そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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平清盛#36「巨人の影」

http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/
脚本:藤本有紀 演出:中島由貴
 
あ、今ニノマエがいたよ!蔵馬の山にニノマエが!それどんな時間を止めるSPEC?(笑)初っ端から笑かしてくれるなあwww
それはともかくとして、えーと、わかりにくいのを演出のせいにしたくはないんだけど、わかりにくかった。
オレ、何のドラマにしても(1話完結でも続き物でも)今日は何の話なのかってのがわかるほうが好みではあるんですが、細かいネタを積み重ねていって、描こうとしてる話がサブタイトルの助けなしにはわかりにくい‥‥っていうのは、やっぱり大河ドラマとしてはマズいんじゃないかなあと思うわけですよ。まあこれがこの脚本家さんの作風だってのは、もうわかってるからいいんですが。
 
というかさー、今回メインの騒動の大元の話が「成親の知行国尾張の役人が、比叡山延暦寺と関係を持つ寺社と衝突する事件が起きる」(>公式あらすじより)だったんだけど、これ、劇中で基房たちが成親を責めて時忠に罪をおっかぶせるという一連の流れで、神人(じんにん)がどうの、知行国がどうのっていうけど、音で聞いたら何が何やらですよ。
「じんにん」に至ってはあらすじでも触れてなくて、ダイジェストムービー(http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/story/digest.html)のテロップでやっと「神人」のことだってわかる始末。てか「神人」って何よ?いや漢字見ればなんとなくわかるけどさー、そこはやっぱり劇中で説明してくれるべきじゃね?たとえその事件そのものはどうでもよくて、それをどう取り扱ったのかで後白河と清盛が権力の綱引きをしただけ、そのせいで重盛が貧乏クジ引いて、成親の恨みを買った‥‥っていう話だったのはともかくさー。
というとこもあって、これ普通に見てたら話はわかるし状況もわかるけど、相変わらずというか、ドラマとしてはつまんないと思うんだけどなあ。
だって、「何」が巨人の影だったのかって話じゃん。もう少し清盛のカリスマ性ゆえにとか、清盛のこういうところがっていうのが具体的にわかるほうがいいなあと思ったり。
いつも通り、ただなんとなーく清盛が出てきたらいろんなことが、暗にその権力と度量とカリスマ性ゆえに収まったーっていうだけの話だよね。
まあもう少し突っ込みたいのは、今ここでまさにピークを迎えつつある清盛の権勢ですが、松ケンの演技力と坊主の迫力wでなんとなく納得しちゃってるんだけど、実際清盛の若いころがどう凄かったのかっていうのはあんまり描写されてないから(ぶっちゃけ今のドラマの状態が既成事実だと思うの)、ずっと見てきたわりにはあんまり説得力が感じられないんだよねえ。細かな伏線の話とかいいから、とにかく「凄かった」という印象のエピを残しといてくれたほうが良かったと思う。
 
まあ最初からオレはこのシリーズ構成と作劇にはわりと否定的だったけど、そういうとこが、ってことなのよ。「なんか凄い」という事実の積み上げの結果の記憶というか印象があれば納得するってことなのよ。今前半のことで思い出されるのは頼長さんと義朝さんがなんか活躍してたってことくらい。逆にそういう意味では、先週の伊豆の人たちの義朝さん回想シーンはドンピシャに共感できたんだけど(笑)
まあそういう意味ではなんかわかんないけど清盛がすごすぎて、地味にその被害を被ってるのは重盛でした‥‥ってことで、今度は重盛がご贔屓かーという、わかりやすさはありましたが。
重盛絡みは丁寧だったから、そこら辺はちょっと面白かった。ホントにああ胃が痛そうだなあ〜と思いつつ見てたよ。重盛さん、いつぶっ倒れてもおかしかないなあ〜と思いながら見てたよ。うう、お気の毒。途中でぶっ倒れなくて良かった。まあこういうキャラだから窪田正孝だっていうのはものすごくよく分かる(笑)とりあえずキャスティングはグッジョブw
まあ実際、今の清盛の描写としてはあれで問題ないんだけどね。
兎丸がちょっとムリかも‥‥という港湾工事事業を「とにかくやれ」でやらせる、しかも金は使い放題だから少なくともやりたいことはいくらでも出来るって意味でモチベーション上がりまくりという大仕事を(しかも成功が約束されてるし)まかしちゃったとか。
手に負えない山法師たちを手懐けるために出家したかと思えば、真似して出家してライバルをけしかけてきた後白河の策略を軽くあしらって人あしらいの実力を見せつけてみたり。おまけに時忠と成親への罪のかぶせ合いでも結局清盛が勝っちゃったし、それって後白河の裁断に何の意味もないってことにしちゃったわけだしな。策略家すぎる。
つまんないって言ったけど、清盛と後白河の今回のやり取りは大変面白かった。内容はどうでもというか、とにかくやられたらやり返すというシンプルイズザベストな展開、そして勝つ。さすが清盛(笑)
 
でもそれって、重盛はもとより清盛以外の誰も出来ないことだから、上手くやれっていってもムリな話だよなあ〜ってことで、清盛がそうであればあるほど、平家一門の存在意義は薄くなるし、現・棟梁の重盛の立場はますますなくなってしまう‥‥という困った自体にまだ気が付かないってのが、清盛の驕ったところだといえばそうなのかもねーって話であった。自分は福原で隠居して好きなコトやり放題って意味でも。そして平家の弱点は棟梁の重盛だぜ?ってわかっちゃったしなー。
まあどうせ成親は最初から平家一門に対していい感情があったわけじゃないし裏切るなら裏切ればって感じだけど、滋子のあの増長ぶりを見てるととても時子と姉妹だとは思えんよなあ。いや、時忠と滋子は心なく腹黒いからってことだけど。滋子、なんであんなにやり手なんだ?(そして麻呂眉が一層コワイ)
あとやっぱり、「長男」より「後妻の息子」のほうが偉いっていうのがよくわかりませんよ。
どうでもいいけど、後から説明ナレーションを余分に入れたのか最初からそういう演出のつもりだったのかはわかりませんが、基房(細川茂樹)のセリフに頼朝のナレーションをまるっとかぶせるのはやめたげてください(^_^;)びっくりしたよw