そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

JIN-仁-#8

http://www.tbs.co.jp/jin2009/
歌舞伎役者に吉沢悠!なんつーか意外だと思ったキャスティングですが、あの気っ風の良さと色気が吉沢悠。カッコイー!
今回も面白すぎる!というか、ペニシリンを独占しようという悪知恵を働かせるやぶ医者になんて小気味いい仕打ち!まさに田之助さんは江戸っ子千両役者、カッコよすぎる!芸は身を助けてきたって、まさにゲイは身を‥‥な身売り話をぶっちゃけるにしても、その潔さがカッコいいし!
今回はエピソードというよりそれぞれのキャラの芯と立ち位置が揺るぎなく、出来事に左右されない強さの見せ方をストレートで納得できる見せ方で繋いでいってるってのが上手すぎる。熱さというより信念の揺るぎなさ?何でここまでキャラが生きてるんでしょう!
仁先生がもたらした万能薬であるペニシリン、仁先生がこれをこの時代にもたらしたことが彼の天命ならば、それを人々のためとして守っていくのが周りの人間の天命である、その道筋をつけたのは洪庵だけど、それがちゃんと伝わって実ってきたってことでしょうか。
坂本龍馬に比べたら(勝先生もだけど)恭太郎や仁先生の器がそれほど大きくないなんてのはもちろん未来人の仁先生は判ってるだろうし、だから自分に出来ることをやるしかないという覚悟もやっと持てたんだろうけど、ヤマサのご当主のいうのはその覚悟が美しいって話だよね。
いきなり大きなことをやってのける龍馬は確かに歴史に選ばれた人間だからだろうけど、その陰で身近の小さな気持ちの積み重ねが大きな歴史を動かすことができるってことと、小さくても美しい物は必ず認められるってことじゃないかと。だから直接歴史を動かすことが出来ない恭太郎や咲みたいな人間がいる意味もあるってことかなぁ。
仁にとって恭太郎は最高の護衛だというのは、人には生き様に見合った天分があるって話でもあるんだけど、それがのちのち歴史に通じないってことはないって話だよね。
 
400両の金をポンと出すことができる田之助にしたって、身(プライドも含む)を売って今の自分があるわけだからそれに見合う対価を求めるのは当然のことだろうけど、今よりも侍の身分や世間的なプライドがハッキリしててそこで生きるか死ぬかが決まるような世の中において、武士の恭太郎が衆人の前で、身分制度でいえば最下層の芸人に土下座することの意味って、それこそ死ぬことと同じ意味だと思うんだよね。
同じことは中条流の医者に身をまかせてもいいという咲もそうで、それは武家、しかも旗本の娘としてはやっぱり死ぬことと等しいと思うんだよな。というかこの兄妹、やること似過ぎw
それがこんなにも感動出来るのは、恭太郎は私事の初音のためということだけでなく、仁先生のペニシリンをみんなが守っていることの意味やそのための覚悟を改めて知ったからこそだったり、咲にとっては仁先生の医術を学んで伝えていくことが自分の命よりも大切なことだと思ってるからなのと、自分の恋心という私事よりも仁の医術が優先すべきことだと思ってるからだというのがはっきり描かれてるからだよね。
田之助だってもちろん恭太郎の覚悟にほだされたんだろうけど、ペニシリンにかけるみんなの覚悟に感じるところがあったと言ってる以上、単に理由を問わないその場のやり取りだけってワケじゃなくて、金を出すことに意味と価値があることだと知ってということではヤマサのご当主と同じだし、だからこそドラマとして見てて、あの小判ぶち撒けがカッコいいんだよなw
そういう登場人物の覚悟が見えるから個人の私情に囚われてないこの一連の流れが美しいと思えるし、命を懸ける覚悟というのは自分の中で何が大事か、何を拠り所にするかがはっきり判った上で生きてるってことかなぁと。
この辺、橘兄妹が武家だからってことだけでなく、最初からこの時代に生きてる人々が日常生きてるうえで今できることが大事だという覚悟を持って生きてるってことの、このドラマの描写とちゃんと繋がってると思うのね。あー、面白すぎて目から汁が出るヨ。
たとえ人の弱みにつけ込んで陥れようとする人間がいても、覚悟を持ってそのために尽力して生きている人たちは必ず誰かが応えてくれるし、それはたとえ身近な人間を助けたいという私事からのことであっても、そう思う気持ちが正しい限りその積み重ねはやがてもっと大きな何かを動かすという事実の正しさであり、正しいということは必ず人を動かすってことかと。
それが「みんなが誰かを支えている」ってことで、人の営みの基本ってそういう意味であの時代に生きてる人たちの考え方みたいなシンプルさだってことだよなぁ。正しいものは美しくて、美しい物は誰にとってもいいものだということだよね。
その陰であまりにも男女の機微に鋭い野風が恭太郎と初音のことにあっという間に気がついたり、仁先生に対する咲の気持ちを確認したり、初音が恭太郎にすまないと思う気持ちがあったりで、報われるとは限らない思いが切なかったりするんだよなあ。
 
でもって、仁先生今さらながらに自分が知ってる幕末史の危うさに気がついたところで、暗殺されるはずの龍馬を助けると約束したことがおそらく写真の変化を呼んだんだろうけど、いったいどう変わったのか?それでもって予告で相当急展開に見えるけど、タイムスリップの謎は明らかになるの?あの脳腫瘍の患者は予告見る限りじゃ仁先生っぽくもあり、じゃああの龍馬の呼びかけは一体というか、何がどうなってるのか?楽しみすぎる!
あ、今回は平川さんじゃなくて川嶋さんだけど、この人って4話の人か。話の展開というよりキャラの気持ちのぶれなさで見せる上手さだよね。