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宿命 1969-2010 - ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京#8(終)

http://syukumei1969-2010.asahi.co.jp/
三奈の40年間の妄執ともいうべき野望が崇によって理想化されて、その崇自身純粋さを失わなかったってことにほっとした。一時はひょっとして崇自身が権力に捉えられてしまうのかと思っただけにさ。結局このドラマとしてはそういう話じゃなかったってことね。
えー、志というより己の思うままに頂点を目指すことを信条とした白井と、国民の意識改革を理想と目指してた三奈の、学生闘争の時からの主義信条の違いが結局三奈の負けということで一段落して、その三奈の40年を背負ったうえで白井と対決を「宿命」と言い切る崇‥‥ってことで、すばらしく面白かった!
そしてきっかけは政略結婚であっても、愛と信頼によって繋がってる崇と尚子の絆にちょっと感動。夫婦というよろむしろ同志。そして部屋の馬の絵は青い馬から白い二頭の馬に。
それにしても恐ろしいのは白井よりも白井の妻・逸子だよ。あんな浮世離れした風なのに、白井の考えはちゃんと把握した上で、政治的駆け引きに負けた三奈に同情するでもなく、「これがあなたが40年のあいだ求めてこられた世界なんです」としれっと言える政治家の妻、恐ろしすぎ。実はラスボスは逸子なんじゃね?(苦笑)
今回もやはり演出は遠藤光貴だったんですが、絵的に何が一番面白かったって、スキャンダルで本当に弱りきってる滝沢総理と弱ったふりをしてる白井とが、対面で同じように座卓に肘をついて肩を落としてるとこをシルエット風に撮ってるところだよ(笑)あの画おかしすぎる(笑)
まあ今回の見所は三奈と逸子のやりとりだと思うけど。あ、最後の有川家のシーンもよかったけどさ。
それにしても透と亜希子は付き合ってたんじゃなかったのか?いいんだ政略結婚で。いいんだろうけど。つか、滝沢元総理の次男って黄川田か?黄川田だねえ。お見合い写真だけとはなんつ−もったいない使い方w というか政界進出としては若くねーか?そんなことないか。女性票取れそうね(笑)
まあちょっと駆け足過ぎてわからんのが滝沢総理スキャンダルの中国人スパイ・ジージィのことで、それは今回の話だと、かつて白井がもみ消し今またそれをリークして滝沢を蹴落としたってこと以上の意味はなくてもいいんだけど、ジージィがスパイだった時期以降に崇と知り合って接触があったことはどういう意味があるのかないのか、偶然なのか誰かの策略なのか裏があるのかどうかってことかなあ。それこそが今回崇の政界進出を阻んだんだから、偶然でしたってのはないと思うんだけどなあ。
宣子の最後っ屁もわからんではないんだけど、それを運に任せたってのはそれも崇の宿命だと思えばまあ崇の人生を面白いものにした‥‥って感じかなあ(笑)だって結局今回のことで金と権力によって腐ってしまった白井という政治家と、理想を掲げて汚濁にはまみれないという決意で頂点を目指そうとする崇という構図がよりはっきりしたわけだし。
政治家というには確かに崇は理想家過ぎて純粋だった(母親の三奈もね)ってことだけど、だからこそそれを武器にいずれ白井と対決すると挑戦状を叩きつけたラストは最終回にふさわしく見ごたえありました。
ドラマってのはこれくらいのクオリティで作って欲しいものですよ。