そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

クローバーフィールド/HAKAISHA

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ものすごく面白かったんだけど!でも人によるのかもしれないね、と言っとく。
映像そのものが「見るべきもの」だから、ネタバレしない方がいいのはそうだけど、ネット上でいうほどではないかな。あ、でも「何か」が何なのか自体が判らない方が面白いけどね。
オレは劇場で見た特報とTV予告だけしか見てないけど、それくらいの「何かの記録らしい」程度で見るのが一番いいのかなー。見終わったあと周辺事情がちょっと知りたくなるけど。
ってことで、パンフもシール閉じになってるんで、一応隠しときます。見るつもりの人は「何か」も知らないうちに早めに行った方がいいかも。
公式のWARNING!はネタバレじゃなくて体調注意の方か。うん、そうだね。画面は手持ちカメラ風だから体調万全で行った方がいいかも。1時間ちょっとなんだけど、結構きついかな。
オレは超オススメする。
あ、バルト9で見たからデジタル上映で画面も音響もいいってのはあるけど、たぶんネタ的に家のTVで見てもそれなり面白いのかもしれない。迫力は減ると思うけど。



もうとにかく見てる間、画面に釘付け。つかものすごく入り込んで見ちゃったよ。画面が揺れるからとか以上に、集中しすぎて長時間はしんどいわ。
しかも臨場感ありすぎて、ものすごく怖いし、ホントにその場にいるかのような錯覚すらしたよ。
視覚的なテクニックのことをいうと、要するにこの手の災害や戦争状態のドキュメンタリー映像を日常的にニュース映像とかである意味見慣れてるから、この映画が本当のことであるような錯覚をするんだよね。たぶん。(それが狙いだとは思うけど)
知り合いが撮ったVTRと言うよりはニュース映像的ドキュメンタリーなんだよね。 *1
こういう方法の見せ方の映画が出来るってことでは、まだまだアイデアって出てくるもんだねー。凄いよ、これ。ただお金は凄いかかってると思うけど。
 
一応、予告とかで「何かにNYが襲われた記録」と言うのは判るというかそのつもりで見に行ってるんだから、最初のパーティシーンがちょっとダラダラしてても我慢出来るかな。ここで登場人物の人間関係はある程度判るようになってるし。VTRを回してるのはハッドって人だけど、主人公はパーティの主役のロブ。
この映画は基本はモンスターパニック映画ってことにはなるんだけど、大筋はロブとその彼女?ベスの話でもあるのね。ただ単に何かに襲われたNYで逃げ惑ってる主人公たちってことじゃなく、パニックの中、ロブが気まずいまま別れてしまったベスを助けに行く話。これがないと映画としてはあまりいい印象はなかったかも。
またそのパーティの様子から逃げる間の記録を撮ってるVTRが、一月前にロブとベスがデートをした録画に上書きしてるから、ハッドがVTRを止めるたびにそのシーンが消されずにちょこちょこ出てくるのね。パーティの時に、ロブとベスの破局の事情が語られてないんだけど、だから余計にロブがベスを助けに行くNYの惨状の様子の途中途中で楽しそうなデートシーンが入ってるのが切ないと言うか、すごく感情移入しちゃうんだよ。で、ベスはちゃんと生きてんだよね。良かった良かった。これがまた最後のシーンに利いてくるんだけどさ。
あの状況で彼らが自由に動けるとかってことはこの際どうでもいのです。普通生きてないし、たどり着けないって(苦笑)
 
そうそう、ドキュメンタリータッチのハンディ撮影風ってことで一瞬「ブレアウィッチ」?と思ったけど *2 特報の画像が一見してお金かかってたんで、それはないだろうと。で、オレが見てる間感じたのは松本人志の「大日本人」でした。手法としてはまったく違うし、巨大な何かが出てくるからってことじゃないけど、雰囲気的に何か通じるものないかなぁ?そんなこと思ったのオレだけ?
これ全編ハンディで、素人VTR風に撮ってるけど、ものすごく手間かかっててメチャメチャ計算されてる映像なんだよな。一見素人VTRに見えるけど、実際はそんな素人っぽい画面じゃないように作ってるし。
しかも視点はVTR回してるハッドの視点だけ。これだけでもう凄いって。手間と計算があるから素人VTR風でもちゃんと話は判るし、そういう風に見えるように演出されてるだけだから思った以上に見やすいと言うか、映画としての違和感はないんだよね。
ただ説明してくれる人がいるわけじゃないし、何が起こってるかも判らないし、しかも最初チラチラとしか見えない怪物がはっきり見えてしまって興ざめって人もいるみたいだけど(ちょっとネットの感想漁った)、それってあまり問題じゃないとオレは思うけどなー。なんで「映画」という作品だと何もかも説明されないとと思うのか。
最初にも言ったけど、オレはこれは過程を楽しむ映画だと思うから、何かに襲われた人たちの記録でいいと思うんだ。ちゃんとその間に起承転結はあるし、展開に緩急ついてて映画としての体裁はとれてるし。だから単なる記録映像風にせドキュメンタリーってだけじゃないんだけど、どうしてそれが判らないんだ?
逃げる途中でロブの兄さんが怪物にやられ(ハッドはお兄さんの友達)、心配する母親から掛かってきた電話でそれを言わなきゃいけなかったり、それを気づかうハッドとか、ベスを助けに行くべきかどうか迷ったり、逃げてるメンバーがロブとハッド、お兄さんの婚約者のリリー、リリーの友達でハッドが片思いのマリーンの4人ってことで、人間関係もそれなり微妙だったり、そういう感情的なところでの流れもあるからちゃんと話の筋はあるし、最後が切ないんだよー。切ないと言うか「ああ〜〜‥‥」って感じ。
結局何か判らない怪物に襲われて‥‥なんだけど、怪物のデザインはともかく、最後見えた方が良かったのかなぁ?ガッカリって人もいるみたいだけど、だからといって見せないのもストレスだし、姿がなんだか奇妙に怖いのは確かだし、「サイン」みたいに出しちゃったこと自体がギャグだろ?ってわけでもないし *3 、やっぱり出した方がいいと思うけど。
最後まで言っちゃうけど、ハッドやロブがヘリに乗り込んで、助かったのかとホッとして暴れ回る怪物を上空から見下ろしてるところで、何で早く離脱しないんだと焦れてたら案の定‥‥おいおいおいって感じ。(AVP2では主人公たちはちゃんとヘリで無事脱出したのに!)そこがラストじゃないのかよ!と。ラストはもうちょっと先でした。だってVTRが回収されたのはセントラルパークって最初に言ってたからね。
 
一応どうやら続編って言うか、同じように誰かが撮った映像という体裁の物が作られるみたいだけど、この映画で判ったことを踏まえて状況や怪物の正体が判るようなものにせざるを得ないと言うか、同じ手法ってのはないはずだから、それはそれで続編が楽しみだなー。リリーは生き残ってるんだよね。あとは‥‥?
そういやそのつもりで見てたからまったく気にならなかったけど、BGMもないんだよな。映画最後のEDテーマがどう聞いてもゴジラで、60年代くらいの日本のモノクロSF映画テイストも混じってる感じで、ああやっぱりゴジラだったのかと‥‥(笑)
感想こんなもんかなー、もう一回見たいのは山々だけど、すごく疲れるからなー。うーん‥‥ネットでネタ漁ってたらもう一回見たくはなるかも。(だってロブとベスのデート映像に何かが映ってるとか言うし!)なんかいろいろありそう。
そうそう、自由の女神の首が飛んできたところで人々が写メってるシーンがあるんだけど、この手の映画のリアリティ描写としては外せないよなー。でも子供向け特撮作品なのに、怪獣やUFOを写メる人々を何年も前に描写してた松竹セイザーX班って、スゴイな(笑)

*1:何となくだけど、9.11まではこういう都会のオフィス街のビルが破壊されたときに辺りに紙片が舞い散るっていう描写、あまりなかったような気がしたんだけど、あれの実際の映像を見たあとだとその方が確かにリアルって気がするよ。だって中東辺りの戦場映像って、そこに書類自体ないしな。意外と気がつかなかったリアリティかも。

*2:ブレアウィッチは単に周りの情報を遮断して「怖がってる人を見て怖がる」という物だったから、オレはつまんなかった。

*3:劇場で見たのに爆笑しそうになった。そういう映画だとは思ってなかったんで、出すのか!と別の意味で衝撃だった。