子にしてしまうとずっとそういう上下関係が出来てしまう。(実際京介は弟子になってもヒビキさんより下だとは思ってない節がある)
でもそうしなかったから、明日夢が弟子になるまでの明日夢とヒビキさんの関係って終始「対等」なんですよね。対等だから明日夢はヒビキさんに自分の悩みを相談することが出来るし、ヒビキさんも踏み込むでもなく突き放すでもなく微妙な距離感で明日夢に接することが出来るというところでしょうか。(性格の差はあれどあきらがイブキに自分の悩みを相談できなかったことを考えると、師匠というものはそういうものなのかも)
「少年は少年のままでいて欲しい」なんてのもまさに今のキミ(との関係)が好きだから変わらないでいて欲しいって言ってるみたいなもんだし。
何となくなんだけど、明日夢とヒビキさんがそういう話してるときって年齢が倍近く違う大人と話してるという雰囲気ではなくて、それこそ年の離れた恋人同士が探りあいながら自分のことを理解してもらおうと話をしてるというふうに見えなくもない雰囲気があったような気がしますね。友達同志だと年の差ってどんなに親しくなっても何となく感じられるけど、恋人とか夫婦って全くの対等、もしくは逆になることもあるわけじゃないですか。そんな過渡期みたいな感じ。
明日夢がヒビキさんに弟子入りしたのも京介に触発されたからというよりは、よりヒビキさんと一緒にいる時間が持てる、自分の知らないヒビキさんを京介だけが知っているということに嫉妬したからというのは各所でも指摘されている通りだと思うし。ヒビキさんに会う機会が増えるからと思ってたちばなでバイトすることを決めたくらいだしね、明日夢は。(だよな?)
そう考えると、明日夢にとってのヒビキさんもだけど、ヒビキさんにとっての明日夢 「運命の出会い」だったのか?って気になってきます。だって明日夢がヒビキさんに憧れるのは判るんだけど、ヒビキさんが明日夢のことを「何となくいいと思ってる」なんて理由がないし。理由がないのは、それ即ち恋ですよ!


それでこれからはずっと自分のそばにいろって、そりゃあ明日夢の方からはそういうことは言えないよなあ。いくら言外にそういう雰囲気があっても、実際言葉にして嫌だって言われたときのダメージは高校生には大きいものね。だから明日夢が言えないことをヒビキさんが先回りして明日夢の言いたいことを汲み取って言ってあげた(細川氏談)のがあのラストの「オレのそばにいろ」だったというわけなんですね?そうなんですね?いやぁ、参ったな(苦笑)
しかもヒビキさんは離れてた間明日夢のことが心配で自分の弱さを自覚したってことですか?「俺についてこい」というのは自立宣言した明日夢ということを考えるとちょっと待ってよヒビキさん、って感じなんですが、照れ隠しですか?
敢えて深読みしてみるとヒビキさんと離れてる間に明日夢が鍛えて、自分の意志で道を決められるほど成長した=大人になったということでやっと新たにヒビキさんとの対等な関係が成り立つということとでしょうか。そんな迷わない明日夢だから自分のそばにいて欲しいと。


なんて考えると、京介の最初からの明日夢に対する執着といい、ヒビキさんが出会ったころから お前に決めてた 自慢の弟子だと思ってたということといい、明日夢はつくづく魔性の 男といえましょう。どっとはらい