そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

青少年健全育成条例その後

政治の話はあんましたくはないんですが、このあいだ言ってた話の続きというか、取りあえず成立しなかったんでよかったと思ってたらそうじゃないとのタレコミがあったんで、もう一度書いときます。
タレコミで教えてもら多のはこれ

まとめサイトはこれみたいだけど‥‥

オレとしてはこっち↓の方が今回の問題点がわかりやすいと思う。

あともう一つ、コメントで教えていただいたやつを。
有害コミック騒動って、ありましたねえ。白ポストありましたよ。この記事見ると確かにこういう物自体を規制しようとする何らかの意志を感じないではありませんよ。 *1

もひとつ追記。今日の読売新聞に記事があったんで探してきた。やはり問題はPTA団体か?PTA団体ってなんだよ。

 
基本的にはエロゲーは元よりゲームやらないし好んでエロ漫画を読んだりもしない、そもそも下ネタはともかくエロやロリショタな物はあんまり好きじゃないし必要ともしてないんで、実感としてはこれに何も違和感を感じずなんとなくで賛成しがちな一般人と同じようにあんまり酷いものは規制できるんならした方がいいんじゃないかなぁと思わんでもないんだけど、そういう問題でもないというか。
これについてはオレも一応絵描きの端くれなので児童ポルノ規制の辺りから騒いでるのは知ってました。たぶんある種の業界の人間はこれについて書かれたものは必ず目にしてるはずですね(笑)
ただ「児童ポルノ規制法」に関しては明らかに犯罪、つまりそれによって被害を受ける実在の人間がいるということで、絶対許してはいけないものだというのは当然です。おおいに規制して、そういうものを好む人間(実際に何かをする人間は元より見るだけの人間も)はどんどん取り締まって欲しいですよ。児ポどころか性犯罪者に対しても同様に思うけど。情報公開を義務づけて欲しいくらい。
 
ただ今回の話はそれを拡大適用してフィクション、つまりアニメ・漫画・ゲームなどについても規制しようって話なんですね。だからそれに対する反論の論旨が「表現の自由の侵害」ってことになってるワケです。
ただ「表現の自由」って言っちゃった場合、多くのそういうことに関心のない人たちが思う「自由の侵害」っていうのは正しく認識されてないんじゃないかと思うんですね。こないだの記事でオレが「表現の自由」よりも「規制という弾圧」に過剰に反応してたのもそういうことを含んでと思ってもらえれば。
 
つまり漫画などでエロを描いたりする人の表現の自由というものは当然憲法(だっけ)で保証されてるものだから、彼らが何を描いても咎めるいわれはないんだけど、一部の健全を標榜する大人たちは自分はそういうものを好まない、だから子供に見せるのはケシカランってことで規制したいというのが今回の大まかな問題ってことなんです。だから表現の自由を侵害してもそれを規制するべしと強制するのは、ある意味一部の人間のファシズムだと思うのよ。
で、オレもそういう歪んだエロで俗悪な創作物は見たくない、出来れば無くなって欲しい、無くなっても困らないぜ、と思うんだけど、そういう不愉快に思う気持ちというのは「表現の自由」によって守られた彼らがそういう創作物を作り出して世に出してるからであって、それを見て不愉快だの気持ち悪いだのなくなればいいのにだのと感じる、そこから自分にとって何が不愉快なのか悪いのか、でも自分にだってなくはないそういう性的なものを見たい(覗き見たい・知りたい)という欲求との線引きはどこなのか、真っ当な性的な営みとの違いは何なのか‥‥などということを考える材料になるのは確かで、悪いものが無ければ何が正常で何が異常で変態なのかもわからないってことなんだよね。そういうことを感じて考える機会を、「いつか大人になる子供」から奪うのはよくないってことなんだよ。
今回作家達が主張してる「表現の自由」に関して、それを奪ってはいけないっていう論調で主張してるのはそういうことなんですね。そういうものを子供に見せないようにしよう(というかちゃんと見てないんだけど、今回のことってそれを社会からも締め出そうってことだよね?)という大きなお世話な規制条例ってことね。
 
でもう一つ問題なのは「性的な描写」が「=エロ」というわけではないし、どこまでが許されるのかという話だと思うんだ。
オレはいい加減汚れたオトナなので‥‥というか、別段そこら辺の自分の好みは自体は小学生くらいから変わってないと思うんだけど、別にエロ本であろうがレディコミだろうがBLだろうがあれば手に取らなくはないし、作品によっては面白いと思うこともあるし、低俗下劣な作品を見て不愉快に思うこともあるけど、そこに描かれてるのがなんであるか、作者がどういうつもりで描いているのかによっては相当変態な物でも全然OKなのね。実際エロ描いてる漫画家の友達とか知り合いもいるしさ。エロ作家でなくても話の都合上、性的描写が必要なこともあるだろうし。

でも今回の規制は流れ的に「そういうものを描かせないようにすることが最終目的じゃないか?」とも思わなくもないというかね。子供に見せない(いわゆるゾーニングってこと?)だけじゃなくて。
単に子供に見せたくないというんならそれは世間の大人、というか親の教育の問題だと思うんだけど、PTAとかの言ってることなんか、個々の家庭でやるのは面倒くさいから上の方でやってくれって話じゃないのかってのが、それは違うんじゃないの?と思うんですよ。オレももちろんコンビニでエロ本がおいてあるのは問題だと思うし、あんなもんレジ横にでも置いて身分証必要なタバコと同じ扱いにしろよと思うんだけど(でも目に入れたくない)、エロ本でなくても青年誌の表紙は絵であれ実写であれ肌色っぽかったりするんで(こっちは大人として別にそれは問題ではない)、やっぱりそれは「家庭の教育の問題」じゃないかと思うのだ。
子供に限らず性的なものに関心を持つのは当然だけど、その中でも何がいけないのかを教えるべき、例えばなぜレイプがいけないのかを親がちゃんと説明してやれよと思うんだけど、ひょっとして親がそれを説明出来ないんじゃないのって感じ?まあ未だに抵抗するのは挑発してるってことだとか思ってるバカもいるんだろうけど、そんなわきゃ無いだろよ。
そこまでじゃなくてもそれを説明出来ないんだとしたらその大人は大人として物を考えてるとは思えないんだよ。何が「人として酷いこと」で何が「犯罪になること」なのか、「愛があればってのはどこまで通用させていいのか」は真っ当な大人ならわかってて当り前じゃん。「性に関心を持つこと」がいけないんじゃないよな。当然だけど。
そうやって子供が物を考えて大人になる手助けをするのが(もしくは手助けそするの”は”)「身近な大人のやること」であって、決して国や都がやることじゃないと思うんだよ。「担任の先生」まではアリかもしれないけど「学校」でもないと思うんだよな。だって人はそれぞれ違うんだから、その人に合わせて教えることってのは必要だろ。
オレの言うことはある意味強者の意見かもしれないってことは知ってるよ。当り前だけど世の中には現実にいろんな嫌な思いをして今回規制対象に上がってる創作物に救いを求める人もいる(いた)だろうけど、それは自分がそうじゃないってことでスルーね。(というか自分の場合、そういうことに意識的に”鈍い”んだと思う)判ることと語ることは別で、自分が語れるのは自分のことだけですよ。
 
ざっと見てたら「ベルセルク (1) (ヤングアニマルコミツクス)」とか名前が挙がってるみたいだけど、オレとしては「ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS)」とか挙げときたいですよ。 *2
これを読んでどう思うのかは人それぞれだし、それこそ逆に興奮するって人もいるだろうけど、それが世間的に許される許されない、こういうものはあってもいいんだけどそういうのが好きなのは世間的にヘンタイって言うんだよ、でもって実際やったら犯罪だよ?ってことを理解する機会くらいはあった方がいいんじゃないかと思うのですよ。自分だけじゃないと思えば気が軽くなってあまり思い詰めないで発散できることもあるだろうし。(そんなヘンタイの思うことはオレには図りかねますが)
線引きできないのは、誰がどういう作品で不愉快に思ったり、逆に救われたと思うのか、ポジティブな方のことを言えば死のうと思ってたのをやめたり前向きに生きようと思ったり理不尽なイジメに耐えようと思うかわからない、ネガティブな方でもヘンタイ性が高じておかしくなりそうな人がとりあえずそういうものを捌け口にするとかあるわけだし、他人には想像できない心の動きがあると思うんで、それについて他人が一概に規制しようってのは横暴だと思うわけです。
小説や映画なら良い、そういう表現があっても高尚だ、時と場合によっては必要だと認めても、漫画やアニメやゲームだと低俗だ、無くすべきだというのはどうか?横暴じゃねー?という話で。
一応都としては

永井豪さんの「ハレンチ学園」や、少年愛をテーマにした竹宮恵子さんの「風と木の詩」について、都側は「不健全図書の指定基準に照らして、規制の対象には該当しない」と答弁した。』

らしいんですが、じゃあ永井豪バイオレンスジャックだの手天童子だのはどうなのよとか、手塚治虫もいろいろ引っかかるんじゃねー?とか少女漫画やBL(BLとか昔のJUNE漫画はオレは門外漢なので例をあげることは出来ませんがw)、男性向け女性向け問わず種々のアングラな同人誌はどうなのよとか、そういうの聞いてたら「そういう問題じゃない」って思わんかい?
 
さらにオレが今回ちょっと引っかかってることですが、「非現実青少年」、つまりフィクション創作物に対する規制なんですが、これが「主観で18歳以上に見えない」ということをある種の線引きにしているってことです。
一見ロリ絵や萌え絵の過激な性描写を取り締まるみたいっていうのは一部でも指摘されてる通りなんだけど、じゃあ劇画調ならいいのか(劇画調でも作品中で18歳未満ならダメです当然)って話でもなくて、オレが危惧するのはむしろ少女漫画にありがちな、デカ目で頭身の低い絵柄の作家が規制をモロに被るんじゃないかってことね。ちまキャラ絵の人とかさ。
極端なこと言えば描いてる内容が大人の恋愛(性描写あり)であっても絵柄が子供っぽいってだけで規制の範囲に入るんじゃないのと思うんだよ。主観だからね、漫画というものをよく知ってるオレたちじゃなくて、漫画をあんまり読んだことのないような(しかも認識が偏ってる)偉い人が見て「これは18歳未満だろう」と認識したらダメってことですよ。
オレはちまキャラとかあんまり好みじゃないから実感としてはないんだけど、そういう絵柄は作家の個性だし、そういうカワイイ系の絵が好きって人は男女問わず相当多いと思うし、それを「見た目が子供に見えるから」ってことで規制するのは「表現の自由」以上に「個性の弾圧」という可能性もあるんじゃないのかなと。
世の中の漫画が全部劇画調ってのは多様性としてもあんまりいいと思わないんですけどね。なんで日本が世界の中で漫画大国になってるかというと、そういう多様性があるからでしょ。(話違うけど近年アメコミにMANGA絵が増えてるのは嘆かわしいことだと思うんだけどさ。お国柄の個性は守って欲しい‥‥)
なんとなくエロとか過激な性描写っていうと男性向けの話題のような気もするけど、むしろ少年漫画よりも少女漫画の方が引っかかりやすくなるんじゃないかと思うんだよ。当然、女性の描き手人口が多いアニメ漫画系同人作家も例外ではないよ。
知った名前が多いからってことで某ベ○コミ(その時は別○ミ)とかチェックしてて、一時のあまりにも酷いエロ描写(ある意味内容の倫理性についてはレディコミより酷かったと思う)を知ってたりすると、さすがにこういうのは規制するべき(というか編集部判断で何とかしろよ)と思うんだけど、そこら辺考えても女子の方がそういうものに無自覚だったりするんで、関係ないと思ってたら大間違いってことですよ。アニメ漫画同人も扱ってる作品の登場人物が18歳未満ってのは多いよな。学園モノは元より、少年が主人公のもの多いんだし。そして女子供は子供っぽい絵柄のちまキャラが好きだろ?関係ないってことはないんだよ。当然絵柄ありきじゃなくて、性描写の酷いものについて絵柄がどう見えるかってことだと思うけど。 *3
 
つーことで、オレ自身は政治家にメール送ったりというのはちょっと苦手なんで(というか気分的にそれどころじゃない)のでやりませんが、かなりざっとですが記事にして意見表明するってことでカンベンしといて下さい。あんまり見当外れなこと言ってなければいいんですが。あんまり細かい記事まで目を通してないんで。(だから今そんな気分では‥‥)

*1:アラフォーなオレちゃん、小学校低学年の時から週刊少年漫画の類を読んでたんで、まさにこういう悪書追放運動の時期の低俗少年漫画と、それに対するいわゆるPTAなんかのヒステリックなリアクションは結構実感的でした。もちろんそういう漫画大好きでしたがw だからかな、なんとなく今回の騒動ってゾーニングでなくそっちの方かなあと感じたんですが‥‥こういう話にPTA団体(実体ないよなあ?)とか出てくると文化にとってロクなことないって感じ。

*2:一応読んだ時の感想。詳しくはアマのレビューとか見て下さい。http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20080218/p1

*3:ちなみにこれとはあんま関係ないけど、今その手のコミック販売会では18歳未満にそういう物を売ってはいけないってってことになってます。一時は18禁表示のものを販売する場合、相手に身分証を求めるということになってたし。(なんでそういうことに詳しいのかはスルーしてくれ)