そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

超星艦隊セイザーX#37「拓人、闇の中へ」

『じいちゃんたちに会ったら言っといてくれよ…夕飯までには帰るってな!』


嗚呼!(感動)セイザーXという作品の正解がここに。
拓人vsネオデスカル(ブラックライオ)。

『全てをひとつに…』
『そうだ、全てがひとつになれば争いも消えるのだ。戦いのない世の中になる。
 それこそが、古代から人類が夢見ていた理想の世界なのだ』
『それは全てお前になるってことだろ。お前に従わない者は全て排除されるってことだろ。
 全てをひとつにしちゃいけないんだ。オレはこの戦いに参加してからいろんな人に会ってきた。
 未来の宇宙からやった来た奴らと考え方が合うわけはない、最初は衝突もした。
 でもそんな奴らとも心を通いあわせることは出来るんだ、違った価値観のままでも心を合わせることは出来るんだよ。
 敵だったヤツでさえ今では俺たちの仲間なんだ。みんなそれぞれ違うから対立もするしケンカもする。
 でも、だからこそ判りあえたときが嬉しいんだ、何よりも嬉しいんだよ!世の中でこんなにも嬉しいことが他にないほどにな。
 俺は、この戦いでそれを学んだんだ』
『違う人々がいるから世界から戦いがなくならないのだ。全てがひとつになれば、争いも消える』
『違う、それは違う!そんなつまらない未来は俺は作りたくない。
 アドやケインや、レミーやシャーク隊長や、ブレアードまでもいる世界の方を俺は望む!
 たとえ、時にケンカしたとしてもな!』

ちょっとばかり何か書こうと思ったけど、もうこれでいいです*1
ここまでの36話分でやってきた価値観の違いや敵味方の対立を乗り越えること、自分たちの命を懸けてまでやり遂げなければいけないこととは、信念とは、何のために戦ってるのか…の全てがここに。
Xデー以降本来の未来と変わり始めた歴史の中で、どんな未来を望むのかということを地道にやってきたわけですが、そんな中でよく考えたら生まれたときから戦いに参加すべく運命に定められていたヒーローとも言うべきたっくんが、この戦いの中で体験して学んだことこそがこれだったわけですね。
世界が統一されれば争いのない理想の世界になるというネオデスカル(が「人類の理想」をいうあたりアレですが、それも宇宙叙事詩セイザーXだと人類に入るのかな?)ですが、それに対してたっくんは、人類の自由と平和なんかじゃなく*2、自分の身近な人々の顔を思い浮かべながらいろんな人がいるほうがいい、時に対立しても人は判りあえるんだ、と自信をもって言い切るあたりがこれまでの展開を考えると何だか説得力。ああ、セイザーをずっと見ててよかった。
ヒーローとしての運命を定められてるわりに、どうもそういうものを背負っているようには見えなかった主人公たっくん…というのが、セイザーXがヒーロー物としては微妙に食い足りないと感じる人も多かったんではないかと思うのですが、この作品は結局人と人の係わり合いで何が大切なのかを描いていて、人と人とが繋がって行く先に未来があるということが正解だとしてるんで、誰かヒーロー一人が守る未来ではないんですね。この辺はもう好き好きだと思うのですが。
だから最終局面に向かって次々と戦艦は動かなくなっていくけど(この辺も何だかお約束の展開だけど終わりだということがひしひしと伝わってきて切なくなるよな、ネオデスカル艦が落ちたのは結構ああ…と思った*3)仲間は誰一人として欠けることなく、全員一丸となってネオデスカルに挑んでいくんですね。一人の戦いでなくみんなの戦いなんだよな。
ブレアードがジャッカルが残したドリルアングラーにちゃんと感謝するところがまた何とも…しかもドリルが役に立ってるし!パトラはもとよりアイン・ツバインの設定までも活かす最終決戦、ああ素晴しい。


ここに来て初めてこの戦い自体がこの人達だけで完結してて、前回TVのニュースを見てる安藤家の人々というのはあったけど、世間的にはどうなんだろうとチラッと思ったが、まあその辺は仕方ないのかなー。お父さんは…と思ったがさすがにこないよな。でも最終回には出てきそう?最後に安藤家の人々もやって来て、ホントにもう最後。


予告。「最終回予告」という文字をこんなに複雑な気持ちで見たのは剣以来。
今日の一言。『みんなは夢を持ってるか』『未来がなくなったら、夢も持てない』『未来は僕たちが守って見せる』『だからみんなも』『夢を諦めるな』
前向きなセリフなのに朝から泣かせるよ…

バレーダと今更グローザ

そういやちょっと気になってたバレーダの中の人佐藤麻紗さん。グローザの石川美津穂さんはレースクーン出身で格闘技が得意という売りだったけど、佐藤さんは単にグラビアアイドルでいいのかな。あんまりその辺プッシュしてないみたいだけど、役としては良かったんで。プッシュしてないのは中の人の問題なのかなあ。
佐藤麻紗公式
石川美津穂公式
石川さんは随分セイザーに入れ込んでたんですね、ブログにちゃんとセイザーのカテゴリーがある(笑)しかもネオデスカルTシャツとかあったとは!ジャッカルとも仲良かったみたいだし。ああちゃんとチェックしときゃよかった。(基本的にあまりスタッフやキャストのブログって見にいかないんですが作品内容に関ることは別)

*1:書かないとは言ったけど、他所さまのコメントには書いちゃったんで、一応補足。(なんかカッコワル)ここのシーンを見ると、ネオデスカルはこういうテーマを言いたいがために単なる独裁者や侵略者ではなく「理想主義的独裁者」(あるいは理想教の教祖様)に設定されてるんですね。これの良し悪しはともかく、彼の言ってることにはうっかり乗ってしまいそうな甘美な響きがあります(苦笑)それは子供には伝わるのかどうなのか、世のお父さん達はなぜネオデスカルがいけないのかを子供たちに上手く説明できるのかちょっと心配。(まあ答えはたっくんが言ってくれてますが)

*2:言ってもない言葉を引っ張ってきてはいかんという戒めのために残しときますが、当たり前のことですが劇中誰一人として「自由と平和のために戦う」なんて言ってませんね。だからこれを引き合いを出すことはそもそもちょっと違うというか。第1部でこそ「地球を守る」と言ってましたがそれは単に拓人に判りやすく説明するために言ったことであって、実は彼らは未来の地球を救うため、言い換えれば人々の未来、一人ひとりの夢を守るために戦ってるんですよね。(たっくんの夢がF1レーサーだってずっとアバンで言い続けてたのはそこを忘れちゃイカンてことなのかな?)ネオデスカルが「人類の理想」などといかにも大ざっぱな正論をいうのと対照的ですね。たっくんがネオデスカルの理想の未来に反対するのは、突き詰めるとみんな同じで自由が許されない未来は嫌だってことなんだけど、この言い様だともっと単純な、「いろんな奴がいてもいいじゃん、その方が楽しいし」くらいじゃないかという感じなんですが…

*3:この辺何となくだけど、ガンダムのア・バオア・クーの最終決戦を思いだした。愛着ある戦艦やメカが次々とリタイヤしていく感じ?ネオデスカル艦はホワイトベースじゃないけどさ。