そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

桐島、部活やめるってよ

http://wwws.warnerbros.co.jp/rurouni-kenshin/index.html
監督:吉田大八 脚本:吉田大八/喜安浩平 原作:朝井リョウ

 
原作未読。たぶん読まないと思うけど。
やたら各方面から絶賛されてたけど、ゴメン、オレはこの手の物はわかるけどあんまりグッと来るタイプの作品ではなかったんで、ああこういう映画かーという構成&小説からの映像化に関してのなるほどーという驚きって意味で面白かったってくらい。
いやでも話自体はちゃんと面白かったけどね。(普通のレイトショーなのに拍手してた人がいたよw)
でもそこに自分の青春を重ねてグッとくるかどうかでいったら、まあこういうことありがちだよねーって感じの感想くらいなんだけどさ。あ、でも梨紗(山本美月)や沙奈(松岡茉優)みたいな派手女子タイプは好きじゃないな、嫌いでもないけど、あーはいはいって感じの、まあオレとは人種違うしなあって程度にああいう娘達いるよなあーっていうね。だからといって吹奏楽部の沢島さん(大後寿々花)みたいな実はプライド高い優等生タイプも好きじゃないけど。(いや、好きな人に密かにアピールしたくてなんかおかしなことになってる状態ってのはむしろ思い当たりすぎて痛いヨw)

ということで、お話自体はなんで「桐島」が部活をやめただの、学校に来てないってことくらいであんなにもみんなが大騒ぎしてるんだろうっていう、リア充どもめ爆発しろ!って思っちゃう方の人間からしたら、何バカみたいなくだらねーことで騒いでんだろうーなーっていう話かなあ。たぶん学生時代のポジションによっていろいろ思うことが違うんだろうなあ。オレはどっちかというと前田くん派w
終わったあと隣の席の男子二人組の片方が原作読んでるみたいで、もう一人に原作との違いを「原作は特に主人公はいなく群像劇・6章に分かれててそれぞれ違う人がメイン・小説だとモノローグが多いから細かい心理描写がわかるんだけど、映画はそれぞれの目線からになってるから見た人によって解釈が違うんだと思う」‥‥という大変に素晴らしい分かりやすさで説明してくれてた。ありがとう隣の席の若者!もうちょっと聞きたかったけど、それだけでもものすごく理解したw
まあリア充の奴らはリア充な奴らで悩んでることもあるんだよ‥‥ってことなんだろうけど、それを一大事のように大騒ぎするのがくだらねーって話で、ぶっちゃけ映画部の奴らみたいにそんなこと関係ないっていうのが許されない空気をあいつらは作るんだよな。そういうのが傍から見てたらうざいんだけど、それが学校という閉鎖空間の約束事みたいな空気感を作っちゃってるのが、そういのに興味ない・関係ない人間からしたらモヤモヤするというか。
最後まで肝心の「桐島」はチラッとしか出てこないし、大騒ぎしてる雰囲気の割に実際騒いでるのって普段つるんでる派手めの奴らだけだから、すれ違った前田なんかは完全スルーってのが面白かったし、沙奈にいらつく実果(清水くるみ)とか、実果の代わりに沙奈をぶっ叩くかすみ(橋本愛)とかも面白かった。むしろ沙奈が一番ムカツクよな。彼氏の宏樹に相手されてないとかザマアって感じもあるし。あと実は付き合ってたあの二人ってのもありがちすぎて、ああそうねーって感じ。リア充爆発しろ!w(前田くんのためにそう言っとく)
まあだからリア充的な悩みとはいえ、この映画はそういう空気とか雰囲気に違和感を覚えはじめた宏樹(東出昌大)が、実は映画部の前田くん(神木隆之介)よりも主人公じゃないかって気はする。映画の主役は当然神木くん@前田だけど。前田くんはどっちかというと最後にその空気や雰囲気を壊す役割かな。
でもその前田くんの、映画部とかいってあんなに熱心に映画を撮ってはいるけど別に映画監督になろうとも、なれるとも思ってないという普通っぽさ、熱意も本気さもあるけどたぶん学生時代の思い出作りレベルなんじゃないかっていう映画作りで「僕らは戦うしかない。僕らは、この世界で生きていくしかないのだ」と最後に言わせてるのが、その前に宏樹たちが桐島を待つわけじゃないのに暇つぶしの成り行きでバスケをやってることに疑問を抱くことの答えなのかなとか思ったり。
前田くんたちが「この世界で生きていくしかない」という気持ちでやりたいことに情熱を傾けて学生時代を過ごしているのと、なんでもできちゃうから何をやっても楽しくないし情熱がわかない、だからそんな前田くんにカッコイイと言われただけで自己評価が下がってしまう宏樹ってのは、それに気づいただけでもある意味救いになったのかなと思ったり。なんか上手く言えないけど。(だからオレはこういうものに対して語る言葉の引き出しがないのだ)
ここの二人の夕焼けシーンがまたやたら美しかったんだよな。この映画の中で一番美しかったよ。
逆光の前田くんはやたら光の中でキラキラしてて宏樹から見ると眩しいはずだし、逆光だからといって順光で宏樹を撮る振りをする前田くんだけど、順光って写真技法的にはきれいに撮れるけどつまらないライティングなんだよね。逆光のほうがドラマチックに見えるものだし、そこら辺もこの二人のことを表してるのかなと。
そういうふうに空気や雰囲気を映像で上手く表現してて、この特殊な構成、同じシーンを違う視点から何度も繰り返すということで遠まわしに登場人物の心理を描写したり、リア充軍団VS映画部ゾンビ集団のぶつかり合いで実際前田くんがカメラを通して見てるつもりの映像がゾンビに食われるリア充軍団、そしていいなと思ってた女の子だったりするってのが映画としても面白かったし、あのシーンは前田くんのイメージ映像込でちょっとしたスクールカーストの反乱っぽくいいなあと。前田くんの「こいつら全部食い殺せ!」はつまり「リア充爆発しろ!」ってことですねw
今回の騒動の元なのに描かれない桐島が結局どうしてそうなったのかはわからないけど、宏樹と同じように何もかもが嫌になったんじゃないかなと思うとそれもありだろうし。実際はあの竜汰(落合モトキ)みたいなタイプが要領良く上手いこといっちゃうんだよねw
宏樹に関して言えば野球部の先輩もじわじわ来たんだよな。あの先輩はいいよなあ(笑)ああいう熱血バカを内心羨ましいと思いつつああいうバカになれないのが宏樹の閉塞した悩みで、そこがあったからこそ前田くんに逆インタされた時にキちゃったんだよな(^_^;)
たぶん宏樹は何やってもそこそここなせるだけに、前田くんくらい自分の将来に対して見切ってるわけでもないってのが余計に足かせだったりするんだよねえ。
でもまあ前田くんがもし将来監督になるとしたら、たぶん武文くんがプロデューサーになって二人で組んでなんかやる‥‥ってところかなあ(笑)あの二人はずっと一緒に映画を撮ってればいいのに!(笑)
神木くんは大変にキモくて、キモいところが可愛かったです。本当はあの中で一番美少年のはずなのに!(笑)武文になつくとことか心の中でギャーってオモタ(笑)
なんか感想書いてたらオレ意外と楽しんでたっぽいなw なんかやたら評価が高いってのを目にしてたから期待が大きかったのか?
 
そういやこの映画のロケ地って殆ど高知だってのをなんかで見たんで、知ってるとこ出ないかなと気をつけて見てたんだけど、一瞬ちらっと五台山の2本の電波塔が見えたんであの辺かーと思ったら案の定あの辺でしたよ。ロケ地はEDテロップにあった高知中央高等学校かしら。