そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

時をかける少女

 http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/
前情報も何も入れない状態で。でも良い評判が入ってくるのはまあ仕方無いとしても、オレはダメでした…もちろん作品の出来がってワケじゃないんだけど。
とにかく、真琴がダメでダメで、見てて本当に途中リタイヤしたかったくらい。マジで。
ネタバレ含むんで隠します。


何がダメって、真琴のキャラクター。オレは一番ダメなタイプなんで辛かった。全然感情移入出来ないの。話はさ、そんな真琴が引き起こしたことであっても真琴のキャラならそうなるだろうな、というのは納得できるんでそれはいいんだ。とにかくダメなのは真琴の行動なんだ。映画を見るのが辛くなるほどにな。
でもこれは千昭が正体を明かすまでだったけどね。そのあとは別に大丈夫だった、話の展開からして当たり前と言えば当たり前だけど。
まあそれは置いといて。
でもやっぱりみんなが褒めるほどは好きじゃないな。2006年の時かけとしてはまさに"今"の映画だと思うし、こういうこの時期特有の何かを(「甘酸っぱい何か」じゃないのはいいと思う。そういうノスタルジックなものはやっぱり"今"じゃないと思うんだ)ちゃんと描いてるというのはいいんだけど。
あと基本設定はやっぱりあのままなのね。片方が未来人て奴。


細田守監督は、デジモンぼくらのウォーゲーム」が面白かったから覚えてたんだけど、あとはルイ・ヴィトンの村上とコラボのスーパーフラットなアニメくらいかな、ちゃんと意識して見たのは。(あれの絵ってまんまデジモンだったよなー)あと多分意識しては見てないな。おジャ魔女は見てたから細田回は見たかも知れんが。
この映画は初っぱなからずーっとジブリアニメだなぁ…と思いながら見てたんで、そもそもそこがものすごい引っ掛かってたてのはあるけどさ。好きじゃないんだ、ジブリアニメの耳すまとかおもいでぽろぽろとかの路線って。(その割りに見てるんだけど) あと背景が、ああジブリ…って感じで(そりゃそうだ、山本二三だもん)本当にジブリ映画を見てる気分でした。
途中、真琴がタイムリープ能力を使い始めてからは細田監督の…かどうかはそこまで見てないから判らないけど、独特の演出が面白かったです。特にタイムリープで何度も同じ場面を繰り返すんだけど、ちょっとずつ人物配置や起こることが違ってたり、その繰り返し自体のリズム感は気持ち良かったり。引きの画面が多いこともあって、中に入り込まないで、まるでTVの枠を通して彼らを見てるような気にはなったな。真琴に感情移入出来ないってのはそれもあるんだけど。なんか、壁があるんだよね。
ところが終盤、千昭が正体明かしてからはそれどころじゃなくなって、見てるこっちも真琴と一緒にどうしようと思いながら走り続けるだけになって、この辺は特に違和感なかったかな。
話の展開もタイムリープでいろんなタイミングの時間に戻るんだけど、これはさっき言ったこととちょっと矛盾してるけど、目線がずっと真琴目線なんで特に混乱することもなく、目の前のことを次々とクリアしてその積み重ねが今を作ってくって感じがあって、こういうところは上手いなあと思ったなー。

あと芳山和子がおばさんで出るってことくらいは知ってたけど、この人、言うことがそのときどきで変わっていって落ち着かなかったというか(笑)真琴が過去を変えるたびに状況は変わっていくんだけど、それを全部そういうもんだと受け止めるのが元祖時かけ少女ってことなのか。特に千昭なのか康介なのか、どっちも違うのか、そのアドバイスがね。


結局タイムリープで真琴が払った代償は、あったかも知れない明日をなくしたことなのかな?真琴がタイムリープをしなければ、あの絵を見るために千昭は夏中はいただろうし、真琴に告白をしたんだと思う。そしたらそのままこの時代に残ったかも知れないし、もしかしたら真琴の拒絶のせいで三人の友情は無くなってたかも知れない。そんなことは判らないけど、真琴は時をかけることであったかも知れない(実際あったんだけど)明日はなくしちゃって、別の明日を手に入れたってことなのか?
自分が思いつきで野放図にやったことの代償を最悪の形で見せられて、それがリセットできたのは千昭のお陰なんだけど、真琴は成長したにしてもやっぱり特に代償は払ってないように思うんだよな。それでもいいんだー。その辺がオレが何か釈然としない理由でもあるのかも知れないです。
明日は何処にもありません*1…でも別の明日へと、少女はいつだって時をかけるんでしょうな。
最後の真琴と千昭の抱擁はよかった。


あと絵に関しては影がないのものっぺりしてるのも特には気にならないんだけど、あんまり動きが細かいのって逆にオレは気になるんだよな。ディズニーアニメみたい(やっぱり好きじゃない…)っつーか。というか画面自体の光と影の演出があるから絵はあれでいいと思うんだ。ただあの絵は崩れると気になるんでその辺がときどき気にはなったなー。
ていうか、貞本さんの描くキャラクターって絵として骨格があってちゃんと芯が入ってるのに、この映画の絵ってどうもグニャグニャしててオレはあまり好きじゃなかったです。崩すにしてもそうじゃないだろーって感じで、妙に背景と演出とキャラ絵のリアル感がマッチしないというか、そこも狙いなら仕方ないけどオレは好きじゃないな。
美術はもう全て素晴しすぎて。特にあの夕方の分かれ道の空気感とか、震えたね。
キャラの声はもう何も言いません。ごめんなさい。
あー、最初キャッチボールの時、真琴の投げ方が女の子してて細かいなと思ったんだけど、女投げ止めろよーって功介のセリフがあるってことは、最初から演出だったんだなと気がついた。細かすぎる(苦笑)


追記:時かけ感想追加→http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20061006/p1

*1:あんまり覚えてないんだけど原田知世版?ゆうきまさみのパロディで覚えてるってのもなあ(笑)