そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

こだわり人物伝「藤子・F・不二雄 ふしぎ大百科」

http://www.nhk.or.jp/etv22/wen/summary.html
全四回のシリーズでたまたま番組表で見つけたけど、ホントに見ないと行けないのはオレじゃなくて相方。気がついてなかったみたいなので相方用に録っといた。
ってことでオレはざっくりながらで見た感じだけどそんなに集中して見るほどの内容でもなかったというか、4回目の岡田斗司夫藤子不二雄F先生のSF解説をする回だけは面白かったんで感想メモっときます。来週28日に再放送あるみたいだし。
つかまあ、1〜3回は藤子A先生、藤子プロの伊藤社長、藤本家のご家族のみなさんが語る藤子F先生ってことで、人となりにそんなに興味なければスルーでもいいような話だし。仕事のやり方とかアイデア発想法とかの話もそれなり面白いけど、オタクングの語るSF作家としての藤子不二雄Fの話は作品論として的を射てて一番面白かったってことで。
「SF」を「サイエンスフィクション」でなく「すこし不思議」というのは大いなる謙遜だと思うくらいに藤子F先生の描くものは「SF」で、それは価値観の変換とか人間の本質をいかに掘り下げるのかという視点で描いてるからっていうのは言うまでもないんだけどさ。でもそういう大人の鑑賞に堪えるような話を子供向けの作品の絵柄で描くっていうことが藤子F先生のすごさだ‥‥ってのは全くそうだよね。というかむしろ藤子F先生のクセのない単純な線の絵柄だからこそ、ストーリーが印象に残るんじゃないかと。
映画と同じで、VFXが優れているってことが物語として優れているってこととイコールじゃない、つまり映画として面白いってワケじゃないってことと同じというか。
昔の多産型ジャンル不定のベテラン漫画家の人たちは、手塚治虫にしても石ノ森章太郎とか、松本零士とかもそうだけど、ギャグもシリアスもエロもグロいのも同じ絵柄で描いちゃうんだけど、それなり少年漫画という枠の中の絵柄の人と違って、明らかに子供向けの絵柄、子供向け雑誌での活躍で地位を確立してる藤子F先生が、ものすごい本質はシリアスなSF漫画を好んで描いてたっていうのがギャップ激しくてすごい。まーそれでいったらドラえもんパーマンもディテールはものすごい本格SFだけど(笑)
パーマンのSF設定の絶妙さもクラークの三法則の「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」に照らし合わせて解説してくれるオタキング。そういうやこれ聞いたことあるし知ってるけどクラークだとは知らなんだ(笑)SF知識に疎くてよーw
当然そういうことは知ってたんだろうけど、そういうものを上手く十数ページで見せてくれるのはものすごい才能だってことだよね。
岡田さんは手塚先生が「マンガの神様」なら藤子F先生は「マンガの名人」だって言ってたけど、職人芸の域だよねー。
ウチにも何冊かSF短編の本あるけど、藤子F先生のSF短編集はときどき読み返したいものです。藤子F先生のSF短編のクオリティってハンパないよな。その当時の海外SFに対して、もうちょっと捻ってみましたっていうスタンス、岡田さんはアンサーソングみたいなものって言ってたけど、そういうのはあるんだけどテーマ性といいストーリー展開といい作品の出来としてレベルが高いし、それを20ページ足らずの「マンガ」としてわかりやすく表現できるというのが、藤子F先生の才能ってことで。
藤子F作品って、繰り返し読んで何年も楽しめるって意味ではコストパフォーマンスいいよな(笑)