そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

バッタもんの芸術性

翔一さんのところで見かけた記事です。まああんま芸術に造詣が深いってワケじゃないので雑談的に。(元記事 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100628-00000029-san-soci
ルイ・ヴィトン側の言い分の真意がどうなのかは判りませんが、オレもこれは不可な気がする。実際知らないで美術館じゃないとこで見たら「ああ面白いねえ」ですんじゃうかもしれないけど、これを芸術だと言い張るのは「偽物=バッタもん=ブランドロゴのバッタ」という「オヤジギャグ」を芸術として認めろっていってる事と同じじゃないかと思うんだよね。
作った作品やメッセージはそれなりに評価されて然るべしだと思うんだけど、これを芸術と認めるってのは「オヤジギャグを具現化したものの芸術性を認めろ」といってることにならんかな?
確かに現代美術ってよく判らんというか、それはただの市販のスープ缶に不変の美しさを見いだしたウォーホルじゃないけど、そこら辺にある何の変哲もないトイレの便器や、キャンディを積み上げてアートだと言い張るのと何が違うんだっていう話かもしれんけど、アノニマスなものに美しさをを見いだして芸術だということと、オヤジギャグを具現化したものを芸術だということは全然違うんじゃないかと思うんですよ。(そのわりに下品な村上隆の立体フィギュアをアートだといったりするからよくわからんのだけど)
実際外国行った時は相方の趣味でよく美術館に行くんですが、向こうの美術館って日本みたいに大上段に構えてるわけじゃなく、MOMAにしたって車だの(あれはビックリしたが)日常使いのものだの置いてるし、あそこまで奇を衒ってないもうちょっとアート寄りのとこにしたって、ほんとにそこら辺にあるようなものにちょっとだけ手を加えたり見せ方を変えただけのものを展示してて(なぜか日本の現代美術系美術館で見るとありがたみがないのだがw)、これは芸術だろうか?と悩むこともしばしば、実際はほぼ素通りなのはよくあることなんだけどさ。
でも日本のこういうシャレ‥‥というよりオヤジギャグだけど、的なものを芸術っていうかといったら違うと思うんだよなぁ。まあこのレベルは外国にだって在るかもしれんけどさ。
というかそれ以前に、この作家の人は商業主義というモノが何かわかってないんじゃないかな?なんでクレームつかないと思ったのか。
この記事→「ヴィトン社の要請で「バッタもん」撤去 神戸の美術館」http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003139553.shtml では、「不当に表現の自由を奪われ、残念だ。文化に対する理解と配慮がほしかった」っていってるけど、おいおいおいって感じ。何の「文化」? 表現の自由は商標権侵害に優先するの?まあ実際のところはヴィトンなんて有名すぎるからイメージダウンはともかく売り上げ減にはならんだろうけど、日本てそういとこ甘いよな。ダメに決まってる。
なんでかというとヴィトンの柄がついてるだけで偽物本物関係なく金出しても欲しいという人がいるからじゃん。一時期はやったバッタもんのブランドストラップと同じことよ? *1
この作家の人には勇気あったらぜひ米国ネズミの柄でも作って欲しいですねw そう考えるとなんでダメなのかがよく判るでしょーよ。
 
ちなみに関係ないけど、海外の美術館ってゴッホだのピカソだのがケースやロープ張りなしの、本当に手で触れるような状態で置いてあるとこが多くて、しかもスケッチOKだったりするし(ただし鉛筆のみ)、むしろそういう境界線な現代アートと一緒に飾られてたら、このゴッホ本物のわけないよなあってものすごく気軽な気分になりそうである意味コワイというか(笑)(たぶん触ったら警備員がとんでくると思う)本当にアートが身近なんだなあと思うよ。
だからなんかまだ日本って芸術とそうでないものの境界線が曖昧というか、美術館の人が芸術だといったら芸術なんだって思っちゃう、作る方も美術の勉強をしたから自分の作るものは芸術だと思い込んじゃうってことないかなあ。
芸術が普通の人にとって敷居の低い、気軽なものであるのはいいことだけど、そこはセンスと才能の問題なんだから履き違えちゃいかんのだと思うよ。いろいろ淘汰されて残っている日本の昔の芸術品が(浮絵画とかも含めて)ちゃんと芸術性を持ってるのと比べたら、日本の現代美術がなんか首を傾げたくなるようなものばかり‥‥っていうのは、そういうことなんじゃないかなあ。美大や芸大を出たからといって芸術家じゃないと思うんだが。
実情はよく知らないからなんか適当なこといってたらスマン。でも日本の現代芸術って、全然面白いともスゴイとも思わんもの。

*1:ブランドのリボンや素材で商品として存在しない携帯ストラップを作って売ってた。偽物だと知って使ってる人と知らないで使ってる人がいて、要するにストラップって日本人しか使わないから欧州の高級ブランドはそんなものは出してなかったんだけど、それを知らないで、並行輸入ショップやリサイクルショップなんかで買って使ってる人がたくさんいたって話。もちろんほとんどが主婦の趣味的な手作り品。