そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

仮面ライダーカブト「FINAL」

東映http://www.toei.co.jp/tv/kabuto/index.asp テレ朝:http://www.tv-asahi.co.jp/kabuto/
『自分が変われば世界が変わる、それが天の道』


カブト関係者の皆さま一年間、お疲れさまでした&ありがとうございました。
本当にありがとう水嶋くん、佐藤くん。その他諸々のみなさん。
オレにとっては「天道総司」と出会わせてくれてありがとうな1年でした。
 
ということで、この回だけ見ると物凄く最終回みたいでした。正しい最終回。まあ特に文句も言いませんよ、何もかもが明かされてなくてもな。別に文句もないんだよなあ。
1クール目から考えてこの最終回なら本当に違和感ないんだよ。「友達」のこともちゃんと拾ってるしな。うん、この話はやっぱり天道と加賀美の物語で、運命に導かれた者同士が出逢い、仲間として戦って、友達になる話ってことで。あの戦い終わった屋上のシーンはよかったなあ。(いいけど、このシーンよリ後に先週の加賀美の『親父…』￿(←佐藤くんオールアップ)があったかと思うとなんか変な感じですが)
投げっぱなしなのは確かなんだけど、ここまで投げるともうどうでもよくなるというか、たぶん普通に見てた人にはそんなに問題ないんじゃね?実は龍騎みたいなリセットエンドも考えてたんだけど(35年前に戻って全てをやり直し、加賀美と天道は1話と同じ豆腐シーンで出逢い、天道が名乗って東京タワーを指さしたとこで主題歌がかかり、完…って感じね。まあそれだと映画と同じなんですが)それよりはこっちの方が全然よかったかな。
物語のテーマ的には自分が自分であることを受け入れる、自分にしか出来ないことを見つけ出す…なのかなー。
まあこれだけじゃあんまり投げっぱなしなので、一応今までの感想の締めとしてもうちょっと拾ってみよ。

「FINAL」

アバン燃えた!最初「FINAL」って出てきたときは何が始まるのかと思ったけどさ(笑)短い時間の間に燃え要素が詰め込まれとった!
そして天道さんの手紙の達筆さになんか萌えた。でもなんで筆文字(笑)
 

『この世界、お前らの好きにはさせない!』

加賀美は〜〜。結局天道を殺したことについては反省もしてないし後悔もしてないし、今更信じて戦いに赴いてるけど何のためなのか?どうせならもうちょっと「世界を救う」ヒーロー的な感じに立ち向かっていくところが見たかったんだけど、どうも微妙。なんていうか、田所さんが言うように「ひたすら前に突っ走る」でもいいんだけどそのために説得力がちょっとないというか、これが天道なら「天道は正しいから」ですむんだけど、加賀美は迷うキャラだから、迷った末の結論を見せてくれないとスッキリしないしカタルシスもないんだよね。*1
結局陸に真相を知らされたから気がついたんでもいいんだけど、最低でも根岸の理想に騙された自分に気がつき、そのために天道を平和の敵として倒してしまったことを後悔し、自分が何のために根岸に立ち向かっていくのかをはっきりと自覚しないといけなかったと思うんですよ。
でもここで問題なのは、根岸・三島は悪だけどネイティブが必ずしも悪じゃないかも、ということなんだよね。ゼクトルがだいぶネイティブにされてる(もともとのネイティブはいないのかな?)ことといい、結局ネイティブの中でも誰が人類にとっての悪なのかが判らないのが、そのカタルシスが小さい原因かと。
加賀美にとっての「悪」「敵」は根岸とそれに与する三島なんだけど、その規模がハッキリしないというか…どうもこの図式でいうと根岸の部下という意味でのネイティブ軍団が出てきてないせいで、じゃあ根岸を倒しただけで話は済むの?と思うんだよね。
その辺、陸が語ってくれてもよかったんだけど、実際のところは謎のまま。もしくはワーム軍団(乃木)とネイティブ軍団(根岸)が明らかに対立してるとか見せてくれてもよかったのになあ。そうすりゃ根岸軍団の規模が判ったんだけど。
三島vs加賀美。メガネを踏みつぶしたり、加賀美に向かって『昔からお前のようなただ真っ直ぐな奴が大嫌いだったんだ!』っていう三島がツボ。格好良い!
でも人間に戻るネイティブに『ネイティブの心を失ったか!』って、なぜお前がそれをいう?(笑)イヤ、なんか変よ?シチュエーションとして。加賀美がネイティブなゼクトルに仲間っていうのも変だけど。

 

『愚かな人間などもう、必要ありません』

ネイティブ根岸さんは結局なんだったんだろね。単に平和主義のネイティブの中の強行派?
根岸が放送で「人間同士での争いをやめない」「そんな人間にネイティブとの共存は不可能です」って言ってるけど、人間同士の戦争と、人間とネイティブ(ワーム)との争いっていうのは、全く次元が違う話だよな。
人間同士が争うのは殆どが権益の問題で、人間とワーム・ネイティブが争うのは単に生理的恐怖の異物排除の本能なんだから、それを一緒くたにする根岸の演説がそもそも怪しいよ。というかどうして人間と侵略者であるワーム・ネイティブが共存しなければいけないのか?
天道たち人間がああいう状況でネイティブと共存出来る世界を求めるのと、ネイティブの根岸がネイティブと人間の共存を一方的に求め、そして経過もろくすっぽ見ずに人間不要論を唱えるのは、もう最初から人間をネイティブにして同化させようという狙いがあったとしか思えないんだよね。この辺がどうしてもオレはネイティブが平和を求める種族だと思えない所以というか。
 
ネイティブ自体は田所さんや立川みたいに本当にいいネイティブというのがいるから、ネイティブが平和主義なのはそうなのかも。ワームはというと、あの時点でワームは完全に全滅してるという描写もないからまだいるはずなんだよね。でもじゃあワームが悪かというとそういうワケでもないだろうと思うのが、擬態するときに「やり方を間違って」人を殺して成り代わっているのが悪いわけで、人間に擬態して普通に生活してた描写があるから、そのメンタリティが悪かというとそうでもないような気がしてきたんだよな。
もともとなぜワームが人を殺すのかということについてはハッキリした理由が上げられてたワケではないし、擬態するときに相手を殺すということは擬態に必要な手順ではないため、それがワームの"習性"なのか"文化"なのかということが判らないし、実際擬態されても死んでない人間がいるわけだしね。おまけに人間の感情に感化されてしまうワームもいたわけだし。
とするとワーム・ネイティブ関係なく、根岸のやってることは明らかに文化的侵略みたいなもんなんだよね。いわゆる異文化に対してキリスト教を布教しようとした宣教師みたいな感じ?(よかれと思っての啓蒙じゃなくて文化的侵略の方)これも宣教師が悪いわけではなく大本はもっと別なところにあるから、それでいうと根岸は傀儡でないかという気もしてくる。なぜそう思ったかは、カブトがやって来て三島と戦ってるときに、根岸を逃がす部下を見たときに何となく根岸ってラスボスじゃないよなあと思っただけなんだけどさ。
35年前の出来事、隕石に乗ってやってきたネイティブが、後から来るワームを駆逐するために人間の力を借りてマスクドライダー計画を立て、人間のライダーにワームを倒してもらおうとした。
でもさ、立川ってライダーに変身出来るんだよな。じゃあネイティブがやればいいじゃんってことなのに。人間にとってメリットって全然ないんだよ。例えば侵略するって脅されて、ワームに対抗するために協力を要請されてるんじゃない限り。そんなマッチポンプなって話じゃん、それだとさ。北○鮮かよ。
で、その辺の秘密と謎が明かされてないから、根岸の重要性も判らない。根岸は35年前からZECTに関わってたネイティブなのか?立川さんの方が重要キャラっぽいけど?どっちにしてもこの終わりだとその辺は有耶無耶。放送されたものが全てと言ってる以上、補完されることはないんだろうな。想像するしか出来ないよ。
 
そんなんこんなで、もうすぐネックレスが全人類に行き渡って、ネイティブ化するっていってんのに、全くそれに感知してない人たちがサルにいましたよ。
日常、の象徴なんだろな。でもどうもこの描き方も加賀美と同じで足りないというか、何だろな、状況が判ってるのか判ってないのか判らないのがハッキリしないのがイヤなのかも。外の状況を知ったうえでの、例えば天道を信じてるから日常であり続けるなら判るんだよ、こんなときに新メニューの開発をしてても。やっぱりちょっと感情に訴えかけるものが足りないんだと思う。

『おばあちゃんが言っていた。世の中で覚えておかなければならない名前はただ一つ。天の道を往き、総てを司る男・・・天道総司

天道様登場!(笑)
『俺は世界そのもの。世界がある限り俺はある』カブトエクステンダーに乗って登場ってワケでもなく、希望という名の花を手にポエムを呟きながら現れるって、そんな人だったか?『夢破れた男に花一輪。その花とともに天に昇るがいい』って、なんだよ、それ。カッコよ過ぎる(爆笑)
ちょっと思ったのは、ベルトの力については全く明かされてないんだけど、加賀美が死んだとき生き返ってるんだよね。じゃあ例え天道が死んだとしても、ベルトが壊れてなければそれ付けっぱなしなんだし、生き返るんじゃないの?
ってことは瓦礫の下に埋もれてた天道様が突然ポエムを呟きながら現れても何の問題もないわけだ。なのでそれについてはスルー。まあちょと登場がオモシロ過ぎたってことで。オモシロ過ぎというか、でも巨匠ならもっと美しく撮って欲しかったなあ…ポエムの方が印象強すぎでオモシロキャラにしか見えん。
 

『人間もネイティブもあるものか。この世界に生きとし生けるもの、全ての命は等しい。他者のために自分を変えられるのが人間だ。自分のために世界を変えるんじゃない、自分が変われば世界が変わる。それが天の道』

なにげに加賀美も賛成してんのは…(笑)
謎の大隕石を破壊、放送施設も壊し、三島を倒して大活躍。カブトとガタックの共闘は燃える!
カブトが擬態くんを助けようと必死だったのがちょっとよかった。一瞬天道と擬態くんが目が合ったけどあれは一体どういう意味だったのか気になるな。もしかしてあそこで擬態くんは生きることを諦めた?その擬態くんは結局ネイティブの姿で根岸と爆発に。影山が死ぬ間際にホッパーだったのと逆か。
『カブト、この世界を頼んだよ!僕たちの世界を…!』というか擬態くん…マジ泣ける。
そのあとの天道と加賀美がいいなあ。
『やったな』『一度しか言わないぞ。同じ道を往くのはただの仲間にすぎない。別々の道を共に立っていけるのが』『友達だ。…それはおばあちゃんの言葉か?』『いや、俺の言葉だ』
おばあちゃん語録でなく、天道が自分自身の言葉で初めて加賀美に語ったってことになるのか。初めて天道のいう「友達」として認めてもらえた加賀美。素直にこれでいいことにしとこう。ちょっと胸が熱くなるよ。
毎回服の色ってそれなり意味があるんだけど、今回天道はグレーなんですよね。いつもは白とか黒とかハッキリした色なのに、その中間のグレー。(でもインに着てるものは黒と白)
天道が迷って辿り着いた天の道は人間もネイティブも共存してるあいまいな世界ってことなのか。
それはいいけど、加賀美は天道さんに何か言うことがあるんじゃないですか?とやっぱり突っ込みたくなるよ。天道さんは別にイイみたいだけど、加賀美だから仕方ないと思ってんのか?(苦笑)

で、一年後。

まあこれは別に全然OK。みんながそれぞれ新しい場所を見つけてるってのは、ZECTはなくなったのかな。田所さんの蕎麦屋も岬さんのレストランチェーン経営もよし。そして最終決戦なんか全く関係なかったメイクアップアーティストもやって来た!(笑)これはこれでほのぼのエンド。
たぶん、この世界はネイティブになっちゃった人がいて、共存してるってことなんだよな。というかワームの人もまだいるんじゃないのか?ひよりがネイティブということはカミングアウトしてるのかしてないのか判らないけど、樹花は知っててひよりを『お姉ちゃん』と言ってんのかなー?
まあこれが一時は世界を敵に回しても…とまで言った天道の目指した「ひよりがひよりとして生きていける世界」ってことで、それは結局他にもワームやネイティブがいる世界なんだね?それならそういう描写があってもいいと思ったんだけど。だって実体があの緑の虫だって判っててお付き合いする人がどれくらいいるかとは思うと何だか微妙。
 

『あいつはね、いま豆腐を買いに行ってるんだ』

加賀美が警察官ていうのは何だか納得。陸が見守ってるのもいいし。ここの加賀美はカワイイな。警官かー、何かいいな。幼稚園児に呼び捨てされてんのも萌え。
そして天の道を往く人はなぜかパリに。あのあまりにインチキパリが何とも言えないんだけど(どうしてあんな書き割り然とした背景を合成するか…w)あまりにおかしかったからいいや。
そして見返したらなぜか最後の「Fin」の天道様の綺麗な微笑みでちょっと泣けたよ。終わっちゃったんだなぁ…
まあ始まりの時と同じだけど、天道様はどこに行っても天道様だった。メデタシメデタシ。
 
初見では単に文句ないって感じで、でもあー面白かった!ともいえないなぁ…と思ってたけど、3回見たらなんかこれで全然いいような気になってきたよ。やっぱり天道が好きだからなのかなあ、最後の天道さんを見てたら全てがハッピーエンドに思えてきた。だってあまりに荒唐無稽にいい意味でいい加減でインチキなんだもん。なんだろな、なんかのマジック?
全体のことはこれからボチボチ考えようかな。ああでもホントに「天道総司」というキャラをありがとう!と言いたいです。あ、なんか寂しさがじんわりと…

*1:例えば龍騎で何のために戦うのかの、自分なりの答えを出してから戦いに赴く真司くんのように。