そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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美しい罠・幸せな結末

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オレ的には類子と槐がくっついてハッピーエンドってことで満足度120%。ああよかった。途中、つか終わり間際までのこの二人の、というより槐の気持ちがよく判らんでハラハラしたけどな。
ちょっと最後の2週間は駆け足っぽくて、せっかく出てきた芳賀優里亜がいつの間にかいなくなってたり、草太の扱いがちょっと不満だったりしたけど、まあいいか。
それより一番衝撃的だったのは岩田さん爆死。爆死っつーか、恒大の自殺偽装のためなんだけど、描かれてない部分のあの二人のやり取りを思うとちょっと泣ける。恒大は恒大でそのために指を切り落として偽装工作に使ったり、この人たちの本気っぷりは相変わらずすごいな。恒大さんはそんなに悪い人じゃないんだよなあ。3本のマッチの話のエピとかは好きなんだけどな。とにかく本気すぎて鬼気迫ってて、昼ドラクオリティを超えてると思った。
このドラマの登場人物っていわゆる人間的に性質が悪いというわけじゃなくて、みんな自分の欲望にあまりに忠実過ぎるのが、端から見て偽悪的に見えるというか、その割りに意外とキャラに深みはあってその辺が大変面白かったです。槐の設定と気持ちが一番複雑で読めなかったんだけど、それ以外は類子のクリスタルのフクロウと過去のトラウマ、それゆえ槐の計画に乗って「愛よりお金」と言い切る様とか、川嶋さんと千津さん、岩田さんと恒大の関係、澪さんと類子の本音と建前とか、レイの本心とかが概ねフォローされてて、隙がないんだよな。類子と恒大の距離感の微妙さもよかったし。
まあ象徴的なのは恒大のパーティで着飾った紳士淑女が撒き散らかされる宝石を奪いあうっていう、すごく判りやすいビジュアルなんだけど、撒くほうも拾うほうも「悪」かといえばそうじゃないってことだと思うんだ。だからこのドラマに善悪はないんだよね。ただ欲望と愛があるだけ。
不破の財産を奪い取ろうとする槐の「理由」は明かされてみると、そのリスクにはあまりにも相応しくないんだけど、それはそういうもんかもな。途中で明かされるとかえって何故?って思っちゃったかも。少なくとも親友の敬吾を殺すほどの理由ではないな。あそこで引いた類子は常識的には正しかったってことか。(これは随分フォローされてるな→高杉瑞穂インタビュー
結局「美しい罠」ってのは「愛ゆえに」ってことなのか?少なくとも類子と槐が収まるところに収まったのは救いだな。類子が不破家にきたときの野望に燃えた真っ赤なドレス姿との対比の、最終回の清楚な白いドレスもいいし。
振り帰ってみると一番気の毒だったのは敬吾だよなあ。愛すべきおバカさんだったのに。少なくともそいう意味で何の罪もなかった敬吾を殺したことだけは槐には一生背負って欲しいもんだが。
最後まで好きだったのはレイさん。いいなあこの人。いろいろと抱えてるものはあるんだけど、このドラマの中では完全に狂言まわしに徹してて、ドロドロした欲望から一番遠く離れて快楽に忠実だけど分をわきまえてるってのがいいね。
最後のレイさんのセリフ。『人の心は醜いわ、でも美しい。愛は残酷。でも愛は、やはり美しい』はこのドラマの締めくくりに相応しいね。


まとめてインタビューも見てみたけどこの脚本家の人は上手いなあ。他のキャストのインタビューも面白いよ。みんな楽しんでたんだな(笑)
金谷祐子 / 脚本家・前半
金谷祐子 / 脚本家・後半