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脚本：きだつよし 監督：中澤祥次郎
『賢者の石をお願い…晴人が、最後の…希望…』
仮面ライダーの最終回間際でメロドラマ的展開って、やっばかなんか違うと思うの。何度も言ってるけど、それってコヨミって晴人にとってなんなのかって話だし、すべての人の絶望を希望に変えるって言ってた晴人くんがいつの間にかコヨミちゃんのことしか考えてないって、番組的にはおかしいと思うんだよねー。違う？
よくありがちな身近な大切な人を救えなくてそれ以外が救えるかっていうのとは根本的に違うというか、そういう哲学的に突き詰めた選択の末の「俺はコヨミを助ける！」でなく、可哀想なコヨミのことしか考えられなくなったからコヨミを助けるなわけだし。
それもだけど、晴人くんは仁藤のやったことをもっと評価してもいいと思うんだよね。東京中の生贄にされるはずだった人間を救ったんだよ？なんで主人公がそれやらないんだよってのはともかくとして（^_^;）
今の晴人のやってることは基本的には笛木と変わらんと思うのよ。自分の気持ちだけで一度死んだ人間を蘇らせたい言うてるだけだし、その点に関しては山本さんの言うとおりだよ？ほとんどの生贄にされかけてた人間にとっては死なずに済む自分が殺されそうになってたってだけで「だから何？」ってことなんだし、女の子一人の命とその他大勢の命を天秤に掛けてるってことはもうちっとちゃんと見せても良かったんじゃないかなー。
このへんの構図ってオーズのワンダフル将軍と似てると思うけど、あっちのほうがちゃんと見せてたよね。今起ころうとしてることの代償がはっきり見えてるってことでは。
仮面ライダー（魔法使いだけどな）という物語としてはホントどうしてこうなった？としか。そこんとこどうなのきださーん。予定通りなの？予定通りなんだとすればなんでそんな話でいいと思ったのか、監督やPの責任も問いたいけど。ほんとにマジで、今現在の晴人くんの戦ってることの意味がわかりません。
というか、結局なんで途中、晴人からインフィニティの力を奪ったのかなあ。単にコヨミが見つけて晴人に渡したっていうだけで、白い魔法使いにとって想定外の力だからというだけなら（白い魔法使い的にも番組的にも）スペシャル感が無さすぎると思うんだよね。
だって白い魔法使いのくれた「指輪の魔法」（ウィザードの力含めて）と、晴人がそこから自分で生み出したインフィニティの力の違いが、仁藤の古の魔法ほどにはわからないし、その特別さによって白い魔法使いが滅びたわけじゃないよね。まあビーストが敵わなかった白い魔法使いよりも強かったインフィニティってのも、その魔法の根源の力の比較としてよくわからんのだけど。「晴人自身の力」って何よ。
そして笛木がやられても全然悲しいとも思えないのもどうかと‥‥だってどう見ても自業自得だし、結局コヨミは助けられてない上に笛木がやったことも断罪されないし、コヨミはグレムリンに賢者の石を抜き取られてるし、何のためにサバトを開こうとしたり東京中の人間を犠牲にしようとしたの？マッチポンプどころか全て無駄、だよね。
一番問題なのはとにかくその笛木が断罪されないまま逝ったこと、絶望の中で死んでいったこと、お話的にやろうとしたこととのバランスがまったく釣り合ってないってことなんだよね。なんなのこの話？
それで成り行き的にグレムリンがラスボスかよー。
いやそれも白い魔法使いの剣が欲しかったとか言ってるけど、あれ、コヨミがあそこ通らなければ白い魔法使いが剣を後回しにして諦めることもなかったし、そもそもその剣に賢者の石を取り出す力があるとかまったく説明されてないし、そういう力があるとすればあれを放置していった白い魔法使いが迂闊なんだし、なんというかもうなにもかも作劇として間違ってるっちゅーの！（半ばヤケ）
いやなんかさ、賢者の石についても「なんですかそれー？」くらいにしか思えなくて、きださんの作劇って素人レベルだと思うのよ。
オレごときがそんなこというのはどうかと思うけど、今日の展開でコヨミが斬られて賢者の石が出たからどうなの？としか思えないじゃん。
きださんの作劇って基本こうなんだよね。着地点をちらとも見せないで起こった出来事だけ重ねていって、最終的にこうなりましたーって言われても感動もなにもないじゃんよ。
普通さ、白い魔法使いやグレムリンが賢者の石とか言い始めたあたりで、甚だ簡単なやり方ではあるけど笛木とかが晴人に喋っちゃえばまだよかったんだよ。コヨミと賢者の石の関係、それをどうしたらどうなるのかってさ。だからこそ視聴者的にそうさせまいというハラハラ・ドキドキ感が生まれるんじゃん。それを阻止したい気持ちとコヨミを助けたい気持ちで葛藤する晴人を応援しようって思うんじゃん。コヨミ復活の儀式ってその後の話でしょうよ。
しかも現状、白い魔法使いさんはサバトが失敗したのにまだやるとか言ってるけど基本的なこと認識してる？東京中のゲートの魔力はキマイラに食われちゃったんだよ。どこでサバトやるの？大阪？そういうのってものすごい投げやりー。
それが叶わなかったら絶望したーって、‥‥そうだよ、白い魔法使いは絶望を味わったんじゃないの？その絶望はスルーでいいの？晴人的に。そこからして違うんだよな。
結局白い魔法使い＝笛木は救われないままだし、コヨミの肉体が朽ちるのを待って賢者の石を取り出せばいいやって言ってたグレムリンがあっさり賢者の石を取り出して‥‥ってだからあの賢者の石はコヨミにとって何なんだという。あそこに何が入ってるの？あれがあれば復活するの？もう何が何やら。そもそも元の「笛木暦」と「コヨミ」は違う記憶を持つ人格だよね。
だからお話的に「何をどうすればこうなる」という筋道が見えないから話がまったく面白くないし盛り上がらないんだけどね。
そしてグレムリンさん、もといソラさんは賢者の石で人間になるーって話だけど、だからなんでソラは人間になりたいのかという‥‥そこもだよ。相違の最終回前までに説明しといてよ。てか人間になってもシリアルキラーだよ？えーと逆ならわかるんだ逆なら。人間だとファントムよりは捕まえやすそうだけど、だからなんでファントムじゃダメなのかな、ソラくんは。
そんな疑問をウヤムヤにしつつ次回で実質最終回って、嘘だろ!? ('A`)
予告。
インフィニティ色変わってた？逆光のせい？
鎧武の予告、いくらなんでも仮面ライダー鎧武が本編で馬に乗ることはないよなあー？(^_^;)
