そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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仮面ライダーフォーゼ#24「英・雄・願・望」

東映 http://www.toei.co.jp/tv/fourze/ テレ朝 http://www.tv-asahi.co.jp/fourze/
脚本:長谷川圭一 監督:山口恭平
『呪われたか‥‥俺?』
 
まさかのファイト・クラブ展開!江口くんとキッグナスがファイト・クラブ
でもファイト・クラブにしては江口くんとキッグナスが番組的に同一画面に映ってしまうというお粗末さというか、子供向け分かりやすさ優先なのかわかんないけど、まあキッグナスの正体の謎解きミステリーじゃないからいいのか‥‥なあ?(^_^;)
いや絶対もっとやりようがあるはずだけどさ。江口視点ではキッグナスが見えてるけど、流星と野座間ちゃんには見えてないとか(あの二人の訝しむ表情のカットだけでそこに何かあるって視聴者にわかると思うけど)、本当なら撮影するまでもなくおかしいのは一目瞭然なはずだよな。撮影しないとわからないのかと思ったよ?キグナス=幻影的な意味で。
分離するのはまあ校長が言うとおり、たまたま人格分離するケースだった‥‥ってことでいいんだけど、でもそれでも、江口くんが良いことをしようとしてできないから正義のヒーローを生み出した、それがキッグナスだった‥‥ってのは違うよな。キッグナスはヒーローじゃなく、単に暴力的に気に入らない人間を叩きのめしているというだけの存在じゃないか。ダークヒーローといえば聞こえはいいけど、実際いじめっこや迷惑な不良を痛めつけてたんじゃなくて、アンチキッグナスな人間に暴力を振るってたんだし。江口くんはキッグナスになれたからといって、そのキッグナスが良いことをしてるわけじゃないじゃん。そもそも江口くんは良いことができないんだし(だからその理由をだなあ‥‥)
だから江口くんがそのことに気がついて、そんな恐ろしいことをやってるキッグナスと本来の自分の間で悩むってのがわからんのだよ。考えるまでもなく「NO!」だよ。
本当の問題は、江口くんが他人に親切をしたいと自分であれだけ言ってるにもかかわらずまったくそういう素振りも見せないという、その精神の病みっぷりに問題があるという話じゃないかって気もするんだよな。キッグナスのような似非ヒーローを産み出してしまうのはいじめられっ子の報復心の現れでそれ自体はおかしい話じゃないんだけど、弦太郎たちはそこは突っ込むべきでしょ。江口くん自身がそういう心を認めるって意味で。弦太郎たちのやったことはそのキッグナスの正体を江口くんに知らせただけだけなんだよな。
でもまあ結果として江口くんは人に親切にできるようになったけど、だったらあのキッグナスの扮装は必要ないはずなんだよな。(最後のはフォーゼでしたよ!白いから気がつかなんだ>でもね→)素のままの江口くんが他人に親切に出来てこそ解決っていう話じゃん。
何もかもが中途半端に消化不良。せめて最後のキグナス コスプレだけでもその意味に気が付いてよ、監督さん。
全体にフォーゼって番組的には明るく楽しくと言いながら、物語で描かれることの根本がなんか病んでるんだよなあ‥‥。
 
そしてこの番組で一番不愉快なのは、自分たちの偶像を失いたくないために江口くんを犠牲にしてキッグナスを生み出し、使い捨てと言われるカルトの会、違った、醜いアヒルの子の会の会長以下善良なる善き行いを求める会員たちだよ。それを番組的に放置したままってのが一番気分悪いわ。
そもそも江口くんのヒーロー願望の充足部分を描いてはいても、その根本の人に親切にしたいという部分でなぜそれができないのか?というところには突っ込んでないし、そこがなし崩し的な既成事実でもいいけど、それで人に親切にできるようになったんならそれはなぜかってことの方が大事じゃないのかなあ?ライダー部と仲間になれたじゃなくて。大体ライダー部はそういうポジションじゃないし。
自分がやったことに気がついてキッグナスを捨てた江口くんをそういう目に合わせたアヒルの子の会に対して何も言わないライダー部とかさ、断罪はライダー部の仕事じゃないけど弦太朗は江口くんのために怒っていいと思うし、それを江口くんが止めるならわかるんだよ。
そこで弦太朗にヒーローとしてのポリシーとか、物事の本質とか何が正しいのかっていうところに突っ込むような賢さがないってのは、この番組の致命的欠陥って気はしてきたよ。江口くんに必要なのはダチじゃないよな。ダチはその結果だよな。「主人公たちが友達だと認める正しい人間になりました」って意味での。
そして視聴者的にはそういうカルト集団は解散して終わりましたじゃなく相応の報いは必要だと思うんだよな。それこそそっちにメテオが関わってたらメテオにやってほしいくらいだよ。まあメテオさんは『何者だろうと関係ない。ここまでやられた以上、奴は俺が倒す』な勢いでキッグナスを倒したかっただけみたいだけど。それもライダーとしてはどうよって話(苦笑)
相変わらず弦太朗は話の中で動いてはいるけど本筋には関係ないし、本当に友達作りだけが彼の存在意義になってるってのはいいのかなあ?ライダー部とつるんでるとその中で埋没しちゃて、もっと言えば今回のエピではライダー部がひと塊すぎてモブ扱い。
むしろ、というかそれと比べてまあどっちかというと流星と野座間ちゃんの別働隊のほうが目立ってるし。

 流星『さっきから何やってんの?』
 友子『残留思念にコンタクトしてるんです。ここにキッグナスは現れました。感じ取れれば正体がわかるかも』
 流星『そんな特別な力が君に?』
 友子『いえ、ただのフィーリングですけど』
 流星(やはりこっちに乗ったのは間違いだったか‥‥)

いいなあ、このシーン(笑)
結局野座間ちゃんのこのフィーリングというか発想で江口くんとキッグナスの真実がわかったんだから、一番役に立ったよな。
あとまあどうでもいいけどそもそも「モノローグ」ってやつは技法的にはそのシーンでの主人公になってるキャラクターの視点なんだから(語り手の場合は語り手が物語の主人公、語り手目線で語ってる対象が番組の主役ってことね)、ポジション的に全体的にモノローグを多用する流星が視聴者的に共感しやすく主人公っぽく見えるのは当然じゃないかと思うんだよな。
「W」の翔太朗の時もそうだったけど、メイン脚本家にかかわらずだからこれはプロデューサーの塚田さんのカラーなのかなあ‥‥本当に番組主人公の影が薄すぎるよ。Wは照井が出てきたらその背負ったもので完全に主人公ライダーになっちゃったし、今回もその予感。傍観者である探偵と違って流星はまだ「友達のため」というキーワードがあるから、弦太朗と絡んではいるけどそれも微妙だしなあ。
まあそれにしても、流星が主人公ライダー的な正義かといったらそうでないというか、今回はもう冒頭から私怨だって言ってるしー。

 メテオ『キッグナス‥‥借りを返させてもらうぞ』
 キッグナス『邪魔をするな!私は正義のヒーローだ!悪を全て滅ぼすのだ』
 メテオ『悪はお前だ‥‥お前の運命は俺が決める』

キッグナスの言い回しがキモいからかろうじてヒーローには見えないけど、セリフだけ起こしたらどっちが正義のヒーローだよって話じゃね?(^_^;)
流星もいまいちキャラがわかんねーなあー。演出と脚本家のせいか?
そうそう、賢吾のチンピラには突っ込まざるを得ない(笑)なんか、あまりにもあまりというか、龍輝くんが妙に小上手いので余計に微妙なことになってるというか‥‥何気にチンピラその2をやってる流星くんのノリノリさ加減も気にとめてたいところ(笑)
 
予告。
プロムがあるんだー(笑)まあ大文字先輩と美羽さんの卒業は予想通りだけど、どうなるのかなーって意味では気になる。あそこ学園都市って言ってるし、なんか同じ敷地に大学もありますって感じで、卒業してもこれからもOBとしてライダー部の活躍に顔は出すわよ?とかいいそうなオチの予感(笑)