そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ひとつの真実

今んとこ電王は見て「面白くないなあ」と思ってるからどうしても辛口、というか苦言ばかりになってしまうんですよね。まあ感想もあんまり重箱の隅をつつくのは野暮なんで大筋でおかしいなあと思ったとこしか突っ込まないようにしてるんですが、ちょっと今週の感想のコメント欄のやり取りで、今週分はもうちょっと補足してみようと思ったよ。
あ、あちこちの感想見るに、全体に「面白かった」という意見が多いのは別にいいんだよ。オレがあんなんじゃ我慢できないってだけなんで。「ハケンの品格」に対するのと似たような感じかなあ。
今回はとにかくウラのキャラの真実が判らないんだよね。
モモの時はさ、モモは乱暴者だけど良太郎の「嫌だ/ダメだ」がそれなり理解できて、良太郎の(正義の)側についたから今までの罪が許されたわけで、オーナー言うところの「パスの共用」を許されたわけです。これはいい。
ウラの場合どうなのか。
ウラは今のところ自分で言ってるように「人生全て嘘、嘘のための嘘が大好き」なわけですね。しかも女性達に甘い囁きをして厚遇されるくらいならともかく、尾崎の財布の金で使いたい放題してる。これ、こないだ良太郎は自分のお金を勝手に使ったモモのこと、怒ってなかったっけ?今回は人の金勝手に使ってんだよ?
良太郎にウラが許される場合、感想でも書いたけどウラが真性の嘘つきであってもその嘘の中に「ひとつの真実」があるとか、それによって良太郎がウラのことを認める、もしくはモモ&良太郎のピンチを救うということなはずなんですね。少なくとも筋書きからしてそういう展開かなーと6話視聴前はそう思ってたんですね、オイラは。
ところがどっちもやらなかった。ちゃんとね、お膳立てはあるんだよ、話の展開の中に。大輝少年から本当のことを聞きだすという部分と、モモ(ソードフォーム)じゃダメな状況をウラが(ロッドフォームで)助けるという部分。そういうお膳立てはありながらそこをはっきり描かず曖昧にしてしまったんですね、今回のお話は。
ウラが良太郎に取り憑いた理由が判らないから、ウラの「本当のこと」が今回だけでは判らない、本当のウラは言うほど「人生は全て嘘」なキャラなのかどうか?それは今後もしかしたら語られるのかも知れないけど、少なくとも良太郎がウラを仲間にするという事実に対して、良太郎はそのことは判ってないといけない(視聴者に対して説明しなければいけない)と思うんだよね。
ぶっちゃけた話、番組的にウラが仲間になるのは前提だから、理由は「良太郎がウラを気に入ったから」でもいいんだけど、そうするとその気に入った理由は説明してくれなくちゃいけないと思うんだよ。他の誰も知らなくても良太郎だけはウラの真実に何か感づいてるというさ。そもそもそういう細かいところに気がつくというのが良太郎のキャラだよね?
だからもしこの話を納得できるようにするんなら、ウラのキャラとしては、前半で「人生は全て嘘」といわしておいて、後半で「嘘も方便」とか「万の嘘にひとつの真実」といってくれないと納得できないんだよ。それを踏まえた上で良太郎がパスの共用を認めるじゃないと、お話的におかしいと思うんですね。
その辺大いに引っ掛かってんで、単純に「面白い」と思えないんですよねー。以上。


追記:
あとこれだけ電王が面白いと思われてる理由でちょっと思ったのは、普通の人は意外と演出に気を払わないからかなとも思ったり。(というとお前は判ってんのかというツッコミがきそうですが)
話の筋だけ追ってると確かに面白くソツなく過不足ないような気がするけど、演出も見ていくといろいろ足りないし曖昧なんだよね。
上手い下手はともかくとして、演出ってのは重要な部分とそうじゃない部分を視聴者に判らせるという役目があるわけで、意味あり気なアップとか、効果音(BGM・SEなど)がそうなんですが、そういうところでの画面情報を読み誤ると描かれてない勝手な思い込みが発生したり、エピソードの重要度を見誤ったりするのかなと。普通のドラマでは見てるほうはそんなに意識しなくてちゃんとこれが守られてるから、ドラマの内容を正しく認識できるわけで*1、特撮だってやってるのはプロだから同じはずなんだけど、ジャンル的にちょっと型にハマりすぎて誤解が生じるのかも。あとキャストの演技力不足も少々・・・という感じなのかなあ。
基本的にね、ドラマの中の描写に「意味のない部分」とか、「理由の無い部分」というのはあっちゃいけないと思うんだよね。作り事なんだから。実写だから全てに、とまでは言わないけど、解釈を間違うような曖昧な部分は残しちゃいけないと思うんだよ。平成ライダーお得意の「とりあえずな布石」とか「とりあえずな伏線」とかはあるにしても、その重要度の見極めもライダー視聴の場合、必要なスキルだということもあるけどさ。

*1:とは言っても、どのドラマに対してもながらに近い感じで見てる普通の人は耳から入ってくるセリフや大ざっぱなト書きの行動部分しか見てないわけで、そこでドラマとしての面白さを評価されてしまうのは仕方ないかなとは思うよ。だから「結婚できない男」みたいなドラマが阿部ちゃんのキャラ部分以外、ドラマ部分でなかなか評価されてないというのも頷けるし。