そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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悪夢ちゃん#11「ドリー夢」(終)

http://www.ntv.co.jp/akumu/intro/index.html
脚本:大森寿美男 演出:佐久間紀佳
 
児童売買とかいうデカい話になってどうなることかと思ったけど、ちゃんと彩未先生の話に収束してキレイに終わった!ヽ(゚∀゚)ノ
予知夢だけならともかく、明晰夢とか無意識とか難しいネタやってたわりにちゃんとネタとして話に絡めて使い切って、しかも予想の範囲内ではあるけど意外な展開とか、さすが大森寿美男としかいいようがないんでね?普通こんな話通らないよね?(苦笑)
最初からなんとなーく古藤教授が彩未のこと知っててあそこに転校してきたんだろうと思ってたし、その流れの彩未の過去絡みで記憶から消えてた親友が古藤教授の娘だったというビックリ展開があったりしたけど、養護施設が児童売買組織の手先だった‥‥という話はともかくとして、彩未と古藤教授一家の繋がりは予想以上だった。
これって予知夢とかそういうことじゃなくほとんど運命論みたいな話じゃないかって気はするんだけど、もう彩未先生と古藤さんはこうなるようになってたってことだよね。こうなるって、たぶん擬似的にというか血は繋がってないけど親子?あー、児童売買とか運命論ってとこでちょっとだけピングドラムを思い出すような雰囲気かも、オレ的には。
 
児童売買の方は、組織のことを知ってシスターマリカが先代施設長を殺したものの、それをネタに脅され余計に人身売買を続けざるを得なくなってたと。そして彩未の予知夢が当たってたことから天使だといい、結果的には彩未に救われたと。人を殺したことと子供を売買した罪は消えないけど、シスターマリカの魂は救われたってことだよね、彩未の悪夢で。
彩未が予知夢を見ることができたのがそもそもの発端というか、ある運命の流れの中の出来事としては重要だったんだけど、教授の奥さんと娘の菜実子さんが死んだことは彩未のせいじゃないよね。むしろ彩未の予知夢を見る能力が、必然によって必要とされるべきところに来たって感じかなあ。
そういえば古藤教授だかが、そもそも古藤さんが彩未先生のところに転校してきたのは偶然じゃなく必然だって言ってなかったっけ?
あとあの甘澤校長も、そもそも彩未の予知を信じた菜実子の行動で必然として繋がれたわけだし。彩未のこと知ってるっぽいなあとは思ったけど、どうりで教師を辞めさせなかったわけだよね。しかもあれだと菜実子さんは甘澤先生が校長になることもわかってたのかなあ?まあ校長でない先輩教師としてでも問題無いだろうけど。
とにかくすべての事柄は偶然ではなく必然で繋がってた‥‥ってのはもうやっぱり運命論だと思うのよ。

子供のころの菜実子ちゃんは彩未の予知夢のせいでお母さんが殺されたと思って、それがきっかけで彩未は記憶をなくしたけど、たぶん菜実子ちゃんは教授からそれが夢だったってことは聞いてるんだよね?とすれば彩未のことに対して罪悪感はあるだろうから、だから自分が死ぬとわかった時に彩未のために結衣子ちゃんを産もうと決心した‥‥ってことで補完。そしてたぶん父親は志岐。
そう考えると彩未は記憶をなくしてから予知夢を見ることはなくなってたけど、ちゃんと夢の中の無意識で菜実子さんや志岐と繋がってて守られてて、それがゆめのけや夢王子として出てきてたってことなんだろか。そもそもすでに見てる予知夢の未来に自分の未来の姿があるわけだし、古藤さんのことも夢に見てたわけだし。覚えてなかったから気が付かなかっただけで。
彩未が見た予知夢が誰かにとっての悪夢でも、その夢の内容を本当にすることで少なくとも彩未にとっての救いにするということはできたわけで、その予知夢が本当ならそれを信じないんではなく、知った上で変えようとする意思、誰かにとっての悪夢をいい夢にすることもできるんだから、悪夢を恐れることはない‥‥という話かな。
彩未がそうだったから古藤さんもそうやって恐れずに現実を受け止めて生きること、悪夢のような現実でもいい夢を見ようとすることが大事だっていうことできれいにまとまってた。児童売買の話は唐突ではあったけど、ドラマの構成としては夢の悪夢から現実の悪夢へ、そして夢の無意識に行ってしまった古藤さんを良い方に導いて、もう一度現実を見ることを教えていくという、彩未の教師としての目覚めと正しい導きとして必要だったってことね。上手いなあ。
確かに夢であれ現実であれ、ショックな出来事っていうのは現実逃避するに足る理由ではあるけど、そこで逃げないで未来を変えていくという話として、彩未の変化は説得力があって面白かった。

古藤さんは悪夢は外からやって来るって言ってたけど、それは人の無意識が外にあるってことと、現実世界にあるってことなんだろうと思うけど、その古藤さんの悪夢のお陰で自分の境遇を変えることが出来た人たちも、知ったことでショックを受けた人たちも今はそれをきちんと受け止めて生きていってたし、そうやって現実世界の悪夢を乗り越えていくってことが大人になるってことなのかしら。
教訓っぽい話はたくさんあったけど、夢のシュールさもあって説教臭くはならなかったのも良かった。
そして志岐はもっとしたたかなやつかと思ってたけど、そうじゃないとこが意外で良かったなあ。まあどう見ても最後の「古藤さんのお父さん」はあのスタイルといい着てるハイネックといい、志岐だよなw
あれは古藤さんが娘だって知ってたから守ってたのかな。でもそのわりに最初の方はかなり野心家で食えない人間に見せてたようなw 
菜実子さんからどの程度話を聞いてたのかはわからないけど、そのこと自体を利用するわけでもなく(でも古藤さんの予知夢は利用しようとしてたけど)、彩未と出会って好きになることも織り込み済みだったのかなあ。
まあ実際死んでなかったわけだし、古藤さんの本当の父親っぽいし、あのまま彩未と古藤さんとで家族になるのかな。そしたらその時彩未は本当に家族を持つことができるわけで、それは彩未に家族をあげるといってゆめのけの絵を描いてあげた菜実子さんの意思でもあるってことか。きっと古藤さんは彩未しぇんしぇ〜がお母さんになるってことになったら嬉しいんだろなw皆家族が持ててよかったヨカッタw
いろいろ伏線というか、円環の理のごとくいろんなことが繋がってるなあ。とにかくちゃんとみんな救いになっててよかった。泣ける (´Д⊂ヽ
古藤さんとの出会いが彩未にとっての救いというだけでなく古藤さんも救ったということでは、菜実子さんのやったことも正しかった、そこまでは知らなかっただろうけど自分の娘が傷ついて悩むことからも救ったわけで、いろいろな人の思いが絡みあっていくのが現実世界だし、切り開かれた運命ってことか。

そして琴葉先生と山里はもう付き合えばいいよ(笑)彩未先生はあっさりクールに流したけどw いいけど和田正人、こないだまでダメオタク@アキバレッドだったと思えないわーw
そういやあの上原兄弟の見つけたお金、横取りしたのかと思ったら「届けようね」というメモを入れてきたとか、志岐いいやつだなあwまあそれならいずれあの兄弟のものになるんだし、良かったよかったw
それにしてもこれの北川景子はよかった。謎解きディナーもかなり好きな北川景子だったけど、やっぱりなんか謎めいてるって方向でなく、こういう腹黒な、ひとくせあるようなクールビューティだといいね。優香もすごくハマってたし。琴葉先生、おかしなキャラだったけどその分複雑ででも真面目でちゃんとしてていいキャラだった!
教授もだけど、みんな何か裏がありそうな雰囲気を出しつつ基本良い人ってとこがよかったなあ。