そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

サトラセ・天道総司

日曜になる前に何とか今週の仮面ライダーカブト14話、感想追加。
今週いろいろ落としたところを拾っとくよ。時間がなかったからなんだけど、あまりあの脚本に突っ込みたくなかったんだよね。でもだいぶ冷静になって見返したらその辺の整合性はどうでもよくなったんで、素直に今回の「食」に纏るエピソードを中心に感想を。
実はこの話のひよりと天道の「食」でのやり取りは結構好きなんですね。普段自分の感情を余り表にださないひよりと、不言実行の天道、その二人が本当のところを口に出さないままお互いの料理によって歩み寄って和解するという、なんかすごい展開が非常に面白かったです。
まあちょっと回りくどいですが、その辺順を追って見ていきます。


流れとしては朝、樹花を見送ったところに現われるひよりにきんぴらを振る舞うが、ひよりはベルトについて尋ねたことに答えがないことを怒って、捨てゼリフを残して出ていきます。
その後、樹花に昼食の用意をして自分は外食に出る天道。実は天道様、食事をよく作るわりには自分で作ったものを食べるシーンはあまりありません。3話で松輪鯖の鯖味噌を加賀美に食わせるところで、3人で食卓を囲んでいますが、自分の作った鯖味噌を一口食べて止めただけ。なので天道の食は主に他人のために作るものばかりです。
そして来るなと言われたにも関らず、当たり前のようにサルに行ってひよりの賄いを注文する天道。ひよりの作ったロールキャベツを不味いと言って、ツケの一万円を払って出ていきます。この時、ひよりの賄いが本当に不味かったのかどうかは判りませんが、ひよりの乱暴な態度なんかも含めてヘソを曲げたのかも。『春のやって来ない冬はない』と言うのは、天道は必ずひよりと和解できると思ってたんではないかな?
サルを飛び出した天道は、その後昼飯処を探して街中を彷徨います。ここで運悪くどこも休業なのはひよりの賄いを食べろという天の采配なのか?そうだとしたら運は天道を見放したわけじゃないですね。ついでに加賀美に付いてる尾行も見つけたし。
ひよりの方は天道が置いていった一万円を返しに天道家にやって来る。ちょうど樹花の食事時、樹花に無理やり誘われ昼食を共にしますが、天道が人に食べさせるためだけに作った食事の美味しさに気がつく。
この食事、昼食にしてはしょぼい気がしますが、ひとつひとつは手間がかかるわけではない料理、しかも副菜ばかりですが、使いまわしの食材がないことから、かなり手間をかけてはいるようです。お味噌汁は以前の描写でもあった通り、ちゃんとダシにも気を配り味噌も何種類か混ぜて作っています。ひよりの舌がそれを判らないはずがないというところで思い当たるのが、以前病院での天道の言葉。『食べるという字は人が良くなると書く』ここはベタなんですが、判りやすくていいですね。


その後、天道はまたサルにやって来ますが、これはなぜか判らない。判らないけど脳内補完してみますと、たぶん樹花が天道に電話でもして、ひよりがやって来て一緒に昼食を取ったことを嬉しげに告げたとしたら、天道はそれによってひよりに何か伝わったと解釈してもう一度ひよりの賄いを食べるためにやって来た…んではないでしょうかね。
ひよりの方は天道が来るこないに関らず、彼にダメ出しされた賄いを作り直したのかもしれないですね。果たして天道はひよりの賄いを食べて美味いと讃める。これは感想でも書きましたが「美味しいものを人に食べさせることが出来る人間に悪いやつはいない」ということで、ひよりはそんな天道を見て天道が悪い人間のわけがないと思うんですね。だってそんな天道を疑ったら、天道の作った料理を美味しいと思った自分、誰か(天道?)に食べさせるために作った自分の料理を美味しいと言った天道、両方とも否定することになるからです。
だからひよりは、普段多くを語らない天道だけど彼が人に対して思いやりのある人間であり、感情の機微にも聡く、わけもなく他人を傷つけたりするような人間ではないと感じたのではないでしょうか。
それを見ていた店長の様子から察すると、ひよりが何を思ってか作り直した賄いを天道が美味いと言って食べたことに「春がやって来た」と感じたのかも。


まあそんな(脳内補完ありな)この一連のエピソードで、天道は自分から何か言い訳や説明をしたりはしない、特に自分がこれと見込んだ者に対しては、自らが正しく行動しさえすれば必ず判って貰えるはずだ、むしろ自分が見込んだ者ならば判らないほうがおかしい、くらいに思ってるってことでしょうか。ザビーを辞めたあと友情を勘違いしてた加賀美への態度から、加賀美に対してもそうなんですが。


あと今回は「食」で全部まとめてるってことで、シャドウに潜入しているワームを暴くときの『本当の名店は看板さえ出していない』は最初、単純に偽装したワームのことを言ってるのかと思ったんですが、ワームを名店に例えるのは変なので、これは天道自らが名店であって、影山のようにいろいろ策を弄する奴よりも、何も言わないでワームを暴き出す自分の方が優れているということを言いたかったのかと。まさにそれくらい覚れよってことでしょうか。
天道様の思考は果てしなく奥が深いです。どっとはらい