そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

仮面ライダーキバ#46「終止符・さらば音也」

東映http://www.toei.co.jp/tv/kiva/ テレ朝:http://www.tv-asahi.co.jp/kiva/
『いずれ俺には息子が生まれる。そいつは悩み多き人生を送るだろう。その時助けてやって欲しい』


さよならキング。さよなら音也。
なんかキングは可哀想だなあ。どういう育ち方をしたのかは知らないけどさ、結局彼は「愛情」って物がどういう物なのか判らず、「所有」=「愛情」だと思ってたんだよな。だから自分が本当は真夜のことを愛してる、というか自分が真夜に抱いてる感情が「愛情」だってってことも判らずに真夜をつなぎ止めようとして、そしてそれは真夜には伝わらなくて音也に負けてしまった‥‥ってことだと思う。ある種の権力を持つ男性にありがちな愚かさか。そこら辺はちょっと気の毒です。
また石田監督がキングの最期をやたらカッコよくきれいに撮ってるもんだから、その愚かさが際立ちますよ。(こういうところが巨匠はよく判って仕事してるなーと思うのよ)
キングの振る舞い全般は男の美学といえばそうなのかも知れないけど、キングと同じく愛情という物を知らなかったはずの真夜が音也によってそれを知ってしまった以上、もうキングの元には戻らんでしょ。でもキングはそれすらも判らないまま逝ってしまったよ。ああ可哀想。そういう愚かな男はドラマで見てる分には気の毒、ちょっと同情。真夜を道連れにしようとして逆に太牙にやられるなんて、本当に可哀想。そんなとこでキングの世代交代なんて。
愚かで美しくも哀しいキングよさらば!
 
音也はと言えば最後まで愛するということを貫き通して逝ってしまった‥‥うう、悲しい。悲しいけどこれはこれでやっぱり音也という男の美学だからしょうがないか。教えを請う息子は突き放し、『息子の前でカッコ悪い姿を見せられるか』って自分は死にそうなのにやせ我慢の美学。カッコイー!シビレルー!
最後にゆりに会いに行ったけど、ゆりがあんなにもちゃんと音也のことを吹っ切れたのは、やっぱり音也が誠実だからだと思うんだよね。ゆりに対してじゃなくて、愛に対して誠実なんだよ。人を愛することが大好きで生命力に溢れた魅力的な人間だから(だってバイオリンを弾くだけで温室の花が咲き誇るんですよ?)、ゆりからしたら他の女に気持ちがいってしまってもしようがないかと思える、その愛が常に本気で、音也が選んだ相手だから仕方ないと思えるから潔く諦められると思うのよ。実際ゆりは真夜のことは認めてたと思うしさ。(この辺あまりにオレはツボ過ぎて語りだすとキリがないので略)
でも別れても心の中ではずっと音也のバイオリンが響いてるんだよね。それはキングの「愛=所有」と対照的に、音也を愛したに人はみんな「愛=自由」だと理解するってことだと思うのね。自分の中の音楽に気付くことが出来たのは音也のお陰であり、それを感じてるからより良い生き方が出来るってことだし、それ自体が音也の愛だもん。
だからゆりは音也を失ったあとも(失恋であり永遠の別れでもあり)笑顔で生きいけるんだろうし、それは音也の愛の深さだと思うのよ。
井上さんの脚本、何だかんだ子供向け特撮って意味でキバに関しちゃやり過ぎだと思うけど、こういう微妙な男心女心は上手いなぁと思いますよ。好きな人にとっては、だけど。オレは好きです。
 
男女愛もともかくだけど、3匹のモンスターと音やんもなんか微妙なところで友情というか、同士ってこと?それでいったらゆりもすでに同士だよな。あの3匹がどうしてドランを抑えなきゃいけないのかはよく判んないけど、(そんな義理も筋も脈絡もありません!w)音也に頼まれて、しかもまだ生まれてない息子のことまで頼まれちゃあ、しょうがないですよ。よく判らないけど男と男の約束ですヨ。次狼たちは義理堅いなあ。よく考えろ、音也にそんな義理はないぞ‥‥と思ったけど、キングに封印されたのを助けてもらったことか?えーとそれは確か命と引き換えに音也を始末出来なかったせいじゃなかったっけ‥‥?まあいいやw
それにしても音やんはいつ渡を仕込んだのか?謎。
最後は真夜の膝枕で眠りにつく音也‥‥なんかあまりにきれいに逝きすぎで、悲しいというより安心しました。過去編は言うことありません。渡のキバと音也ダークキバの共演も果たしたし、井上脚本と石田演出の完全なるコラボだと思います。パーフェクトハーモニー、完全調和です。大満足。
 
ところで、その渡くんはと言えば、お兄さんの太牙くんと完全に敵対‥‥なの?深央が死んだのは渡がハッキリしなかったからじゃないの?むしろ渡のせいでしょ。どうしてもこの期に及んで渡はやっぱりよく判らないんだよね。メタレベルでもね。井上先生、渡くんをどうしたかったのさ?あまりに描写が薄すぎる。
音也があまりにも自分自身のポリシーに基づいてやるべきことをやって死んでいってしまったんで、渡のやってることが更によく判りませんよ。まさに偉大な父を持つと息子が苦労するというか、結局渡って何がしたかったのかなあ。ファンガイアを倒していたことだって、どうしてなのか、渡の口からは語られなかったし。キバを受け継いだこと、ファンガイアを倒していたこと(同族狩り)はちゃんと説明して欲しかったなあ。
だってさ、人間からしたらファンガイアは確かに天敵みたいなものだから倒すべき「敵」だろうけど、ファンガイアは人間のライフエナジーを取り込まなきゃ生きていけない生き物で、それは彼らにとって生きるために仕方ないことなんだよね。太牙くんたちからしたら何が悪いのってことじゃない?無益な殺生してるわけじゃなし。
音也が同じように人間を命を奪う次狼たちと判り合えたことを考えると、渡はどうして太牙と和解出来ないのって思うよ。太牙は人間とはその気はなかったけど、ハーフの渡とは和解の意思があったよね?深央のせいでダメになったけど。まあそもそも嶋さんがもうちょっとマシに接してたら太牙くんは人間のことを認めてたかもしれないけどさ。
なんかそこんとこが、どうもスッキリしないんだよね、渡の人間性として。
心の奥に愛があった音也は仲間と愛する人を得ることが出来たけど、渡は結局肉親も仲間も手に入れられない‥‥みたいな。
渡がキングになろうとするのは、たぶんファンガイアの王になって人間の敵であるファンガイアをどうにかしようとしてるのかも知れないけど、それはやっちゃいけないことだと思うんだよね。次狼たちモンスター族を絶滅させようとしたルークやキングと同じことをしようとしてるんだけどー?違う?人間だけが良ければいいの?
そうじゃないかも知れないけど、そうだったら本当に渡は音也の言ったことを理解してないと思うし、このドラマの物語として、ファンガイアを倒してハッピーエンドなんて、ありえないと思うけどなぁ。
ちょっとそんなとこがカブトっぽくなってきた雰囲気だけど(でもファンガイアはワームみたいな侵略者じゃねーぞ)、渡くん、自分が変われば世界も変わるんだよー?むしろ閉ざされた扉をその脚で壊せよ。
あ、えーと名護さんは目が見えなくなりそうだけど、きっと大丈夫な気がする。だって名護さんだもん!w


予告。つかさー、何で太牙くんはキバの力を貰えなかったの?だってファンガイアより強いのがキバの力でしょ。そんで、ビショップに次のキングを指名する権利ってあるの?名護さんにはツッコンでいいの?(笑)