そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕

http://www.tv-asahi.co.jp/gosei-vs-shin/

脚本:下山健人 監督:竹本昇
 
あれれ、思ったより全然面白かったよー?
ゴセイ本編はもとより、シンケン本編だってたいしてオモシロイと思ってなかったから、それ考えると今回のこのVS戦隊はとても面白かったよw ちゃんとゴセイもシンケンそれっぽいキャラネタ盛り込んでるし。
あとやっぱり去年から映画館にかかるようになって時間が45分から60分になったのも大きいのかなあ。*1 時間に余裕があるからドラマ部分をじっくり描いても最後の戦いが付け足しっぽくならないで、これでもかと言わんばかりの展開が十分に楽しめました。竹本監督が頑張ったんでしょうか、もう十分なほどに(笑)これくらいあればスカッとするなw
といっても、今回のVSは設定からして明らかに今までのVSと違うと思うんだけど、それは冒頭から説明セリフで、今まで様々な戦隊が地球を守ってきた‥‥という設定を明らかにしてるってことだよな。まあなんでなのかはあとで分かったってか、戦隊40周年とたぶんゴーカイジャーの設定のせいだよなー?
でもいつものVSだと、現戦隊の世界観のところに前戦隊が入ってくるという作りになってる、たいていはお助け助っ人な絡み方なんだけど、今回はシンケンジャーの世界設定のところにゴセイジャーがいるって感じなんだよね。まあそれはよくも悪くもってことか。ゴセイジャーの世界観てよくわからないというより、明らかに弱いから仕方ないんだろうけど。ハッキリこれという敵がいないしなあ。ボウケンジャーだって同じように「敵」はいなかったけど、あれはそれ以上に”何をする戦隊なのか”という設定がしっかりしてるからOKなんだよな。
そういう意味でゴセイジャーって、この終わりの時期に言うことじゃないけど、本当に設定も世界観も弱すぎるよ。
まあその辺は、シンケンジャーの戦隊設定が戦隊的にはちょっと特殊だっていうのもあるけど、まあ上手く出来てはいたかな。
それよりそれぞれの世界観のすり合わせと、今回の地球を守る使命を引き継いでるという戦隊自体の設定を明文化しちゃったことで、シンケンジャーゴセイジャー=護星天使たちを認識するところにワンクッションあるというのがちょっとまどろっこしかったかなー。
まあ”そういう設定なのに”シンケンジャーたちが「なんでゴセイジャーを知らないんだ」ってことは、護星天使たちの戦いは世間の人には知られていないという設定があるにしても、それを逆手にとってもうちょっと上手く面白く出来るだろうって思わんでもないけどさ。でもそもそもゴセイの毎回の話がそういうところを丁寧に見せてないから、なんか単純にもったいないって感じはあるかなあ。

まああと明らかに脚本的にミスだと思うところがあるんで、それは本編のゴセイの欠点でもあるんだけど、そこが最初から気になっててお話に入り込めなかったってのはあるとしても、全体としてはテンポ良くてなかなか面白かったんだよね。
というか、血祭りのブレドラン(なんで”ブレド乱”表記じゃないんだw)が強すぎるんですが、彼はどうしてそんなに強いの?時間軸的に元護星天使だってのが分かる前だってことで、最強の護星天使だから‥‥ってことですか?そんなもんじゃないと思うんだが、あの強さは。あれでどうして地球を支配できないのかわからないよw あとオマケ的?にブレドラン全部見せが(笑)
まあそういうのはあったけど、最後の怒涛の巨大ロボ戦がなかなか爽快に楽しかったんで、思ったよりは楽しく見終わりました。

次戦隊の「海賊戦隊ゴーカイジャー」は、チョーカッコイー!通りすがりの子連れのママさんも「カッコよかったねー楽しみだねー!」ていってましたよ(笑)
クライマックスは外道シンケンレッドを元に戻す→血祭りブレドランを倒すという二段構え、最後の締めは巨大ロボ戦だったんで、天使と侍たちが手が回らないってか、あぶれてたシタリたちをちょこっと倒しにやってきたって感じ。
映画だから派手にやったそうですが(ゴーカイレッド談)、過去戦隊のレッドに変身できるという能力をお披露目して、シタリが「そ、そんなのありなのかい?」と驚くのに「ま、海賊版ってやつ」とさっくり答えるゴーカイ女子の誰か(笑)しかもそれを見ていたのは迷子になったちょうちん野郎で「ちょうちんはまた見てしまった‥‥」って、お約束(笑)
全体的にとは言ったけど、前半よりも後半のほうがエンジンかかってる感じで面白かったかな。
 
まあ一応前半の流れの悪さも分析的に指摘しとくけど、以下ネタバレです。何がネタバレかはともかくw
ゴセイジャーが番組的につまらないのは、言ってる言葉=セリフに根拠がないことが理由だと思うんだよ。
今回も、脚本的にはシンケンジャーに対してアラタが「諦めが悪いキャラ」だということは、最初から何度も念押ししてるんだよね。「諦めずに頑張れば、きっと必ず道は開ける」のはアラタのキャラではあるんだけど、それがどう戦いに生かされてるのかってのは本編でも根性論みたいになってて、念仏を唱えれば救われるレベルにしか見えないのが、ゴセイジャーという番組がつまらない原因だと思うんだよ。
今回の話で、クライマックスに至る一番のポイントは、外道シンケンレッドを止めに、大怪我したアラタ以外がまず戦いに行くってことなんだけど、ここでなぜアラタは遅れてくるのか?という前振りというか、アラタが遅れる理由をチラ見せしないのは脚本のミスだと思うのね。
なんでかというと、流れで見てて何がイライラしたかって、冒頭からアラタの諦めないというキャラ性は布石として何度も描写されてる中で、アラタと殿以外の人間が戦いながら「諦めない」とか「アラタさえ来れば‥‥」って言ってるんだけど、アラタが来ればどうなるのか?あきらめないで戦うことでどう有利な展開になるのかが全くわからないんだよ。
待つことと諦めないことで何かが起こるという根拠をまず示して欲しかったのね。何のためにみんなはアラタが来るのを待っているのか、アラタが加わるとどうなるのか‥‥という、勝利への方程式が全く示されないまま、弱点を狙うでもなくただ消耗戦のように外道シンケンレッドに戦いを挑んでるんだよね。
で、そこでまたひとつ気が付いたけど、ゴセイって四大元素の3つしか揃ってないんだよな。どうりでなんか足りないというかピリっとしないって、今頃気が付いたよ(笑)
アラタと殿以外のメンツは「土」「水」「風」の要素で揃ってるけど(だからお互いの属性に合わせた特訓をしたんだけど)、シンケンレッドの「火」の属性には敵わないからピンチになってんじゃん。そこにエリや茉子と同じ「風」のアラタが来てもどうにもならないわけだよね。
ところが実際はひとり残った(寿司もいたけど)アラタのもとに薫姫がやってきて、火の属性の技を伝授されてカードに封じ込めるという「特訓」をしてたんだ‥‥ってあとで明かされても、だったら先に言っといてよって話じゃね?
それがわかっててみんなが外道シンケンレッドを倒すための秘策を持ったアラタの「火」を待っている‥‥というのなら、みんなが「諦めずに」無駄に見える戦いを挑む理由がちゃんとあるわけじゃん。シンケンの最後の封印の文字を殿が体得するまで4人で頑張ってたという死闘と同じ構図だけど、そういうベタさって大事じゃん。
で、これって最後のロボ戦への伏線になってると思うんだけど(というかそうでないほうがおかしいと思うんだけど)、そういう「諦めずに戦うこと」で奇跡が起こるということをちゃんと一度見せといてくれてれば、最後にあのトンデモ合体技が、誰だかが最後に言ったように「諦めなかったことの奇跡」になると思うんだよね。それならゴセイ&シンケンのトンデモ合体で、どう見ても強すぎるブレドランを倒して三途の川を封印、護星界を護る力を見習い天使たちがやっても理解できるんだけどさあ。
と、このVSがちょっとばかり面白かったせいで、うっかりゴセイ本編がどうしてあんなにも面白くないのかよくわかっちゃったってことなんだけど、まあ今更だよなあ。1年のシリーズって、毎週のお話しの積み重ねだもんなー。
まあ幽魔獣の代わりにアヤカシたちが出てても一向に気がつかなかったかもな、それどころか出せばよかったんじゃないの?ってくらいに思っちゃったよ(笑)
 
とにかく、ゴーカイジャーは動いてみたらあの同じデザインで色違いマーク違いだけっていうコスチュームも逆に揃っててカッコよかったし、キャラも妙に立ってる感じなので楽しみですよ。どうせだったら三途の川を海賊船で現れればよかったのになwねーかw
ゴーカイレッドの声がちょっと矢尾一樹系で、意外にワイルドレッドなのかな。ゴセイがフェミ系だったから次はワイルド!w ゴセイレッドの天使な癒し系フェミニン路線は、オレたちゃいいけどさすがに子供受けは良くなかったらしいですから‥‥まあそりゃそーだろな。

*1:朝やってたVS劇場が一昨年までの分なのは時間制限のせいじゃないかと思うんだー