そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜(終)

http://www.ktv.jp/37doctor/index.html
脚本:古谷和尚 演出:三宅喜重白木啓一郎
 
感想は途中でリタイヤしちゃったけど、ドラマはちゃんと毎週かかさず見てました。これ、Twitterの一言感想くらいならともかく、ちゃんとした感想書くの難しすぎる(^_^;)
本当に普通に面白いんだけど、紺野先生の立場が多少特殊だからいろいろ考えさせられるし、それ以前になんかこうステレオタイプじゃないキャラと予想通りじゃない展開ってっていうとこがちょっと変わってて面白かったんだよね。この枠っぽいまったりさといえばそうな気もするけど。
佐伯教授にしても森下先生にしても紺野先生にしても他の研修医にしても、それどころか新見先生や中島医局長にしても、人柄として良い人とか悪い人という分け方じゃなく、患者にとってどうなのか、治療に対してどういう考えを持っているかでの態度の問題なんだよなあ。
しかも理想が高くて目的が正しくても手段が正しいかどうかってことや、そこで割食うのが患者だとすれば‥‥みたいな話も多くて、一概に正しいとも間違ってるとも言えないんだよなあ。
そういうところできちんと登場人物それぞれが、キャラが立ってるというより「普通の人として見えてた」ってのがドラマチックに大げさな話じゃないけど、なんか心に残るっていう感じかなあ。
紺野先生がちゃんと話の中心にいるから最後の佐伯教授の膵がんにしても、前の患者のケースとかが伏線と感じないような、ある意味ドラマっぽくない筋立てで、悪くいえばメリハリは無いんだけど、むしろいい意味でじわじわーっとくるんだよ。派手じゃないからいいというか。患者さんのエピがまたみんな強烈だったし。
ただまあすずの話って紺野先生のなんだったのかと思うと、何だったんだろうと‥‥(^_^;)
すごく「普通」ということの担保だあったとは思うけど、動機でもなかったし、うーん、本当に普通であるための保証だったのかなあ。途中障害者の阿部力とか絡んできたのも、若干ながらで見てたからイマイチよくわかんなかったし。や、よくわかんなかったのは自分が悪いんだけど、病気の人が自分らしく生きるという意味での「普通」と、紺野先生がその年で医者になりたいと思ったこと、どういう医者になりたいのかということと、ちょっと重ならなくてよくわかんなかったって感じかなあ。なんとなくは分かるんだけど、やっぱりそういうとこはいかにもなドラマっぽくないけど、でもそこがいいのかもしれないとは思う。
最終回のすずの子供の頃の話から紺野先生と出会うまで、出会ってからっていうのがなんか泣けたし。医者は患者さんが病院にいるときだけしか見てないけど、病院に入院してる時は「異常な状態」なわけで(常に入院してる宮田さんは別だけどw)、みんなそれまでの人生の積み重ねとか普通の日常もあるわけで、紺野先生が他の医者と違うとこってのはそういうことを想像できる事なのかなって。それを病院という普通じゃない場所に持ち込むから、ややこしくめんどくさくなる‥‥という話だったような。まあつまり患者は患者らしくしろって医者が言うことに対して、患者だって普通の人間でしょっていうことだと思うけど。
初心を忘れてた佐伯教授も、自分のことの方が大事だと言ってた新見先生も、患者のための理想を考えすぎて無理を通そうとしてた森下先生も、人柄自体は変わらないんだろうけど(佐伯教授が恩師の伊達さんのことについて最後まで謝罪や後悔を口にしなかったことといい)、患者に接する態度は変わったというのが、紺野先生のお陰だという、ありきたりだけど積み重ねがあってみんなそれぞれああなったという最後は、やっぱりちょっとほろりと来るよ。人は変わろうとすることが大事なんだというね。
最後の後味もファンタジーってほどじゃないけど全部が上手く丸く収まって不思議な感触だったし、全体にはやっぱり面白くていいドラマだったー(*´∀`*)