そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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小説 仮面ライダーキバ

http://kodomo.kodansha.co.jp/ehon/3148596.html

 
TV本編を再構成した小説だけど、こっちの方が面白かった。というか小説のほうが好きだな。古怒田さんは脚本家なのに文章・構成含めて小説上手いなあ。文章が読みやすくてちゃんとわかりやすかった。(他の人と比べるとw)
TVより面白いと思ったのは、小説の内容が本来の主人公である渡よりも父親である音也の過去編の方に焦点を当てるから‥‥というのもある。そりゃ音也とゆりと次狼の三角関係と友情の話のほうが面白いよなあw
しかし音也の生き様をしっかり描き、彼の人生哲学のこもったセリフが渡に伝わることで、今まで文字通り「何者でもなかった」紅渡という人間が自分のことを知り、自分はどうすべきなのかを選び、ひとりの「人間として」生きていく決意をした‥‥という意味では、最終的には十分に渡の物語にもなっていたと思う。
キャラが若干変わってたり省いてる部分、キングがいなかったり太牙がいなかったり(いや太牙はいなくても全然構わんよ)、深央が普通のファンガイアのままでドジっ子からクイーンに目覚めたりはしなかったり(わざとなのか描写されてないけど、あれだとファンガイア体はパールシェルファンガイアだよな)、それなり組織立っていて世界規模で存在してるらしい現代編の方のファンガイアの動静がほぼわからないのはストーリーとしては物足りないとは思うけど、元々現代編/渡の方の話は薄めだからそれはそれでいいかな。
むしろ過去編の方の音也無双、無双すぎて超絶カッコよすぎる設定&キャラ描写と、ゆりを巡った次狼との対立、そして友情のほうが面白かったし、そこから真夜に惹かれていく過程もとても納得できるから、ドラマ的な満足度としては十分。というか音也の天才性がきっちり描写されててものすごく納得w
ゆりや恵の描写もだいぶ膨らましてあり活き活きとしてるし、TV本編ではただの謎の世話やき小娘だった静香ちゃんが渡の彼女として納得できるくらいしっかり描写されていたのはよかった。渡の「この世アレルギー」の理由もTVよりちゃんとしたあったし渡自身がそれに見合ったキャラだったんで、とても上手く再構成と再構築がされてると思った。なんか、TVでちょっとばかりモヤモヤしてたところがこの小説を読んでとてもスッキリした。もしかしたらキバに関わってない古怒田さんだからこそなのかな、この客観的な再構成は。
細かい所でいうと真夜と音也のその後から渡が生まれあのお化け屋敷に住むことになった経緯、その渡を世話していたのは誰だったのかなど気になることはあるけどそれはまた別の話って感じですかね。
 
過去編にキングがいないせいで王の血筋の話はまったく触れられていず、そこはさすがに「血」の物語でもあるキバとしては物足りないとは思う。
渡がファンガイアの王である「キバ」に変身できる理由、というかハーフなのに変身出来るという理由がわからないし、そのせいで渡を引き入れようとしていたファンガイアの一派はどうするつもりだったのか、ファンガイアとして目覚めたのに人間側にいってしまった渡がこれからどうなるのか(そのまま放置されるってことはないと思うし)ということも触れないままだというのも、想像で補うにはちょっと足りないかな。
逆にキバである渡が同族とは知らずにファンガイアを狩る理由ははっきりしたし、それ絡みでTVより表沙汰になってしまったファンガイアと人間の対立の結末もあれでいいと思う。
名護さんは大変残念な感じだったと思うけど(苦笑)、たとえボタンをちぎらなくても真面目すぎておかしな言動をしなくても、イクササイズを踊らなくても、やっぱり名護さんは最高です!最高に哀しいキチガイです。
少なくとも彼のキャラとしてはブレてなかったし、むしろこの小説のキャラ設定のほうが話としては好きかな。そしてイケメンハンター・メグたんが気の毒だよ。早く彼氏が見つかるといいのにw
あとなぜかこの小説から受ける各登場人物の印象があのTVキャストのビジュアルじゃなく、ものすごく少女漫画イメージで脳内展開されて(さいとうちほとか渡瀬ゆう的な)、まあそれもありかな…という気分ではあった(笑)どちらかというとビジュアルとしては大河ドラマ的少女漫画な印象かなあ(笑)個人的印象ですがw