そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

被取締役(とりしまられやく)新入社員

http://www.tbs.co.jp/torishimarare/
なんか「刑事の現場」見たあとでこれ見ると変な感じなんですけど‥‥(>録画消化中)森山未來忍成修吾が出てるしー。
閉塞した部署に異分子を入れて混乱させることで結束を促すって、萩尾望都の「11人いる!」を引き合いに出すまでもなく有効といえば有効な方法だよな。一見イジメ的だけど、職場で(そういうことの是非はともかく)悪口を言わない人は信用されないとか、共通の敵を作ることで集団が結束する‥‥みたいなもんだよね。
主人公の羽ヶ口(鈴木)信男はそういう目的のために特別待遇で雇われた「超一流のダメ人間」で、ワザとじゃなくてもやることなすこと失敗ばかり、しかもたまたまやることが当たったら今度は調子に乗りまくる。
うーん、初めはうざったくてムカついたけど、ダメなりに頑張ろうとしてるのは途中からちょっと応援したい気持ちになったのに、調子に乗ってきたところでまたムカついた(苦笑)
いくらダメ人間でもそれが超一流ともなるとそれはそれで才能だな。会長が心理学者だからこその秘密プロジェクトで、信男のダメさ加減の一流さ?を見抜いたからこその取り締まられ役ってことが、あんまり嫌みなくテンポよく展開するから面白かったてことかなー。でなきゃ、こういうネタ自体ちょっとどうかって感じになるよなぁ。演出がさすがの吉田秋生かだからか。キャスティングのおかげってのもあるかな。
 
というか、普通のダメ人間だと捌け口にされることに精神的に耐えられないはずだけど、信男がそれに耐えられるってことがダメなりの才能極まれりってことだし、更に言うならそこから増長出来る人間性もダメだからこそだよね。(苦笑)
だって自分がなぜ第一企画室にいるかってことを考えたら、最初から企画の才能があってのことじゃないなんて判りきってるはずなのに、そこで自分が出来るって思えるのは普通の人間じゃないというか‥‥さすが根っからのダメ人間だよ。うん、頑張ってるってのは認めるけど。
話自体はご都合なのですごく面白いってわけでもないけど、演出かなあ、やっぱり。途中イジメ撲滅キャンペーンにみんなで取り組むところの早送り演出が可笑しかった!あれいいなぁ。
あ、この話のそういうそもそもがイジメ的なネタ振りに対して、最後のプロジェクトがイジメ撲滅キャンペーンってのも気が利いてたかな。信男が真面目に取り組むことで上手くいかないってことも。だから最初から才能はないんだって、プランナー自体の。
部のみんなが信男をダメ人間として捌け口にしてはいたんだけど、部長の保坂がイジメのプロジェクトを任せようとするとことか、実はそういうことは判ってるんじゃないかって思わせる懐の深さを思わせるのも嫌な感じにならないってことではよかった。というか、信男が来てから明らかに部の雰囲気が良くなって成績も上がってることくらい、やり手の人間なら当然判ってて然るべきだよな。
心理学者である会長がそれを判ってないのはおかしいんだけど、結局信男を「そういうシステムとして」使うことを決めたのは当然だね。そして信男自身もそういう「ダメ人間のプロフェッショナル」として、地方の子会社に出向くことになったというラストは、ダメ人間でも何かの役に立つ(信男はずっと人の役に立ちたかった)ということで、救いのある話になってるのがよかった。
信男のこういうキャラをちょっとムカつくとこも愛すべきダメ人間なとこも含めて、見てる方に嫌な気分を与えずになりきるってことでは森山くんはやっぱり上手いなぁと思うんだけど、好きかどうかはまた別の話で、個人的には見ててすごく微妙な気分だったなぁ‥‥