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葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

なんかずいぶん前にブログの評判見て、タイトルがよかったんで覚えてたから買ってきて、読む気にならなくて放置してた‥‥のをなんとなく読み始めた‥‥ら、あっという間に読んじゃったけど。
これ、こういうのが本格ミステリーってやつなの?確かに東野圭吾の「名探偵の掟」にあったネタだな(笑)
楽しみたい人は絶対ネタバレを見ない方がいいと思います。名探偵の〜っていうの自体ネタバレに繋がりそうだけどw
内容的には別段どうという話でもなかったかなあ。つまらなくはないし、「俺」の一人称でハードボイルド風な内容も文章が上手いんでさらっと読めるせいか、たいして引っかかりもないんだけどさ。いわゆる叙述トリックってやつ?とにかくちょっとでも読むつもりがある人はネタバレは知らない方がたぶん楽しめると思う。ネタばれしたあとだと何もかもが「(苦笑)」ってことになりかねんw オレはなった(苦笑)さすがに読み返そうとは思わん(^_^;)

 
 
 
ネタバレ以降、主人公・成瀬将虎のキャライメージがワイルドな加地さん@エヴァ、もしくは往壓@妖奇士(なんでアニメだw)、リアルなら福山雅治?からマッチョなミッキー・カーチスになった(笑)←ものすごいネタバレ発言 つか意外とモデルかなぁ、年齢的には大体その辺だよね?
つまりこのタイトル自体、ヒロイン?の麻宮さくらの名前にかけてあるけど、「葉桜の季節」ってのが若い時期を満開の桜の季節にかけて壮年の時期を葉桜って言ってることかと。というか鳴瀬の年考えると葉桜ってのも言い過ぎだと思うけどさ(笑)葉桜の季節ってそれでいったらイメージ的には40〜50代かと‥‥成瀬は70過ぎだろ (^_^;)
そもそも成瀬の後輩で七つ年下のキヨシが高校生ってのが一番の引っ掛けだよね。これはあまりにあからさまなんで、途中でたぶん夜間高校だろうと思ったんだけど、じゃあ成瀬はいくつなんだって話で。ミスリードしたい設定としては28,9かな。せいぜい30半ばイメージ。
まあネタバレてもあんまびっくりしなかったってのは、そうだと思って読んでたわけじゃないけど(だってミステリー自体不慣れなもんで)、「聖心女学院といえば皇后美智子様」とか「銀座のつばめグリルハンブルグステーキ」ってのは成瀬がアラサーだとしても今から10年前の若者の発言じゃないよな。(オレはつい最近友達のリクエストでつばめグリルでハンバーグ食べたけどさw)銀座で覚せい剤のシマ争いとかもね。昭和30年代くらいだよなあ、たぶん。
あとさくらさんの言葉遣いがやっぱり若者じゃないってこと。どう見てもご年配のご婦人。実は古谷節子だってのもなんで彼女の話が入ってるのかてこと考えると想定内だし。
それでうーんま・さ・か‥‥と思ってるところに、蓬莱倶楽部の本部に潜入して老人不要論を語る村越たちにやたら突っかかる、老人養護で怒ってる、それは、むうう‥‥と思ったらという(笑)
細かいところでもちょっと無理があるというか微妙にあれっと思うところはあっても、全体的には上手いのでたいして問題なし、そこそこ面白くは読めたかな。
まあこの事件の内容自体より、成瀬がこうして第二の人生を楽しく過ごしてるってことの楽しさの方が重要かなあ。こういう暮らしができる人間がどれくらいいるかって思うけど。大体白金に家があるってどれだけ山の手の坊ちゃんだよ(笑)そこからして、妙だなあと思ってたヨw
安さんの話が入ってるのがちょっと意味がわかんなかったんだけど、ネタばれしてオレ的に一番楽しめたのは、成瀬がその安さん(安藤士郎)の名前を使ってたって下りかなあ。
読者的には成瀬は成瀬だってわかっててそれは真実なんだけど、さくらさんが成瀬のことを安藤だと思ってたといわれたときに、えっ?と思って、それが成瀬が勝手に偽名として使ってた、そのこと自体がすべて繋がる取っ掛かりになるっていうのは構成として上手いかなあ。そこからの畳み掛けとかも。アパートのことは妹の綾乃がいないからおかしいとは思ってたのと、暮し振りからして安アパートは不自然だろと思ってたから。白金の地元のフィットネスクラブ通ってるとか、ミニどこに置いてんだよとか。
まあそういう意味では内容としては成瀬の昔の話とか安さんの事情とか、必要かといえば微妙、成瀬とさくらさんが付き合う話としてはむしろ全体には長いなあと思うんだけど、最後のどんでん返しが小気味いいテンポなので、オレは読後感は良かった。
でも、そういう運命の女ってんなら止めはしないけど、さくらさん=節子はやめといた方がいいような、イタイ女だと思うよ?成瀬も相当イタイとは思うからお互い様かも知れんが(笑)
一番ステキだったのはとにかくこの本のタイトルってことで。