そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

誰のための特撮?

今週のカブトに限らず今の特撮って子供には判りにくいとは思うけど、それの何が問題なのかなーとか言ってみる。多少はそういう視点は考えるけど、オイラは本来のメインターゲットに関わらず面白いと思うものに反応してるだけなんで、その辺全く文句言う筋合いはないんだよね。というか、それを考えるのはスタッフの仕事なんで、はっきり言って視聴者側からどうこう言うことじゃないしさ。別に心配してやるいわれもないし。

そもそもそれでいったら、特撮のメインターゲットって未就学児童、せいぜい4〜5歳なので、小学校低学年〜高学年に向けてるアニメより低いわけだし、比較して語ること自体にあまり意味ないと思うんだ。もちろん大抵の特撮ファンじゃないお父さんお母さんたちはそう思ってないから、子供には判りにくいんじゃない?という大人目線の考えで文句言うと思うんだろうけど。
それに本当に未就学児童に向けた特撮番組って多分面白くないんじゃないかと思うんだよね。
念の為に言っとくけど、これは同じ対象に向けた児童アニメ(例えばアンパンマンゾロリクレしんドラえもんなど)が面白い面白くないってこととは多分根本的に違うと思うんですね。予算、つまり起用役者や玩具展開の多さ、関連商品の展開からいっても特撮番組ってメインターゲット層以外にアピールしないといけなくて、そういうアニメと同じ予算で作る実写番組が果たして大人として面白いかどうかってことです。


よく響鬼のP交代騒動の時に「特撮は本来子供向けだから、大きいお兄さんお姉さんの意見は関係ない」「オレたちはお客さんじゃないから」って言ってる人を見かけたけど(なぜかそう言う人はみんな玩具買ってるんだけどさ。おまけに大人向け特撮は持ち上げるんだよね)、その時から全くそう思ってなかったんで、なんで大人の特撮ファンはそう本来のメインターゲット層に対して卑屈になるのかなーと不思議でした。
はっきり言って特にライダーなんかは大人相手に商売してるじゃん、明らかに。子供には買えない(金銭的・商品展開的に)マニア向けのものがたくさんあるじゃんよ。
物語を面白くするための番組的な仕掛け、要するに役者とか大人の視聴に耐えられるような世界観を支えるための小道具や特撮のいろいろも、全て…とは言わないけど、玩具以外の関連商品の売り上げで予算があげられてるんだよね?*1
だから、とは言わないけどそれゆえライダーは他の特撮に比べて常に一歩先んじてるんだと思ってたし。他社はともかく同じ東映の戦隊に比べてもね。またそういう部分を受け入れやすくするために平成ライダーの申し子(って勝手に祭り上げてみる)白倉さんが持ち込んだ概念が「ライブ感」なんじゃないかと思うんですが。

オレははっきり言えば昭和のライダーって殆ど覚えてないし、そもそも子供の頃はウルトラ寄りだったし、最近気がついたのは以外と戦隊を全部見てた、むしろ戦隊のノリの方が好きだったんですが(加えて言うとレッドのアニメ企画に何だかんだでハマってるんでリュウケンドーも、SFが好きなんで超星神も好きなんだが)、特撮全般をかなり見てるにも関わらずなぜ平成ライダーにこんなに入れ込んでるかというと、やっぱりその「ライブ感」なんだと思うんですね。もちろん特撮に限らず一般ドラマも見てますが、平成ライダーほどトンチキでインチキな、ノリだけで出来てるような、しかも若いイケメンがたくさん出てくるようなドラマがあるだろうか。ないよな。しかもみんな本気で作ってるし。
日本には残念なことにスタートレックやアメコミ原作物(ってわけじゃないけどバフィーとかロズウェルみたいなもの)がドラマ枠として根づかないんで(でも日テレ土9枠は頑張ってると思う)、その分を埋めてくれるのが特撮なんですね。オレとしては。
だから当然、特撮は児童アニメの延長でなく、ドラマの延長なんですよ。それゆえ「いい年した大人がハマって何が悪いのか?デザインが気に入れば玩具だって買いますよ、それが何か?」っつースタンスなんですね。ホントにそれの何が悪いの?


一応言ってみるけど、平成ライダーの叩かれるべきところは子供向けじゃないストーリー展開ってことじゃなくて、そのライブ感ゆえ、話自体が破綻してても良しとするところでしょうか。だって同じように子供には判りにくいと思われるセイザーXは一本のSF的ドラマとしてちゃんと物語としても完結してるんで、内容や展開自体が子供に判るかどうかってことはあまり問題にならないしさ。オレはね。(そもそも2話を見た時点で大きいお兄ちゃん向けだ、と思ったし)むしろSF特撮番組でありながら、家族や友情をキチンと描ききったドラマとして評価したいし。
白倉さんのライダーはどうも謎解きや設定の面白さを見せることが主眼におかれてるっぽいんで(だから脚本家で味付けを変えるんだろうけど)、そこに絡むドラマ部分が弱いというか*2、それも不満ですね。本来ドラマの何が面白いと思うかというと、そのドラマならではの設定の中でどんな人間関係のやり取りを見せてくれるか、ということなんで、設定が判らないままドラマを進められてもなあ…というのが、まあこないだまでのカブトの展開ですね。まあ今後どうなるのかまだまだ判りませんが。
当然物語を楽しむために謎解きの部分には食いついてますが(というかダダ漏れですが。あんまり信用しないでねん)最後まで見て謎解きだけだったってことになるのはカンベンだなあ。だから今週も実は謎解き部分にはどうでも良くて、ひたすら天道さんのことが心配、なんですが(笑)あとで書くと思うけど。
話ズレたけど、そんなとこで。

*1:これは端的に言えば特に深夜アニメの視聴率と、DVD及び関連商品展開を見込んだクオリティの高さに現れてるんじゃないかと。要はどこで金が取れるかってことですが。大ざっぱな言い方だけど。

*2:平成ライダークウガがあまり好きじゃないのは単に嗜好の問題だけど、555がダメなのは完全にああいう人間関係のドラマがダメだからなんですね。白倉ライダーにはあまり「大人」がいないんですがそのもっとも顕著なものであるということと、何より一番ダメなのがあの簡単な人間関係なんです。それについてはディテールのない判りやすい人間関係が男性に受けてるとか、(女性はもっと複雑なものを好むので)そういう部分でいろいろ思うところもありますが、何がダメだったかというと端的に言えば「仲良しの人間より気に入らない奴の言うことを信じる」ってことです。どうして巧はそれなりいい人間関係を築いてきた木場の言うことより、嫌いな草加の言うことを信じちゃうんだ?なんですね。他の人もそうなんだけど。そういう人間関係の順列が根本的に間違ってるのが全く入れ込めない原因ですね。