そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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平清盛#21「保元の乱」

http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/
脚本:藤本有紀 演出:中島由貴
 
期待してた分、ちょっくら肩透かしというか、あんまり面白くなかったよ‥‥?と思ったけど、見返したらそれなり面白かった、かな。
や、でもご飯食べながら(酒も飲んでる)見てるくらいで面白さが微妙になるのもどうかって気がするというか、注意して見てないと分からないような面白さだなあ。
まあ今回は兎にも角にも戦慣れした鎮西八郎為朝さんと義朝さんが同じように「夜討ちを」って言ってるのに、それをやるかやらないかで明暗分けちゃったって感じの戦だったことよ。
ドラマの見せ方として、上皇側の参謀・頼長と帝側の参謀・信西が同じように孫氏の兵法を引用しても解釈の違いでまったく正反対の戦略を立てる‥‥ってのはよく分かるし、そこを交互に見せて際立たせるというのは大変良くわかるんだけど、もうちょっと面白そうに見せて欲しかったというか、混ぜすぎて思ったよりインパクト弱かった気が。
今回は脚本も戦のわりにまったりだけど(まああんな団子試合な乱戦じゃしょうがないか)演出のテンポが悪くて全然面白そうに思えないよ。今回の演出の人って、毎回そういうとこのハッタリや”驚き”が足りないんだよねえ。ちょっと残念。
勝敗を分けたのは夜討ちだけど、上皇側の頼長も帝側の忠通も「夜討ちは卑しいもののやること」というからには、それはその時までの「常識」なんだろうけど、むしろこれからの世の中は新しい、武士の世だという後白河天皇の意を汲むと、信西が義朝の夜討ちを聞き入れたのは当然かと。孫氏の兵法の解釈云々はきっと後付けだよなあw 解釈は人それぞれ。
というか、ああいうのって単に自分がやりたいことの理由付けでしかないから、本来なら兵士の数が少ない上皇側のほうが奇襲をするのが「理にあってる」ことのはずなんだけど、それ以前に頼長さんは奇襲などというはしたないことをしたくなかったから、あえて逆の解釈したってことかなと。つまりい今までの常識の世を臨むのか、それを覆そうとするのかの違いが勝敗を分けたってことね。
 
それにしてもまた義朝age展開か(苦笑)
義朝さん、何もかも超モノノフすぎてカッケー!(≧▽≦)としか言いようがない。
清盛さんときたら昇殿にしても献策にしても最後のトドメの火矢にしても、何もかも死ぬ気の覚悟の義朝さんに後手後手。どう見ても義朝は「下野の守は気の毒」って感じじゃなかったんだけど?むしろ義朝より位が高かった分、清盛が蔑ろにされてる感じじゃね?
そして今回やはり一番の清盛くんsageポイントは、一度は寝返りかけた頼盛を追い返したことじゃないか?
あれ、どういう意図で追い返したのかイマイチよくわかんなかったよ。だって平氏軍だって視聴者だって、あれじゃ名誉挽回の術がないことくらいわかるし、そもそも寝返れなかった頼盛があの状況でホントのところどう思ってたのかもわからんし。本人的には武功をあげて信頼してもらおうとしてたんでしょ?だから清盛のやったことを肯定していいのか否定したほうがいいのか、ちょい悩む。しかも兎丸が「身内に敵が〜」云々いうから、余計にヤヤコシイよ。そんなとこで身内に恨み買ってどうすんだとは思うけど。
義朝は言ったことすべてが行動の説明になってるけど、清盛ってそうなってないことが多いというか、毎回行動の説明が足りなさすぎんだよなあ。脚本家の愛情がないのは相変わらずなのか。
 
それはともかく、出陣にあたり改めて事の発端とかこっちに大義があるってことを説明する後白河天皇
自分で自分をうつけと言うとか、いろんな意味で崇徳帝よりこの戦自体のことを理解してるし、わかりやすく説明できてるし、そりゃどう見たって後白河天皇のほうが正義だろよ(^_^;)士気も上がるよなー。
だいたいあのレベルだと兵力差とかどうこうよりも夜討ちの奇襲に勝るものはないだろよ。つかさ、結果として火矢を放つなら最初からそうしとけばもっと早く決着着いたんじゃないかなあー?
そして一日でといってるからには今回だけで片がつくと思われた保元の乱
じゃあ見せ場はなんなんだといわれると、源氏と平氏それぞれの同族対決と、こないだからチラ見せしてる源為朝さん(橋本さとしカッケー!)の活躍か‥‥と思ったら、一番の見せ場は義朝の乳兄弟・正清さんを庇った通清さんだった!(笑)そこかよー(^_^;)
いやそれが悪いわけじゃないけど、群像劇というにもあまりにもバランス悪いだろ。金田さん退場に花を持たせたの?キャラの好みの問題?
どっちにしてもあまりの通清さんの忠義っぷりに泣ける!
彼は頼朝が袂を分かったことを為義さんよりずっと気に病んでたんだよなあ。それ故、為義さんの身を案じるあまり「体だけじゃなく心も守るのが自分の使命」って言い切って戦線に出ていったんだよなと思うと、めっちゃ泣かせるー (´Д⊂ヽ
ただここのセリフ、言い回しが難しくてとっさに聞いただけじゃ意味がつかめなかったよ。頼む、もうちょっと分かる言葉に翻訳してくれ‥‥>脚本家 「御身だけでなく御心もまた然り」って、耳が聞き慣れてないよ(苦笑)
しかも結局為朝に射抜かれようとしてた息子を庇って死ぬとか、カッコよすぎるだろ、親の愛 (ノ△・。)
なのに、なのにだよ。為義さんときたら、そんな通清がやられたと知って逆上とかって‥‥
自分を守れという頼長を見限って「戦を知らぬものは、耳をふさいで時のすぎるのを待っておれ!」っていうのはカッコよかった。思わずメモしたくらいカッコイイよ。
でも通清さんが死んだはともかく、息子のを庇って死んだってのは知らんだろ。敵にやられたんじゃないよ?そして今際の際の言葉の、為義が育てた若者たちが立派に戦ってるから源氏の世はきっと来る‥‥ってのは、たぶん義朝軍のことも言ってるんじゃないのかなあ?通清さんのキャラからするとそんな感じもあったんだけど、なのに為義さんは怒りに任せて義朝に斬りかかるとか‥‥ああ。ダメじゃん。
つか、義朝も為義も今となってはあまりにもお互いを憎しみすぎてて、覚悟どころか本気だし、人間関係的にはマジで源氏のほうがわかりやすいし面白いよなあ。
それと比べるとどうもイマイチヌルいのが平氏で、忠正おじと対決する清盛がモタモタ戦ってて、兎丸たちが飽きちゃってるって、どゆこと?(^_^;)
というか、忠正おじと清盛の対決、なんで微妙に共感できないんだろう?源氏と比べるとなんか足りないんだよなあ‥‥?本気度?何が信用出来ないのかよくわかんなかったし。なんか見落としてる?モノノケなのかモノノフなのか、結局忠正おじは何が不満だったんだ。清盛に平氏の血が流れてないことか?白河院のご落胤だからか?こないだ離反したのは平氏のことを考えてかも‥‥とか言ったけど、そんな風には見えんかったが。結局なんだったの?
まあ”心に血を流しながら臨む戦”と言いながらもたった一日で決まっちゃったのは夜討ちのお陰というか、そりゃあの規模なら攻めこまれた方はたまったもんじゃないだろう‥‥としか(^_^;)
日本の未来を決する戦がこんな感じで決まってしまうのはビックリだけどね。
夜討ちに大ショックな頼長さんのあの狼狽えようといったら、もうこないだまでとはまったくの別人で、オウム抱えてウロウロとか‥‥なんだかなあ(笑)結局戦も知らないイイトコ暮らしの貴族たちは外のことなんかまったくわかってなかったってことなのかね。
しかも結局崇徳上皇にも「そなたを信じた朕が愚かであった」とか言われちゃあね。「信じた」のは夜討ちをしないと言ったことか、そもそも帝の位を求めた戦にそそのかされて担ぎ出されたことか。
どっちにしても負けたことを他人のせいにしてる以上、上皇が勝つなんてこともなかったろうと思うけどね。
最後は、因縁渦巻く白河院邸が焼け落ち、まさに今までの貴族の世もこれで一区切りか‥‥と思わせつつ、信西があまりに悪い顔をしすぎてるのが気になるよなあ。あいつ絶対悪人だぜ?
 
そいや、ずっと言ってた地図とか出して説明してくれよーという願いがアバンでやっと叶ったよ(笑)
でもオレも先週、思い余って位置関係の地図作ったので参考にしてくれたまえw
ついでなので洛内の範囲(たぶんあってると思うけど)と、高松殿・白河北殿の位置。大体直線距離にして2キロほど。近すぎ!w
藤原忠実さんが悲しんでた宇治もと思ったけど宇治は以外と遠かった。一度行ったことあるけど、宇治もいいよね〜(*´∀`*)
以下地図。大きめにしてあるんで畳むー