そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

刻刻(1)〜(4)

刻刻(1) (モーニング KC)

刻刻(1) (モーニング KC)

刻刻(2) (モーニング KC) 刻刻(3) (モーニング KC) 刻刻(4) (モーニング KC)

 
オイラが買ったんじゃなく相方がなんとなく評判買いしたんだけど、うーん、ネタ的にはまあ面白いんだけど、漫画的にはあんまり面白くないなあ。
念のため、以下いいことまったく書いてないからこの作品が好きな人は読まなくていいです。
 
大体絵が下手すぎる。講談社のモーニング系って何となくこういうの多いけど、オレはキライ。
別にマンガって絵が上手くなくてもいいんだけど、これはヘタ。絵がキライだから読んでないけど「進撃の巨人」なんかも(絵が下手だから読む気にならないんだけど)同じ系統のような気がする。
なんというかさ、マンガ絵って見たものをそのまま描けばいいってもんじゃないんだと思うんだよ。そういう作者の絵心がないって意味でのヘタさは好きじゃないんだよ。この作者って絵自体は描けてるんだけど、見たままのものを描くというのはなんか違うというか、好きじゃないのよ、漫画としては。それが個性になってるわけでもないし。(だからこの手の漫画って似た印象の絵柄が多いんだよね。しかもトーンを色味にしか使わないし)
あとこれはオレの好みの問題だけど、基本的にフィクションの物語において「頭の悪い人間が考えなしに引き起こした状況そのものが、物語をややこしく悪化させている」という話がキライなんだよ。頭の悪さの連鎖反応というか、この話の登場人物ってみんながみんな、なにも考えてないんだもん。その頭の悪い対応そのものが次の展開につながるというのは、ストーリー以前の問題かと。というかそういう話がキライっていう好みの問題だけどさ。(もう一回言っとく)
まあ一番むかつくのは貴文だけど、樹里もなんというか、ああいうテンパるタイプってダメなんだよな。(というかまさにじいさん的には樹里がそうだから止界について教えなかったとか言ってるんだけどw)これに出てくるキャラの行動がまったく理解出来ないというか、共感できないんだよ(^_^;)
話にしても、要するに「止界」とか「止者」という概念を思いついて、それを生かすためのお話って感じで、果たして作者はこの設定についてどこまで考えてるんだろうと。ちゃんとしてるようで意外と穴だらけな気がするんだけど、そこまでストーリー自体が止界の謎についても突っ込んでないからわかんないというか、案外これひとネタものじゃないかと思うんだけどさ。
オレの貧弱な読書体験から引っ張り出して申し訳ないですが、例えば北村薫の「ターン」で、なぜ同じ日が繰り返すのか、なぜ主人公以外の時間が止まってるのかということを上手く理由づけできたのがこの漫画って感じというか。*1
でもって、あとは視点の問題だけど、主人公は樹里なのかな?そのわりにじいさんが出張ってて、妙にお父さんの貴文とか兄ちゃんの翼とかの関わりとキャラが中途半端なんだよなー。家族ものって感じでもないし、間島と樹里との因縁でもない、というかそこは解消したよね?4巻で。というか間島は何で止界のことを知ることができたんだ?
しかも実愛会の教祖の佐河にしてもどこまでホントのこと言ってるのかさっぱりだし、そもそも石について未だ何の説明もないし。いや由来とかでなく手に入れた経緯とかさ。だって実愛会の石は、何も知らないまま叔母からもらったという間島の石じゃないのか?だったらどう考えても本石を持ってる祐河家のほうが本家だと思うんんだけど、なんで未だにそこには突っ込まないのか?これ全何巻の予定?だってそもそもあの時間から移動することはストーリー上は出来ないよね?そういや教祖は佐河で主人公家族は祐河なんだよな、未だ突っ込まれてないけど。
ってことでなんか、お話に寄って立つ基準点がないんだよなあ。なんとなくストーリーがあるような、この先にすごい展開があるよなと思わせといて、実はよく見るとその時々の状況描写しかしてないというか‥‥だから俯瞰で話を見てるキャラがいないんだよなあ。普通はそれって教祖の佐河かじいさんかだと思うんだけど、その二人がそもそも止界について知ってるようで何も知らないからなあ。
あといちいち突っ込み的に重力がどうとか摩擦係数がどうとか言ってるのも言い訳的なんだよね、本筋で言わないんだら。というかその能力を使ってる人間の誰も、そのことについて「知らない」んだからしょうがないけど。
いろいろ謎があるのはともかく、それに対しての読書モチベーションが上がらないというか、相当微妙な感じ。
ちょっとググッてみたら「進撃の巨人」とか「寄生獣」とかと比較してるひともいるみたいだけど、進撃の巨人はともかく寄生獣なんて最初からいろんな意味で上手かったし衝撃的だったんだから、ハッキリ言って比べものにならないよ。この漫画を褒める人は、まず寄生獣を読んでから出なおしてきてもいいんじゃないかなあ?
一応担当は相方なんでもう少し様子見るっていってるけど、次巻が面白くなかったらリタイヤかなあ。てか一体誰がこれを絶賛してるの?この程度でもマンガ大賞2011ノミネートされちゃうんだ?世のマンガのレベルはどうなってんのよ。日常(非日常)が舞台で謎を秘めた伝奇物やSFなものに相当甘いの?まー映像作品のネタとしては使い勝手よさそうだけどさ。

*1:ターンは結局そこはアンタッチャブルだったと思う。主観的な話だから問題じゃなかったというか