スティール・ボール・ラン21・22巻
STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 21 (ジャンプコミックス)
- 作者: 荒木飛呂彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/07/02
- メディア: コミック
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STEEL BALL RUN スティール・ボール・ラン 22 (ジャンプコミックス)
- 作者: 荒木飛呂彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/11/04
- メディア: コミック
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終わりそうで終わらない話もそろそろ終わりかな?
物語の主題がはっきり見えてきたのと、ジョニイの黄金回転が「無限」性を帯びてきたところ。
第5部のゴールドエクスペリエンス・レクイエムと同じ現象が起きて、繰り返しの無限の中に大統領が閉じこめられたよ。抜けてきたけど。
大統領の別の世界を利用する能力よりも、聖なる遺体が発現した重力の能力のほうが不可思議。起こってることは理解できるけど、まったく意味がわからない(笑)
第5部はジョルノのスタンド能力による終わることない部分的な繰り返し現象を、第6部の神父の能力は時間自体を繰り返すことで「宿命」を変えられないものとし、それは「重力」による「運命」だと。今度は時間軸は同じで別の世界があるという多層性を破るものとして、黄金比率により生み出される鉄球の無限回転エネルギーが創りだす「重力」で、それは時間も世界も何にも影響されないってこと?何が言いたいのかははっきりしてるんだけど自分でも何言ってるかよくわかんないんだけど。荒木先生は何か「絶対的なもの」を探しているの?それは「引き付けあう」こと、つまり「重力」なの?「重力とは何か」を見つけたいの?時間とか無限とかに影響されないのが「重力」だっていうのは、それが不思議なのはなんとなくわかる。
たぶんその重力というのは人と人とが引き合う力、スタンド使いは引き寄せ合うっていうのと同じことだろうけど、物の見方としてすごく面白いな。第4部での吉良が外伝でデッドマンズQになってる辺りの話から、幸福と無限性と運命が重力によるものだとか、なんか考察するところがあったのかなあw
そして今のジョニイの苦悩は、大統領は正しいのか否か。
大統領の生い立ちが語られて、彼の大義が正しいことが描かれた。家族を守る事が国を守ることに繋がり、それが「幸福」の追求になる。彼のやろうとすることは志高く美しいく、その大義は正義だというのは紛れもない真実だけど、そのために聖なる遺体の能力、全ての善いことは集まってきて、悪いことは他の誰かに振り分けられるという能力を手に入れようとする、つまり「自分たちの幸福のために誰かを不幸にする」ことは愛国心という大義の前には正しいのか?そもそも大統領の能力自体、「基本世界」の自分以外を便利に使い捨てしつつ‥‥ってとこがもうそれだけど。
ジョニイがいま選ぶのはどちらなのか?「正義」や「幸福」の考え方の問題ってことで。他人の犠牲の上に成り立つ幸福や大義は常に正しいのか?ぶっちゃけ愛国心が正しいからと言ってその犠牲を強いるのは間違ってるよな?しかも大統領はジャイロの生死を取引に使おうとしてるし、目的が正しければ手段は正当化されるのかって話だよな。
それを判断するのがこの話の主人公のジャイロではなくジョニイってとこがなあ。「ジョジョ」だから実は主人公なのか?でも今このポジションはストーンオーシャンのポコのポジションだよなw 主人公でない人間の良識による判断と決断って荒木先生的にどういう意味を持ってるのか?終わり近くなってやっと先が楽しみになってきた!やっと好みの展開になってきたよ。
あと22巻から急に新しい画風になってないか?筆描きとか初めて見た気がするけど、時間がないからじゃない‥‥よなあw 絵柄自体はどんどんルネサンス絵画みたいになっていってるけど。なんか芸術的だなあ。
MOON 7巻
- 作者: 曽田正人
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/12/25
- メディア: コミック
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あれ、しまった。6巻の感想書いてなかったか。6巻は面白かったと思ったんだけど。まあいいや。
引き続いてのミンミンの話なのはいいんだけど、なんか急に昴ちゃんの性格変わってない?相当酷い性格なんですけど。酷いというか、昴ちゃんの性格の悪さってこういうことじゃなかったはずだけどなあ‥‥。物言いもやたら乱暴というか蓮っ葉だし。
昴ちゃんはどっちかというと才能ありすぎて自分以外信じてないから傍若無人で人をランク分けしない、上も下もない高飛車な態度を誰にでも取るから、強烈に嫌われるし好かれるってことだったと思うんだけど。大丈夫か、曽田先生?
殆どはシュー・ミンミンの生い立ちとバレエにかける気迫を描くことで終わってるけど、そろそろキャラもインフレが起こりそうな気がしなくもないなあ。でもまあミンミンに対するパトロン的な楊さんがちょっと性的な方向で援助萌え〜だったのが、曽田漫画的には目新しいといえば目新しいかも。(いやそれでも彼は立派だけど)実生活で何かあったんですか、曽田先生?
ミンミンのお父さんはいかにも中国人的な俗物でちょっと笑ったw そんな親は捨てていいんだよ、ミンミンって感じ。外へ飛び出したかったっていうのはミンミンも昴ちゃんも同じだけど、ミンミンのほうがマトモなだけに我は強そう。昴ちゃんは単なる天才の変人だからなあ。
そしてまあ結局プリシラ・ロバーツってことで、まだ先は長そうです。
いいけどこれとカペタを並行して描いてる曽田先生はスゴイなあ。
それとこの漫画にしては珍しくバレエと体幹の話が出てるけど、たぶん最近体幹ばやりだからだよなw ちょうどそういう内容の番組もやってたみたいだし。それを雑技団の技とバレエに照らし合わせて「何が違うのか」を描ける曽田先生の着眼点はすごいです。
capeta 23巻
- 作者: 曽田正人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/15
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ちょうど近所の本屋で売り切れてて、探してるあいだちょこっと22巻読み返したらやたら熱くて早く次読みてーと思ったんだけど、うっかりするといつの間にか違うレースに移ってるんだよな(笑)
久しぶりにナオミとノブも出てきたけど、相変わらずノブはクセえ、鼻につく〜(笑)
それはともかく、capetaも常にインフレの危機ははらんでるんだけど、今のところまだいくつも壁があるせいか上手く回避はしてるかなあ。
曽田先生って殆どデビューに近い「シャカリキ!」の時から、ファン目線とは違うスポンサーの存在っていうのはちゃんと話の中に入れ込んでて、「レースをする」ということが夢物語でなく実際にお金のかかるスポーツなんだという現実的なことも描いてきてたんだけど、ストーリー展開のほとんど全てにおいてその部分が切っても切り離せない構成になってるのを、それなのにこういうふうに分かりやすく「漫画として」描くことが出来るって、本当に天才かと。
本質的な部分で曽田漫画の主人公って、カペタにしても昴ちゃんにしても「お金を出してくれる人」「チャンスをタダではなく対価としてくれる人」という存在とは切っても切り離せないようなキャラ造形になってるから、自然とというか、物語として読むときにガッツリ考えざるを得ないんだけどさ。そこでその「他人を巻き込む力、周りをその気にさせる力」があるというのが主人公なんだっていう定義付けになるのが、曽田漫画の天才主人公たちなのかなーと改めて思ったというか。
努力が現実的で論理的に正しく計算されてるんだけど、そこで出てくる答えがよくわからない奇跡の熱狂だっていうのが凄いんだよな。毎回よくわからない嵐のような盛り上がりにグッとくるぜ。
いやーとにかく、竹森さん熱いわ(笑)
こういうレースものってどっちが勝っても‥‥っていう展開になりがちなんだけど、なるべくしてなったと思わせる展開、今回だと最後の6周のカペタの詰めの説得力とか、やっぱり普通じゃないです。ギャラリーに流行り的に「”持ってる”わねー」と言わせといて「ツキじゃないです!」というとか、上手すぎるw それでもって表彰台の上で怒りまくってるカペタと金田‥‥って、そこはまあありがちだけどw
レース展開の解説をしながら、それでなおあの熱狂を描ききるとか、まさに帯で藤田和日郎が言ってるように「本のカタチをした嵐」だよな(笑)
あといつの間にか背景とモブが変わってるのかな、一時期の線の細いきれいめの背景だとどうも違和感があったし、モブもちょっと下手だったんだけど、今は曽田タッチの生き生きとしたキャラ絵の人になってるね。そういうとこって、漫画のメインじゃないけど読んでる時の印象として結構重要だと思うのよ。