そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

まだ坊っちゃんのことを考えてみる

他のキャラもそうなんだろうけどさ、
坊っちゃんの場合は特に、もともとのパーソナリティがああいう憎めない一途でピュアな子だったんだなと思えば思うほど、(しかもだからこそ死ぬのは判ってるから)暴力とか死って、なんて理不尽で許せないんだろうと思うよ。だって出てきたときにすでに本人は死んでるんだよ?途中で成り代わられてたらまた違った怒りもあるだろうけど、そうじゃないってのがやり切れなさを余計に助長してるんだと思うんだ。(加賀美の弟と違って誰も剣が人間だった頃は知らない。じいやが知っているのはまた別問題)
坊っちゃんを倒すことを是とすることは、見てるオレもそうだし、天道ですら躊躇するような、それだけ哀しくてやり切れないことなんだよ。
でもあの坊っちゃんの「キャラクター」はワームだからというわけではなく、記憶をなくしてるからこそ、「坊っちゃんそのものだった」と思うと、やっぱり知らない間に人を襲ってるかも知れない、自分や姉と同じように誰かが殺されてるかも知れないと思うと、それが自分の意志であろうがなかろうが、坊っちゃんには許せないことだと思うんだよな。
じいやの覚悟の決め方はそれこそ「子供の頃からずっと剣を見てきた人」だからだし、常に坊っちゃんの幸せを考えてきた人間だからこそ坊っちゃんの望みを知っている。それゆえどんな結末になったとしてもそれはじいやの思う「ずーっとずーっと坊っちゃまが幸せでありますように」でなければならない。坊っちゃんが生き永らえることは坊っちゃんにとっての不幸でしかない、ということなんだよな。
傍目には自殺にしか見えない坊っちゃんの死も、坊っちゃん本人の満足げな表情を見るとそれが彼にとって単に自殺ではない、使命を果たしたとでも言うような崇高さがある。だからこそじいやは坊っちゃんの望みが叶えられたと知るんだし。
今回の井上さんの脚本はかなり米村さん的に細かくセリフでそういうところを拾ってて、そこについてはすごくよく考えられてると思うんだ。
カブトは全体にちょっと感情的に拾えなかったり、納得できないことがあっても(今回の加賀美とか)どうしてオレが米村さんのストーリーラインを否定しないかというと、何となく米村さんの捨てるところと拾うところの「それはそれ、これはこれ」が見えるというか、共感できるからなんだよな。(これが井上さんや小林さんメインの時だと出来ないんだよ、オレはね。変なところや納得できないと思うところに違和感を感じるんだ)
一番判り易いのは、平成ライダーの女性キャラ、オレは誰一人として好きなキャラいないんだけど(むしろムカつく)唯一カブトのキャラだけは好きなんだ。岬さんなんか1話から好きだったし、ひよりにしても蓮華にしても世間的には評判悪いですが、全然イヤじゃない。むしろ好き。米さんが基本的に、たぶんいかにもな「女の子キャラ」が好きじゃないんだろうなーと思うからなんだけど、そういう意味では判り易いと思うんだよね。
役者さんたちは演技的には(オレは別に問題ないと思うけど)いろいろ力不足も合ったろうけど、キャラクターの捉え方としては最初から間違ってないなあと思うし。女性だけでなく天道や坊っちゃんもね。(むしろオレは加賀美が一番どうかと思うんだよね。最初の頃はともかく、いい加減成長しろよと。どうして佐藤くんは加賀美というキャラを進化させることを止めちゃったんだろう・・・)
それはある意味突飛に見えるキャラクターも、実はとても人間くさいということだと思うんだけどなあ。(米さん期準)
地獄兄弟は・・・アイツらはキャラを掴みすぎてるから、勝手にやってるようにしか見えません(笑)全部アドリブだって言われても納得するよ(笑)
矢車さんにはオレたちの知らない「闇に落ちた事情」があって、たぶんそれって、明かされると「えー、なんでそんなことで!」的なことじゃないかと思うんだ。*1 だからもう明かさない。人が衝撃を受けることなんて、人それぞれ度合いが違うんだからそこを描くのは野暮なことだ・・・という米さんの人間臭さが何となく見えるような気がするのも、オレが米さんにシンクロしてるからかなあ?
あ、坊っちゃんのことだけのつもりだったのに、なんか語っちゃった。(今日役者の演技の話とかしたからいろいろ考えてたのかも)

*1:今書いてて、最近これと同じようなドラマがあったなあと思ったんだけど、「美しい罠」の槐の復讐の理由だった。他人から見たらどうしてそんなことで殺人まで!(しかも全く関係のない、罪のない親友)なんだよな。