そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

没後150年記念 破天荒の浮世絵師 歌川国芳・前期

http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/H230607kuniyoshi.html

太田記念美術館>>前期「豪傑なる武者と妖怪」:6月1日〜6月26日
          後期「遊び心あふれる西洋の風」:7月1日〜7月28日
 
とりあえず前期の展示。これたしか去年府中でやってたのと同じじゃないかと思うんだけど、そっちの方には行きそびれちゃったから今回こそと。
まあ国芳なんて知ってる人は知ってるから特に解説はしませんが、展示は肉筆画数点とあとは版画で水滸伝的な武者絵と役者絵などなど。あとスケッチ的な小さいデッサン絵の巻物とか。なんかこれ、5cmくらいの落書きっぽい小さいデッサンがみっちりと5mくらいの長さの巻物で‥‥というなんかもう、あらゆる意味で気が遠くなる上手さ!
展示の殆どはガラスケースに入ってるから若干絵と遠くて、ものが大きくないわりに緻密なだけに、もう少し近くでじっくり見たかったーって感じ。あ、場所柄なのか(原宿ラフォーレ裏)日曜午後なのにあんまり混んでなくてw、絵自体はじっくり見られました。若者たちも国芳をじっくり見るべきだよ!
本当にもう、漫画的な大胆な絵柄と、デザイン的にあまりにもカッコよすぎる構図や色使いが素晴らしすぎて、気が遠くなります。猫や人間でのだまし絵もな。もうこんなのアルチンボルド国芳かってくらいだよねw
これ、原寸でざら紙に印刷した図録が欲しいよなあ(笑)いやその方が版画的な雰囲気あるから。
しかし版画、なんだよなー。書き文字とかものすごく細かいんだけど、本当にこれを版木に彫りつけたってのが信じられないくらい。国芳の上手さもだけど、版木彫る人も上手すぎる。同時代の広重とか北斎ってここまで細かくはないよな?たしか。きっと、師匠の描線を完璧に再現すべしっていう弟子たちの気合もあったのかもしれんな、いやよく知らないけど。
絵柄のダイナミックさと彫りの描線の緻密さがとにかくスゴかった。緻密ってのは、単純に絵として細かいってのと、意匠として凝ってるってこと両方。魚の鱗とか毛の表現とかもろもろ。
あと着物の意匠も素晴らしいんだけど、国芳さんはどうやら染物屋の息子らしく、昔からその手の意匠のデザインには才能を発揮していたらしい。本当に柄がいいの!
実質デビュー作ってのもあったけど、デビューからあんな上手いとホントに浮世絵界的には超大型新人デビューって感じかな?(笑)本当にどうしてあの時代の人たちはあんなスバラシイ浮世絵の数々を包み紙にして外国に送っちゃったのか。見る目なさすぎというよりは全体にその当時のレベルが高すぎて上手さが安売り状態だったのか?謎。
あとまあ面白かったのは、モブの特に庶民たちの表情がみんなひょうきんで、漫画家が適当にざっくり描いた感じの背景モブだったり脇キャラっぽいって風だったりってのが面白かった。武士達はそれなりキリっとしてるんだけど同じ画面にいても庶民はみんな丸ちょんに近い適当さだったり、どっからどう見ても漫画みたいな変な顔の人たちがいたり(笑)シンプソンズのアニメかと思ったよw
あと雷や自然現象、声、鉄砲の弾道を可視化してる表現が斬新すぎる(笑)本当に漫画的w
ネタとして面白かったのは、義経や弁慶、宮本武蔵の活躍図が多かったんだけど、武蔵がやたら色んなものを退治してるんだよな。鯨とかなんかいろいろなものを退治してた。彼は剣の修行してたんでは‥‥?w まあネタ的にもいろいろ面白かったな。武者絵、カッコよすぎる…!
猫好きらしく猫の絵もあるし、自ら猫好きなことを絵でアピールしてたり、展示関係ないとこに金魚の擬人化絵があったりかなり見ごたえはあり。面白かった!後期も楽しみ〜!後期は最近話題のスカイツリー?絵もあるらしい。
どう考えても永井豪とかあの辺りの漫画家の人たちは影響受けてるよなーって感じもありw 迫力ありすぎw
どうでもいいことですが、ざっくり言うと国芳が亡くなったのはちょうど仁先生が江戸にタイムスリップする前年でした(確か) そう考えると時代背景がわかりやすいかなと思ったw
 
あと関係ないけど地下フロアに「かまわぬ」が入ってたから手ぬぐい買ってきました。ウチはてぬぐらーだからw 手ぬぐいいいよな。