そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

風林火山#11「信虎追放」

http://www3.nhk.or.jp/taiga/
最初からクライマックスだぜ!
というか、どうしてこんなに緊張感溢れるところから入るんだ!気が抜けん(笑)
とにかくドラマ的には、完全に信虎は悪で甲斐の国の為にならず、晴信を担ぐことが正義であるということが一点の曇りもなく正しいこととされてるんで、それを信じますヨ。(1〜4話を見てないことが響いてくるよ、やっぱり最初からクライマックスかよ)
その上でやっぱり情勢を知ってた小山田の巧妙な立ち回りとか、父・信虎ではなく兄・晴信に対して心苦しいとしていた弟・信繁の心情とかがいやが上にも盛り上がるな。
信虎派だと思っている信繁に、獅子身中の虫になるかも知れないのに頭を下げる晴信の心と器量。なんとか力ではなく心で判ってもらおうと思ってるところに、信繁の『よくぞ背かれた!』は実に的確な言い回しだなあ。これによって信繁は兄が正しいと思ってると言うことと自分が兄を支持するってことを含ませてるんだよな。そうすると信繁のために晴信を非難しようとする諸角も何も言えなくなるわけで、こういうところが信繁は頭いいなあ(というか脚本上手いなあ)
晴信が力ではなく情で家臣に支えられてると言うことは、万が一以降の武田が父追放の誹りを受けたとしてもそれが正義と言い切れると言うことか。
一方呑気な父さん、信虎。
本当になんの疑いもなく、ちょっと娘の顔を見てくるつもりで国元を出たら戻れなくなってしまったと。戦国の世は厳しいのう。
自分を過信して何の疑いも抱いてないから、歌会で詠まれた歌の意味にも気がつかない。
今川殿の詠んだ歌「晴れし心に戻る甲斐なし」がよもや自分のことを言われているとも思わず、「晴信に戻る国なし」と取ってしまった信虎。今川殿はともかく雪斎なんかには心の中で小馬鹿にされてるんだろうなーと思うと、ちょっと気の毒になったり。正解は「晴信の心中では、すでに父親の戻る甲斐(国)はない」だろうなあ。今川殿、キレ過ぎでコワイよ。それが戦国クオリティ?
北条氏綱の遺言、北条は信虎に敵対してたし、あの演出だと信虎の義理を欠いた姿勢を暗に非難してるってことでいいのかしらん?「義」はまさに人の行いとして正しいことであるから、晴信が信虎を追放することが正しいということのダメ押しだな。ここの演出も気が利いてるなあ。
国に入れない以上、駿府の今川の元に戻るしかない信虎。お伴の者たちは最初からそのつもりだったのか、信虎ひとり残して中に入るのは。余りに呆然としてる信虎がちょっと気の毒な気も。それともオレが1〜4話見てないからそう思うだけ?
そこに迎えに来る勘助。雪斎にいいように使われてるとは知っているのか、それでも敵討ちなのか・・・と思ってたら、飛び入りが。えーと、なんだっけ、道中信虎が乱心したら切り捨てても仕方ないんだっけ?だから今川としてはどうでもいいと思ってる勘助なんだよな?でもやる気なくなった信虎に戦意喪失なのか。疎んじてた晴信を自分が育てたって言うのは随分な強がりな気がするけど、そうでもしないと納得出来なかったのか。
それにしてもこんな成り行きで国に戻ることなく駿河で出家って、ホントになんか気の毒。戦国の世はオソロシイ。


今週の締めも素晴しい夕景がバックだったけど、そういや感想は書かんかったが9話の晴信が板垣に謀反の意志を打ち明けるシーン。夕景をバックに晴信が板垣に刀を抜かせるシーン(だっけ、うろ覚え)がえらいカッコよかったんだけど、妹がどっかから仕入れてきた話を聞いたよ。
なんでも市川亀治郎が刀を掴むというアイデアを出して、オッケーが出たところで、カメラマンが役者揃ってるし、今ちょうど夕日がカッコイイからすぐ撮ろう!って言って撮影したらしい。カメラマンさんグッジョブ!さすがに光の具合をよんだりポイントを探すことにかけてはプロだなー。というか、そういう気合の入った演出って今までの大河には余り見られなかったようなんだけど、やる気があるってのはいいねえ〜。ロケが多いのもそのセットがしっかり作られてるのも、見ててリアリティがあって、骨太に感じるよな。カッコイイ!