そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

009 RE:CYBORG(3D)

http://www.ph9.jp/
監督・脚本:神山健治

 
009は普通に新の方のアニメと原作はサンデー版がメインかな。たぶん全部は網羅してないと思う‥‥ってくらいの好き度合い。なのであんまり石ノ森の009はこうでなければって拘りもないっす。
これは近未来とかでなくはっきりと9.11から12年って言ってる、まさに今の時代、今の世界での00サイボーグの話ではあるけど、これ009じゃなくてもいいような、いつもの神山アニメですね。いい意味でも悪い意味でも。
たぶん功殻でも同じこと出来るような気がするんだよね、アレだと主題的に「正義」の話にはならないってのと、「今」の話じゃないってことくらいで。
そう思って見ると言いたいことはすごくシンプルでわかりやすいけど、話の内容、つまり脚本的にはわかりにくいと思うなあ。どのみち宗教オチだからそれ以上言いようがないけど、映画自体はまあ面白かった。以下ネタバレで。
 
わかりにくい最たるところは、話の重要な部分である「天使の化石」が、神山健治的に何を表しているのかの説明がないってことかなあと思う。
以下オレの読み取り不足なら申し訳ない。アニメスタイルは買ってあるから後で読んでみるけどさ。(パンフとKINEZO ANIMEも買ってるけど)
何の情報も入れてない状態で映画見て思った感想ね。
映画は、途中までは設定云々じゃなくこの話が何を言いたい話なのかわかりかねて、そのせいでとても退屈で眠かったってのは確か。(一応比喩的表現w)ジョーが記憶を失ってて、誰が、何が正しいのかがよくわからなかったってのもあるけど。
記憶を取り戻したジョーの言った「自分の正義で」ってのも、実は本当に正しいのかよくわかんないよね。少なくともジェットの正義=アメリカの正義は正しくない(
ジョー曰く「本当に正しいのかな?」>正しくなかった)って話ではあったけど。
えーとたぶん、この物語って9.11を踏まえた上での個々の正義の話みたいなとこから宗教オチに持っていってるんだよね。ヘタしたら天使の化石教だと思うけどw
「彼の声」ってのは直接的にはキリスト教の‥‥と名言はしてないけど西洋的な「人が創りだした神」であって、(念のため仏陀の話も入れてるけど)それゆえ「世界をより良くしなければ成らない」という漠然をした使命感を行動として表現した場合の自爆テロになる可能性が直接的な世界の危機であるという話で、彼の声=神の意思とは個人が創りだした脳内の声であるという結論に持って行きつつ、実は本当に神がいた=奇跡が起きた→ジョーとジェットが助かった=自己犠牲的行為によって、という話だよね?それでいいんだよね?
まあ奇跡については、009の場合「超銀河伝説」もあるから、そういうことがあっても不思議じゃないけど、じゃあ最後のあれは何なのかっていうのが現実か妄想かで随分違ってくるような。あの場所って「はじめに声ありき」の詩でいうところの「新しき天地」ってこと?
つまりこの話自体は実際に神はいて、その声をある種の脳が過敏な人間がどう解釈したのかという事件だったから、自爆テロで世界を変えようという事じゃなく、もっといい方法で世界を変えられればいい、そのために00サイボーグがいるという事でいいのかなあ。そして神にそれを訴えたジョーが救世主ってことなんだろか?
あのラストの世界は本物の世界なのか、それとも新しく(ジョーたちのために)作られた世界なのかその辺は曖昧だし、もしかしてこれ続くの?金髪の子供とジョーの彼女のともえさんは何者なの?なんで水の上歩けるの?フランソワーズのセーフハウスにどうして天使の化石があったの?月の裏側の天使の化石は何?とまあ、謎は謎を呼ぶばかりw
あんまり宗教にも明るくないし、今回参照したらしい原作の「天使篇」「神々との闘い編」もたぶんちゃんと読んでないので、そこら辺の解釈はしないけど、そっち方向なんだよね?
押井守がやろうとしたけど結局神山健治がやることになった‥‥とはいえ、なんか天使の化石というと「天使のたまご」を思い出すわけで、宗教ネタと相まって、いろいろ物議は醸しそうな感じではあるなあ(^_^;)
 
画面は3Dアニメーションを3Dで見たんで、かなり良かった。
実写より余計なものがない分見やすいし、元々3Dアニメは立体と相性いいのでそれ用の演出と相まってかなり良かった。劇場まで行って3Dで見ないってのはないと思う。(3Dは体験だよ!)
六本木ヒルズジェロニモとジョーの戦いは水滴使ったジョー視点のスロー表現だったから、仮面ライダーカブトファンとしてはああまあそうだよね〜って描写だったけど、ドバイのジョーの加速装置の表現はそっちとは逆に現実時間からみたジョーの動きで、加速装置に説得力はあるかなあ。面白かったしスゴかった。本部での戦いもそうだけど、ジョーの加速装置が最強じゃないかと思うw
それとジェットの飛行形態の設定はなんかスゴかった。むしろコイツが一番サイボーグっぽいよ。フランソワーズは思わずセレブロX-MEN‥‥と思ったけどさw
他のメンツはまああんなもんかと思うけど、ピュンマはいつの間にイージス艦に?と思ったし、イワンのテレポート能力は、「あと一回」が眠るからってのはうっかり忘れてたんで、ちょこっと注釈欲しかった気がする。007も途中どうしたんだ?
あとは音響は川井憲次サウンドと相まって奥行き感が素晴らしかった!
絵柄はまあ予告編で見慣れちゃったってのはあるから、多少違和感はあるけどOK。どのみち立体を意識した絵だからあれ以外にやりようないような気はする。時々人形ぽい歩きが気になるくらいかなあ。特にフランソワーズとか。肉体の立体感、というか重み表現はかなりあるから、いろんな意味で新しい感じはするんでいいや。もうちょいこなれたほうがいいような気はするんだけど、「アップルシード」とかと違って実写寄りじゃなくアニメ寄りだからこんなもんかな?
そういや唐突な気がするフランソワーズとジョーの関係は、ジョーが高校生設定だから変な気がするのかなあ?30年間高校生って、なんかさすがに嫌かもw しかし飛行機に乗った途端、服脱いで迫ってくるフランソワーズはさすがフランス女だと思った(笑)
余裕があればもう一回くらい見たい気はするよ。一回見ただけじゃワケわからん。