そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

白倉さんインタビュー

 
仮面ライダーの「敵」が東映取締役の白倉さん‥‥って話ではなくw
会員限定記事だけど無料登録できるからぜひ。それくらいの価値はある記事です。
まあ白倉さんの言ってるとおりなのであえてツッコむところもないんだけど、平成ライダーファンとしては見逃せない記事なのでちょこっとだけ触れとくよ。
要約すると「9.11以降の正義と悪」についての考え方と、善悪観とヒーロー物の本質・その「境界線」の話、そして「仮面ライダーが勧善懲悪じゃないのは、子供向け番組は絵空事であってはいけないから(要約)」ってあたりの話。
平成ライダーは最初の10年で「仮面ライダー」で描けることの命題としてはやることやっちゃったから、W以降の2期になってからは実際のところ「仮面ライダー」じゃなくてもいい話ばかりなんだよな。だからあんまり心に響かないというのはまあ個人的な好みの問題レベルなんだけど、やっぱりただのヒーロー物なら仮面ライダーじゃなくてもいいじゃんって話なんだよねえ。
実際、今の「ウィザード」は肩書きは仮面ライダーだけど、劇中で「仮面ライダー」とは一度も言ってないけどさw
普通の人にWやフォーゼが人気なのは、仮面ライダーじゃなくてもいい単なる街のヒーロー物レベルの物語が、身近な物語としてわかりやすくて受け入れられやすかったからだと思ってるけど、でもそれは仮面ライダーじゃなくてもいい話なんだよね。最初の10年間、主人公の「自分探し」を「同族殺し」の葛藤ととともに見てきた身からするとものすごく物足りないw
かといって白倉さんが言ってるように、今さらクウガ〜ディケイドまでと同じことやっても今の時代性とは合わないし、そういう意味では戦略としては正しいんだよなあ。
まあ「平成仮面ライダー」としはまたそのうち描くべきことが出てくるんじゃないかと思うから、今は繋ぎ時期だと思って作品が面白ければいいかなーと思う。
というか最初の10年で「今の」仮面ライダーの一般層の認知を上げていった結果として、一般層にわかりやすく受けやすいものを‥‥ということになって、逆に新しい何かを提案する力も、それを視聴者側が受け入れる力(あくまで数の割合として)もないんだとしたら、それはそれでってことな気もするんだよね。認知度を上げて、ライダーは面白いという認識を植えつけて、その後また個人的な石ノ森テイストな自己命題の世界に入っていくってのもありだろうし。
まあただ今の戦隊ライダー宇宙刑事入り乱れた映画のカオスっぷりを見てても、あえてマーケットとして狭いところに戻るかなあってのはあるんだけどw 基本「面白ければいい」だよね、東映はw

白倉さんの言う「物語の作り手に『社会全体を変えられる』という実感がないからでしょう」ってこともインターネットの世界と絡めて語ってるけど、「徒労感だけが残っています」というのを見ると、やっぱりマーケットが巨大になるほど、見るのに頭を使わないといけない深いテーマ性やメッセージを作り手の意図通りに受け取ることができない人たち(それも含めてノイズと言ってるのかなと思ったんだけど)が増えるのかなあって気はした。いやそれはオレの感想ですが。
ライダーが小さな話になってしまうのは仕方がないとは言いつつ、小さくても深い話が見たいなあとは思う。というかしかるべきときには白倉さんカムバックして欲しいよw