そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

だから翔太郎が半熟だってことを言いたかったんだよね

でなきゃ、フィリップの「チャチな嘘をつくからだ」も意味がないよw
W6話で鷹村にさらわれたあすかが「ママー!嘘だよねえ?」って叫んでるとこですが、心に引っかからないセリフはスルーする仕様の頭なのであんまり気にしてませんでした‥‥というか、この話基本好きじゃないんでどうでもいいと思ってるだけとでもいうか、でもコメントしようと思ってたら長くなったんでトラバで。

鷹村「僕の土地に手を出す奴はみんな消えてもらう」
みやび「やめて!狙いはあたしでしょう !? あすかに手は出さないで!」
あすか「ママー!嘘だよねえ?」
(中略)
鷹村「ハハハハ、家族揃ってあの世で再会しろー!」

ですが、確かに繋がってないというか、カットされたんなら鷹村のセリフのあとに「お前の旦那のようにな」と「パパは俺が殺したんだ」が入ると思うんだ。「パパは死んだ」じゃなくて鷹村が「殺した」ね。だからあすかのセリフは「本当なの?」じゃなくて「嘘だよね?」になると。だからその直後のみやびのカットが「なんでそんなことを‥‥!」と言葉にしなくてもそう思ってるような顔してるんだと思うし。
じゃあなんでカットしたのか。
それがよく判らんから、どうでもいいやというかこの話好きじゃないなぁって話なんだけどさ。
たぶんそもそも感想でも言ったように、この話って翔太郎とあすかの話だったと思うんだよね。あすかが信じる「パパは仮面ライダー」を大事にして嘘をつき続けるハーフボイルド探偵の翔太郎って話ね。その嘘を嘘だといえないのがハードボイルドになりきれないってことだと思うんだけど。
 
でも思ったんだけど、もしあすかがパパは死んだと言うことを薄々感づいててみやびのためにその嘘を信じようとしたんなら、パパが殺されたということをみやびの前で知らされたあすかが、Wが助けにきたときにWをパパだと言うのは変だと思うんだよね。だってすでにみやびの嘘を判った上で、それが明らかになってるんだから。
だとしたら、それでもWを「パパ」というあすかって、みやびが言うように父親が死んだことを受け入れられない、嘘を信じないと生きていけない大変精神的に問題のあるお子さんになっちゃうんじゃないかなあ?簡単に言えば頭のおかしい子ってことですけど。いやなんか改めてこのシーン見返したらそう感じるんだけど。
しかもあすかがパパは死んだって判った上でWとの別れ際に「いつもの」をおねだりしてるんだとしたら、相当頭変だと思うよ?違うかなあ?だってパパじゃないって知ってて「パパのいつもの」を要求してるってことになるし。まあそれならあすかがあまりカワイクない、むしろ病的なルックスだってことも納得いくんですけど‥‥。 *1
脚本がどんなで、それをどういう見せ方にするかっていうのは、当然脚本家・監督・Pの間で打ち合わせてるはずだと思うけど、最終的に放映された物に対しての解釈の決定権を持つ監督さんは、一体この話をどうしたかったのかな?
3・4話がゲストの家族話にかこつけて探偵事務所の疑似家族関係を見せたかったんだろうってこと考えると、今回は探偵、というか翔太郎の依頼に対するスタンスを見せたかったのかもしれない。
でもだったらあすかに嘘をついているみやびの苦悩ってことで、そこら辺引っくるめて依頼者の心の問題には踏み込まない、彼女たち母娘の悲しい嘘に、自分の信条を曲げても付き合う翔太郎‥‥ってのを描けばよかっただけじゃないかなあ。だからサブタイの「代償」は翔太郎が無理してでも支払うって話で、前編見たとこで代償を支払うのはてっきりみやびだと思った‥‥ってのはミスリードで、実は翔太郎のことだったってのが最後にわかって、視聴者が「ああ、なるほどね」と思うってことじゃないかな。なんでそういう話にならんのだ?
まあ出来上がったお話があまり好きじゃなかったんで、あんまり突込んで考えないですけどね。楠原母娘の悲しい嘘に付き合う翔太郎って話なら、オレ的にはたぶんもっと感じ良かったと思うんだけど。
結局お話をどういう見せ方にしたいのかっていう基本的なことを、ナゼだか焦点が絞れなかった‥‥ってことだと思うけどさ。素直にあすか目線で翔太郎を描くつもりだったらわかりやすかったし、展開にも道筋がついたろうにってことなんだけど。
 
まーあと元記事に電王の話も出てるんでついでにというか。
当時の電王の感想でもずっと書いてたんだけど、電王初期で何が不満だったかって、わざわざゲストを出してるのにそのゲストが「良太郎たちが過去に跳ぶための装置でしかない」ってことで、ゲストならではの事情が良太郎サイドの話や関係性に影響を与えて‥‥みたいなごくフツーの展開を期待してたら裏切られ続けたってことなんですが、改めてWがそういうフォーマットでごくフツーの物語展開をしてると、やっぱこれは平成ライダーじゃないんだなーって思う。
じゃあ作品としての「平成ライダー」ってのは何かというと、主人公がなぜライダーになり、何のために戦うのかを見いだす話であるってことで、主人公が突然放り込まれたワケの判らない状況を乗り切ることでお話が進んでいくってことだと思うのよ。はっきり言えば状況を乗り越えることで実現する「自分探し」だと思うんだけど。まあこの辺は白倉ライダーに顕著ですけどね(笑)
視聴者は番組のワケが判らないところを主人公目線で追っていくことで、主人公、つまり物語と一体化するってことね。そもそも仮面ライダー自体が主人公=物語を形作ってる場合が多いと思うし。(主役よりも2番手ライダーが物語を背負ってることも多いですが)

でもWは今のところあくまであの探偵事務所の3人の物語で、すでに出来上がった(亜樹子は途中参加ってことになるけど関係性としては出来上がってる)状況の中で、探偵事務所に依頼があって、いつも通りに事件に巻き込まれ、いつも通りに捜査をし、怪人が現れれば仮面ライダーとして戦って、いつも通りに解決するというパターンが出来上がってるから、どうして仮面ライダーなのか、何のために戦ってるのかというのは、視聴者にっては謎なんだけど(てかよく考えたらたいして謎でもない、見たまんまだけど)、劇中キャラにとっては特に突込むこともない当り前のことなんだよね。というか本来亜樹子が突っ込み役のはずなんだけど、なんか馴染んじゃってるし。
だからゲストの話がメインになるのは当然で、番組的に視聴者に対して彼ら探偵たちと園咲家の説明をしやすいドラマを持ったゲストを展開するというのが今のところのWの基本構造だけど、これって当たり前にジャンプ漫画なんだよね。
まあジャンプに限ったことではないけどそう言うのは、単に塚田Pがジャンプ漫画好きみたいだから(笑)ジョジョネタとか、もう当然って感じだよなw

だから、オレなんか見るとあーライダーじゃないなあ‥‥って感じで、ライダーとしての面白味は今のところ特にないんだ。
電王でも本当ならもうちょっと良太郎とタロスのことをゆっくりやった上で、ゲストの話も入れ込んで‥‥ってのが、このフォーマットにおける平成ライダーらしい見せ方なんだと思うけど、逆に電王はゲストの話を切ってでも良太郎とタロスたちの描写を取ってるってことではすごく平成ライダーなんだよねえ。視聴者に考えるヒマも材料も与えないって感じで(苦笑)
今後Wがどう展開するのかはわからないけど、どっちにしても何か大きな流れが出てきていつもの平成ライダーらしくなるのかなーとは思ってる。もちろん園咲家絡みだろうけどドーパント絡みじゃないかな。怪人であるドーパントはこの物語にとって、「いつもの敵」だからさ。
ま、たぶん園咲家とフィリップの関係の絡み?今謎なのってそれくらいじゃん。
思うに、フィリップと翔太郎の関係がそのままで続くはずはない気がするんだよね。そこが崩れたところで、じゃあなぜ変身して、戦うのか?って話にならないと平成ライダーじゃないような気はする。
まあ当面はこのフォーマットで、事件を解決しつつ視聴者はちょっとずつWの世界のことを知っていく‥‥でいいと思うんだ。電王では結局変わらないとこが良かったけど、普通は変わって、成長するものだし。翔太郎とフィリップの関係はそんな感じかなぁ。何か危ういところがあるような気はするというか危ういところがないと面白くないと思うよ。鉄板コンビのバディものじゃない方が面白そう。
 
あとなんか突込みたいけどW絡みで上手く突込めないんで、ダイレクトに。
演劇でもドラマでも同じだけど、何かが変わる過程が「ドラマ」なんだけど、変わらないのも「ドラマ」なんだと思う。
何かが起こってるのに変わらないってのはそれ相応の理由があるからで、なぜ変わらないのかという「変わらなさ」を解釈するのもドラマに成り得ると思うのですよ。
そして靖子たんお話はウチのことでしょうか?(笑)だったらもう「バクマン。」は読まなくてもイイかなーと思ってますw
靖子たんは全然戦略的ではないというか、たぶん自分がものすごく書きたいってネタは持ってないけど、振られた仕事は自ら楽しんでやるタイプだと思うのです。自分が好きな方向にネタ出しをして膨らませて、楽しく仕事ができるように持っていける、客観的に創作が出来るタイプね。だからマーケティングで描いてる亜城木先生ともちょっと違うというか、むしろ中井さんだと思うかな。(笑)

*1:仮にそう考えると、あすかを頭のオカシな子にしないために演出的にぼやかした‥‥って可能性はあるけどさ。