そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

純と愛(終)

http://www1.nhk.or.jp/juntoai/
脚本:遊川和彦
 
終わっちゃったー。
ドラマとして、物語としてはあそこで終わるのがいいと思うけど、番組としてはみんな純がその立ち上がったその先が見たかったんだろうなあと思うような終わり方。でもあれはあれでいいんだよな。ただ朝ドラにしてはしんみり終わりすぎって気がするけど。
お母ちゃんのボケが治ることはないし、愛くんが純のキスで目覚めるなんていうご都合展開があるわけもなく、純がこれからの決意を海に向かって語って叫ぶというとこで、震災後の物語というメッセージとしては完結してたよ。人生は生きてる限り続くのだ。現実にはお伽噺のようなご都合展開なんてそうそうあるわけじゃなし。
ドラマが時間的にめまぐるしいのはともかく、どんな酷い状況にあってもそれに立ち向かって失ったものと得たものを考えて身の振り方と気持ちを定めることでしか人は前に進めないし、それ以降は視聴者の判断に委ねるのは、まさに震災3年目のこれからを生きる現実と同じってことだと思う。
つまり純にとっての愛くんは震災にあった人たちが失ったものと背負ったものの象徴で、あの「おじいのまほうのホテル」は得たものの象徴なんだろうと思う。
個人的には最後の2週間はホテルが汚れてるのが気になってしょうがなかったんだけど(^_^;)、あれ、純が前向きな気持になるまで時が止まってたってことだよね。
その秋代さんの別荘にしろキンさんのジュークボックスにしろ善意で提供されたものだったんだけど、純がそういうことに気がついてないような描き方だったのはちょっと引っかかるかな。人々の善意でいろんなことが何とかやっていけてることに対しての純の感謝の気持ちは欲しかったかも。そういうところに大先時代から一貫して配慮が無さ気なのが、彼女ヒロインとして好きになれなかったってのはあるんだけどさ。

ドラマの展開として?なとこも多々あったけど、そもそも遊川和彦の作風だと最初からそこはファンタジーだと思ってるから気にならないし、最後のこのグダグダ感もいつものとおりだなあと(^_^;)
多分に最初から震災後の物語としてのテーマ性を持って作ってるせいか、朝ドラにあるまじき展開だけどある部分での世間のニーズを拾い上げ、(朝から)辛いものを見たくないというノイズに惑わされず、やりたいことを貫いたってことは評価に値するかなあ。それがどれくらい伝わってるかはともかくとして。少なくとも共感を得られるような展開ではなかったよね。
でもまあそういう意味では、ファンタジー+現実という視点を持ってる遊川和彦ならではの物語だったと思う。
純が海に向かって語るところはまあ朝ドラだからしょうがないというか、ドラマとしてはああいう分かりやすさは好きじゃないけど手っ取り早く普通の人たち(朝ながら視聴で見てる人たちにも)届きやすいんでまあいいかなと思う。手法としては好きじゃないけど、「これからも待田純として生きていく」って言い切った、待田純としての夏菜の気持ちには大変共感したよ。ちょっとホロリ。夏菜は本当にお疲れ様でしたと心から言いたい。
震災後の心の持ちようをテーマとしたドラマとしては、朝ドラ視聴者層なんか特にそういう気持ちが強いと思うけど、もう辛いものを見たくないという気持ちは気持ちとしても、そこにある現実として直視して受け入れないといけない問題を次々と描いてたということは革新的だと思う。震災に関しては被災してない人間がそれを言うのはあれだけど、介護やボケ問題などは震災にかぎらず誰にでも起こりうることだしなあ。それでも人は前を向いて生きて行かないといけないし、さんざん純に酷いことを言った晴海さんがボケちゃって無邪気になってたことは家族にとっては気の毒ではあるけど、そういう振る舞いで癒されることもあるんじゃないかとかいってみる。ボケると元々の気質が出るっていうし、ああいうお嬢さんだったんだろうなあ、晴海さん。
まあとりあえず最終回についての雑感だけなんだけど、夏菜も風間くんも他のキャストも上手いことハマっててちょうど良かったとは思う。ドラマ自体は最初から言ってるように遊川さんの話って好きじゃないからあんまりいうこともないんだけど、好きじゃなくても毎日面倒臭いと思わずに見るくらいには面白いよね。終盤があんなにとっちらかってなく、もう少しわかりやすく普通の展開だったらもっとよかったんだけど。
 
あとサイト見に行ったらこんなものが!

エイプリルフール(にはまだ早いがw)かと思ったらマジっぽい?えーおいおいNHK!(笑)