そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ウルトラマンメビウス#3「ひとつきりの命」

『GUYSの仕事を続けるってことは、ウルトラマンと一緒に戦うこと』


今回のウルトラマンメビウスがなぜ平成ウルトラと同じ括りでなく80からの続きなのか、その答えが明らかに。
いつの間にか「光の巨人」ってことになってた平成ウルトラマン。前作のマックスもM78星雲から来たといいながら光の巨人だったワケで、そうではない巨大生物としてのウルトラマンを描くということが、誰か地球人の体を依り代にすることのないウルトラマン=ヒビノミライということの意味ですか。(実は平成ウルトラってろくすっぽ見てないんだけど他のはその辺どうだったのかな)
まあ今回かなりストレートにウルトラマンも死ぬことがあるって言っちゃってますが、ウルトラマンが今までのように神みたいなものではなく、人間と同じ…とは言わないけれど命ある生物であるということを強調してますね。
『おおいウルトラ!オレはな、たった一つしかねぇ自分の命を粗末にするようなやつに、この星を守ってもらおうなんて思わない。絶対に思ってねぇんだからな!』
最初、怪獣を倒すことだけに夢中で街が壊れることを気にもしなかった新米ウルトラマンにダメ出ししたように、常に街を守るのはウルトラマンではなくて自分たちなんだというアイハラリュウの自負こそがGUYSであり、異星人であるウルトラマンが地球を守ってくれることの理由なんだよね。地球は誰が何のために守るのか?という根本的な問いかけをし直したという感じですか。
だから他の隊員が自分たちの夢をなげうってまでGUYSに入ったということの見返りが、自分たちの星は自分で守るということ以上にウルトラマンと共に戦っているという実感なんでしょうか。過去のウルトラマンが守ってくれた地球を自分たちの手で守り続けることが恩返しになる、という考え方はいいなあと思った。こういうのがあってこそ「過去にウルトラマンが存在した世界」という設定のもつ重みかなと思ったり。


話の方は今回やっとOPの歌詞が実感できる内容になってきたね。
それもあるけどなんかこれくらいのリアル感が心地よいというか、今のところ痒いところに手が届く感じのバランスでグー。
マックスのように1話完結、荒唐無稽の御伽話ではなく、ネクサスみたいに設定に凝り過ぎてオタクの自己満足的に内へ内へと向かった置いてきぼり感もなく、作り事の話を程よい具合に判りやすくSFで補っててこのまま行けば理想的なバランスです。もちろんマックスもネクサスもそれはそれで好きなんだけどね。
結局話には大して関係ないものの、見てるときにふと気になるのって、この組織はどうなってるのかとか市民の反応とか、そういう身近のところでの周りの状況だったりするんですね。オレはそういうところにリアルを感じるんで余計そう思うんだけど。
だから怪獣が日本で発生しても管轄外に行けばそっちに任せるとか、他にクルーがいないから状況をみて仮眠を取るとか、過去のデータベースを調べればそれなりの情報が得られ、怪獣に対抗すべき技術力は過去の侵略者の遺産から解析したなど、詳細な裏付けはいらないんですよね、そうだといってくれればいいだけで。怪獣の死体をちゃんとGUYSが処理してるってのは前回トリヤマ補佐官がいった通り。
メテオールの使い方も上手いですね、というかいろんなことに応用してんだね。今回は特にバリヤとして守ったり封じ込めたり、その辺の描写込みでよかったです。


話としてカタルシスがある話じゃないけど、じんわりくる感じ。相変わらずの熱血、アイハラリュウの『ウルトラマンに倒せなくてもオレ達に倒せない道理はねぇ!』がこのキャラの行動原理なんだなあと思ったり。このまま最後まで通すのかな?
そしてヒビノミライの行動原理は『僕は、一人じゃない』。それこそが奇跡への布石だということですね。
そしてカラータイマーの意味。
『あの輝きこそが、ウルトラマンが生きている証なんですよ!』
『てことは、アイツはわずか3分間の命を削りながら戦ってるということか』
カラータイマーが単にシグナルではなく、ウルトラマンの命そのものだということ、ひとつの命ある存在だということを殊に印象づけた感じ。アイハラリュウの表現はいちいち熱いよ!
そのあとのGUYSのメンバー全員とウルトラマンでの連係プレイはよかった。まさに「一人じゃ戦えない」。地球を守ろうとするみんなの気持ちが大切なんだよな。
最後にミライが言った『ウルトラマンも自分一人じゃ戦えません。一緒に戦っている誰かに自分の状態を知ってもらえるのって心強いんですよ』は、なんかすごく珍しいセリフを聞いたような気になったんだけど。そんなウルトラマンでいいのか(笑)アイハラリュウ的には『オレ達が一緒に戦ってやんねぇと危なっかしい奴だけどな』いやホントに。
仲間の結束は固まったってことで、次回はどうなるのか。希望をいえばもうちょいハッタリとかインパクトがあったほうがいいんだけど、ウルトラのマッタリ感も捨てがたいな。
それにしてもサコミズ隊長は何をどこまで知っているのか気になりますよ!