そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ヒロたん@「GLOBAL WORK」 vol.1春夏


http://www.globalwork.jp/mag/index2.html
店舗売りオンリーのPR誌的な雑誌。年2回、3月と9月に発行予定。間違って書店に行かないように!全国のグローバルワークでしか売ってないよ!
ざら紙(専門的に言えばたぶんハイバルキー)でオールカラー255ページ。ちょい薄めの漫画雑誌みたいなもんだと思ってください。
付録のオレンジ唐草の風呂敷は70×70サイズで、オレはオレンジも唐草も好きだから、これは良かった。使うー

 
冒頭からヒロたんと企業経営のカリスマらしい米倉誠一郎氏との対談が30ページほど。
タイトルは「今こそ、ハードワークを。」

高校時代、僕はサッカーをしてました。
当時は攻撃ばかり意識して、
自分のことしか考えない、
身勝手な選手でした。
ただ、仕事をするようになってから、
だんだん、気づき始めたんです。
みんなが苦しいときに、
一番頼りになるのはハードワーカーだと。
サッカーでラスト10分に走るのは、
本当にキツイことです。
でも、まわりがピンチのときこそ、
たとえ誰も見てくれていなくても
走れる人間に僕はなりたい。
それは会社の中でも同じこと。
今の時代にこそ
もう一度ハードワークを。
 
グローバルワーク編集長 水嶋ヒロ

というのが冒頭のあいさつ。
サッカーの話から始まって、サッカーの話を交えつつ、今の社会での会社での個人のあり方‥‥をたぶん語ってるんだと思う。たぶんってのは、云わんとすることはよくわかるんだけど、身がないから全然頭に入ってこないんだよね(苦笑)1回しか読んでないけどたぶん2回読んでも同じ程度にしか理解出来ないと思う。
米倉氏はどちらかというと欧米型の”多様な価値観で賢く働く「スマートワーク」というスタイル”らしいのですが、それに対してヒロたん編集長は”ハードワークでみんなを引っ張りたい”と言ってるのかな。ここで言うハードワークは高度経済成長期のモーレツ社員(米倉氏いわく)でなく上のあいさつで言ってるような苦しい時こそ力を振り絞って走るべきという考え方ね。
それはともかく、ヒロたんの言うことが頭に入ってこないのは、「前提がない」からだと思うんだよね。
前提として今の社会がどうだから”今こそ”ハードワークをするべき‥‥という論旨にならなければいけないはずなのに、サッカーの話でごまかされてるから何に対してハードワークをするべきか?という結論が見えないんだよねー。そりゃ相手が一橋+ハーバードの博士先生でも、議論が深まるわきゃないよな。米倉氏は一生懸命前提を理解しようとしてそこで時間切れみたいな。
たぶん結論としては「これからの会社経営に於いては強い個人が引っ張ってリーダーシップを取るべき」みたいな話じゃないかな?たぶん。
ヒロたんが周りのどの辺を見てそういうコトを言ってるのかはよくわからないけど、つまり今のヌルイ社会の中で彼が目指す経営者像っていうのはそういうハードワーカーらしい。
ただ対談の中で本人が言ってるんだけど、ダラダラと残業をするのは効率が悪い、決められた時間の中で集中してハードワークをすることが重要だって言ってて、その文脈のための時間制限がある競技としてのサッカーなんだろうけど、なんでオレがここまでダラダラと対談内容を説明してるかというと、ヒロたんはだらだらした仕事はしたくないって明言してることなんだよね。
それは企業で働くということではある意味正しいと思うんだけど、実際、成功してる企業の偉い人ほど、自分のプライベートな時間も惜しんで働いてると思うんだよね。普通のそうじゃない人と何が違うかというと、それを「楽しんで」やってるかどうかだと思うんだ。自分のプライベートな時間を犠牲にしてるなんてまったく思わずにね。もちろん俳優だって、そう。
だから、ヒロたんの文脈でいうと俳優の仕事は非常に効率の悪い、彼がやるべきスタイルの仕事じゃないって言ってるも同然だと思うんだけどどうかな?
そしてどうして芸能界に入ったんだ、失敗したときのリスクを考えなかったのか?と聞かれて、そもそも芸能界に入って結果を出すということを目標にしていた。芸能界に入った目標としては「多くの人と出会うことで自分を磨き、人として成長した上で何かビジネスを考えられないかと思っていた」ってことらしいです。つまり最初から自分磨き、人脈探しの手段でしかなかったってことらしいですよ。そういう「近道」として芸能界を選んだと。
やーもう、言うまでもないけど、ガッカリですね。
そりゃその程度で俳優始めて、3年経ってそれなり達成感があって主役という分かりやすい結果を出してたら、これ以上俳優なんていう時間高速キツイ割に結果が出ないこともあり、目標設定が分かりにくい仕事はやらなくてもいいやと思ってもしょうがないよなあ(苦笑)
 
さらに芸能界にバイト感覚・踏み台替わりに入って、お金を稼いで海外に‥‥っていう話は昔からしてたけど、その目標が今回の対談で初めて明かされた‥‥とオレの記憶の限りでは思うんですが、セントマーティンに行きたかったらしいです。
ントマーティン! いや正式にはセントマーチンズ・カレッジ・オブなんたらかんたら。 *1 ジョン・ガリアーノやらアレキサンダー・マックイーンの卒業したところですよ。ファッション界の3大校ですよ。ベルギーの王立芸術アカデミーやニューヨークのパーソンズと並ぶ超トップの学校ね。
いやー行くのは勝手だけど、そこで何かできると思ってたのかなあ?「ファッションが好きだ」というだけで。ファッションが好きとかいう以上に「絶対ファッション業界で成功してやる!」と思ってツワモノどもが世界中からやってくるとこですよ?それこそ頂点はあっても終わりのない業界ですよ?無知ってコワイ。
てかもーごめん、いくらヒロたんが好きでも、これはもう小馬鹿にせざるをえないネタ。プロジェクト・ランウェイ見てるだけでもその辺の学校のレベルが分かるってもんだしさー。(オレの大好きなティム・ガンはパーソンズの校長でした)
というかそれを聞いて米倉氏が、セントマーチンズを知ってるかどうかはともかく、そこに何のコメントもなく完全にスルーしてるのがなんとも‥‥
対談自体は最後なんとなくもやーんとまとめて終わりというか、そもそも米倉氏とヒロたんは話‥‥というより語ることが噛み合ってないから、ヒロたんの漠然としたイメージ(しかもサッカー縛りw)を、それとなくスルーしつつ、「若い人はそういうことを考えてるんだね」でまとめる米倉氏‥‥(笑)
まあ、オレ的には久々にヒロたん節を楽しんだってのと、本当にこの人俳優向いてないんだなーと思えたのが収穫でした。本当にヒロたんは面白い人だよなあ。
まあ傍からだとどう見ても結婚以降、坂を転げ落ちるようにダメな方向に行ってるようにしか思えないんだけど、ヒロたん自身はそんなにバカではないと思うんだが、本人的にそれを間違いだったと否定出来ない以上、もうこういう方向に担がれて流されていくしかないんだろうねえ。
完全にいろんな企業の広告塔扱いですね。
なんつか、宗教関係にいがちっぽい頭のおかしい人って感じにはなってないからいいんだけど(そうなったらさすがにオレもダメかも)、一応本人が引かれたレールを意識してないまま自分発信だと思って活動してるのが痛々しいというか、それに気がつかないのが目も当てられないというか、もしかしたら「広告塔」というポジション自体を認識していないんじゃ?というか、素直なんだなあ〜、と強く思った次第ですよ。たぶん嫁のほうがしたたかだから、何気に嫁が思う方向に行ってるんじゃないかと思うが。細眉とかなw
 
雑誌全体としては、なんだかポイントが絞れてないなんの本だかよくわからない‥‥ってとこかなあ。それぞれの企画は朴訥系オシャレ雑誌の真ん中辺りにあるようなぼんやりしたページ埋め企画みたいなネタなんだけど、それならページ数を3分の一にしてそれぞれの企画を分けたほうが、まだ「雑誌」としてのポイントはできるような気はする。どうでもいいネタを盛り込みすぎてぼやけた感じ。ああそだ、機内誌みたいな感じにすればよかったのにな。
年に2回、この厚さの雑誌を出す意味が分からないよ。厚いのは紙がバルキーだからだけど、80ページくらいにして季刊にしたほうがよかったんじゃね?
そもそもグローバルワークというブランドの洋服を紹介するって意味でもあんまり効果的じゃないと思うなあ。たぶん「リンネル」とか「クウネル」とか、その辺のテイストを目指したいんだと思うけど。
あ、ここのブランド自体は、テイストとしてはオレは好きな感じです。でもお値段なりというか、結局素材が安っぽいからいい年しては着られないかな。てかファミリーユース狙ってるから30代のお父さんお母さん向けなのかなあ、それってかなり中途半端。
レディースは特に買うもんなかったんだけど、メンズというかユニセックスのTシャツで、結構好みの間抜けカワイイプリントTシャツがあったんでそれ買いました。2000円くらい。
でもライフスタイルを提言するほどではないと思うんだが、一体どうしてカリスマ編集者を呼んでまで?今の30代夫婦の子ありファミリーに対して提言したい企画‥‥っぽいんだけど、前提が薄ぼんやりした一般人向けすぎて雑誌の方向性もそれなりって感じか?
そもそもそういう世代に「ハードワーク」ってテーマはないと思うし、ヒロたん編集長の提案じゃないでしょ?というか本当にヒロたんのセンスで、このブランドのライフスタイル提案ってないと思う。
 
ヒロたん言うところのムーブメントどころか、記憶に残る雑誌‥‥ってのも難しいなあ。まあソファにでも置いといて気が向いたときにパラ見するにはいいかもな。最初から最後まで読もうとは思わない‥‥かなあ。

ネットニュースでもあまり評価はかんばしくない感じですなー。そりゃそうだ、ただならともかく300円出すかってーと出さねーよなー。次号はあるのかなあ?

*1:ロンドン芸術大学 セントラル・セントマーチンズ・カレッジ オブ アート アンド デザイン