http://www.tbs.co.jp/jin2009/
何も言うことないくらい面白いんですが、今回はちょっと（笑）
いやー、江戸時代にペニシリンあったら何がマズイんだ？と暢気に考えてたオレにもよく判る劇中解説でしたが、それとこれとは別の話よ？
だって仁先生がペニシリンの抽出方法知ってたなんて、後だしジャンケンもいいところよ？脳外科どころかフツーの医者だって知らねーって（笑）つか見習い時代の仁先生とお仲間たちも無理だって言ってんじゃん？つか何の漫画見ていってんだ？JIN？ｗ
ただそこに持って行く話が上手すぎて、最初こそそりゃズルイって思ったけど、あれはアリかなぁ。つかホントにキャラの絡め方といい何から何まで上手すぎる。
あの時代にペニシリンがあることの医学的貢献て、ヘタしたら日本国内だけの話じゃないと思うんだけど‥‥ってことはとりあえず保留。だって、タイムスリップした医者が己の技量と知識で身近な人を助けて歴史が変わったかも？ってくらいならわかる範疇だけど、新しい薬を作ってしまった、それも現代にならないと発見されない薬を19世紀に‥‥ってのはあまりに影響大きいと思うよ？助かる患者がいるとか言う話でなく医学的な発見として残るかどうかって話で。
ただどれも薬効がなかったという可能性もあるわけだから、あそこで効くペニシリンが出来てしまったってことは、仁先生も神がそうしろと言ってると思ってもしょうがないかと。しかも友永未来絡みだしなあ。
「神は乗り越えられない試練は与えない」だの「出来ないってことが嫌いなんです」だの、友永先生の医者としての姿勢が仁先生に影響を与えてる、その結果として二人が付き合うことになって、タイムスリップした先で彼女ソックリの花魁のためにペニシリンを作る決意をし、それを作ることが出来たのは友永未来あってのことで、それが回り回って未来の病気を治すに至った‥‥っていう流れってことかなー。
まあ抗生物質であるペニシリンの医学的効果と未来の脳腫瘍に因果関係はないけど、お話的にはまさにバタフライエフェクトで、だいぶ説得力が出てきました。うーむ、SFとしても面白いなあ。
で、今回の話の盛り上がりとしては、ペニシリンの抽出に成功ってことじゃなくて、夕霧が美しく死んでいけたってことだよね。
鈴屋のご主人彦三郎はどうも本当にいい人っぽいんだけど、ちょっと思ったのはいくら元呼び出しの花魁とはいえ客も取れずに梅毒で死にかけてる花魁をちゃんと看病してあげてることに感心したんだよね。
その辺は夕霧がそもそもキチンとした人で人望があるからってのは元より、彦三郎が本当にいい人で、その上たぶん鈴屋の大見世としての体裁と待遇のよさにちゃんと気持ちが入ってるってことだろうけど（いくらなんでも女郎を使い捨てするような店が有名店として繁盛する思えないもん）、夕霧の姿絵を飾ってやってるという気の使いようというか、そういう状況が判るところにもって、最後に病気が良くなった姿を見せようと鏡を持ってくるという野風の言葉に、咲がお化粧をしてあげようと思いつくことの意味があると思うのよ。
それはお武家の咲からしたらまったく理解の範囲外の吉原の花魁である夕霧に対して、最後くらいは綺麗にして送ってあげたいと思わせる何かがあったってことに繋がると思うのですよ。
咲自身はそこに入るためにとっさに島田を解いて男装してもいいと思うくらいだから本質的なことは判ってるんだろうし、だからそこで男装して女を隠して吉原に入った咲が、夕霧が女性としても花魁として満足できる姿で死んで行けることにちゃんと思い至るという気持ちの細やかさとかが胸にくるんだよな。ああ、オレちょっと泣けましたよ、咲があんまりにも健気でカワイイんで。
まーその辺もろもろ、仁先生の写真で野風ソックリの未来の姿を見ていながら、母上殿にそういうことを訊ねてみたりとか、仁先生自体が未来の人間だということと自分が医学を志すこととか、一生懸命あれはあれ、それはそれと考えてる様子なのが健気ですよ。
今回も写真が劇的に変わったけど、あれはどういう状況なんだろう。仁先生だって判るわけないんだから言っても無駄かもしれんがｗ
というかすごく身も蓋もない話だけど、仁先生は自分が現代に帰れなくても未来が元気に生きていれば（写真で確認出来る範囲で）それでいいと思えるかなあ？でもあの写真から3年後には何がどうしても仁先生自身はタイムスリップしちゃうか、パラレル化してるとすれば仁先生が何か重大な状態になってるってことも考えられなくないと思うんだけどさ。それがSFってもんじゃろ？予告がアレなんでちょっとそう思ったんだが。
つーことで順調だった仁先生の江戸時代ライフに暗雲が立ちこめそうな次回が楽しみすぎます。メッタ刺しの女郎が伏線だったとは‥‥
