そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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小説仮面ライダー電王

一番気になってたのは「プロデューサーである白倉さんが書く小説」ということだったんたけど、むしろ昨今のラノベなどよりよほど上手くてしっかりした文章で読みやすかった。
時間もの、契約者が複数、良太郎視点なせいか時々話が枝葉的に飛び気味だけど気になるほどではなく、構成もしっかりしてて最後まで面白く読めた。
相変わらず他人から見たら良太郎が多重人格者にしか見えないんじゃないだろうかという心配はあるものの、小説ならではというか、良太郎の一人称だからかわかりやすかったし、あまり気にならなかった。ただ良太郎らしい筋の通し方とか強情さはあるけど、5年?たった今の良太郎が思ってたより”何者にもなってない”ところは、それでいいんだろうかと思ったりw
最後にそこは自覚したんでよかったんだけど、それもあってこの小説が良太郎としての一区切りなのかなと感じたかな。たとえこれからも物語は続くんだとしても。
ハナさんや侑斗、物語自体はおそらく初期設定のままでの(後半の番組的ねじれや最後まで不可解だったハナさんの存在理由、イマジンたちの目的などを除けば)2013年の彼らということで後日談を読んでいる気分になれるし、TVシリーズで膨らませた部分を削ぎ落とした、本来の電王という物語の面白さがあると思う。
ただスカイツリーと東京ワールドタワーの関係に時間がダブったこと(に気が付いてないこと)、良太郎たち本来の時間を生きてる人間の記憶とそうでない侑斗の記憶が食い違ってることは、この話のある意味トリック部分なので、もう少し上手く描ければさらに面白くなったかもしれない。が、小説が本業でないいちプロデューサーにそこまで求めるのは酷か(苦笑)読み終えてみれば十分納得はいくのでいいかな。
あとハナさんの基本設定とか今となっては「?」と思う部分が余計に強調されてるとこ、大人桜井さんが消えてオーナーが今の侑斗と愛理さんはくっつかないと言ってるのになぜハナさんが存在するのか…とか、その辺りはあえてスルーするべき?ちょっと混乱したよ。
良太郎のキャラはたぶん小林靖子さんの方が上手く描けるんだろうけど、話の展開や契約者の絡め方など、電王のようなそうでないような不思議な味わいの読後感が合った気がして面白かった。