そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

Oh,My Dad!!オー・マイ ダッド!!7〜#11(終)

http://www.fujitv.co.jp/1307_thu10/index.html
脚本:安達奈緒子 演出:河野圭太、葉山裕記、加藤裕将
 
一応メモ程度に感想書いとくけど、メモ程度でも書いとこうと思ったのは自分的にこのドラマってやっぱり面白かったからです。
ざっくりと結論をいうと、前半の元一のダメパパ、というより大人としてのダメっぷりがものすごくキツかったんだけど、もしかしてそれって脚本での描写以上に織田ちゃんが上手すぎて、こんなファンタジーな人物設定なのに妙にリアルなキャラになってるせいかも‥‥と思ったり。
あとまあ最初にキャラとしてどうもあやふやだったのは、元一ってそもそも昔の夢を追いかけすぎて現実を見ないまま結婚して子供もいて(この時点でファンタジーだろw)、子供は大事だけど奥さんのことは気にかけてない、家庭(というか家計が大変な)のことも頭にないというキャラなのに、子どもとふたりきりで暮らす羽目になるその奮闘記で、しかもそれをフォローするのが学生時代の元カノっていうのは、ぶっちゃけ人物相関図として理解し難いと思うんだよね。
それもあって、最初に元一のキャラが共感どころか理解できないのがキツかったってのもある。なんで普通の会社員のダメパパにしなかったんだと‥‥(^_^;)まあそれじゃありきたりで面白くないんだけどさ。
もう一つ、奥さんが愛想つかして出て行くのはわからんでもないけど、結局やっぱり子供を引き取りたいというならそもそも光太くんを置いていく理由が不明(母性云々は置いとくとしても)なのと、光太くんが結構きかん坊でいうこときなかいトラブルメーカーな風に育てたのってあのお母さんだよなあと思うと、やっぱりお母さんにも共感できないということかなあ。
前の感想でも言ったけど、本当にオレが早坂さんなら速攻追いだすし、居候させるならもっと厳しい条件を父子ともどもにつけるよ。それ以前に元一の行動は父親としても大人としてもありえないけどな。最初のドーナツ拾い食いの件とかもそうだけど。

まあでも後半、光太と離れ離れになって普通の会社員として自立しようを奮闘するところは、ストーリーとしては面白かった。
マグネシウム電池のプレゼンをはじめ、いろんなことが上手くいかない、なかなか正社員になれないってのはドラマにしても厳しい展開だったし、逆に簡単にうまくいったら話にならないにしても、このまま夢を諦めて普通に会社員として就職するのかなあという興味で引っ張る感じは悪くなかったし。
その前半の微妙さはともかくとしても、このドラマが後半上手いなあと思ったのは元一の能力が上手く活用されていくとこと、会社組織のあり方とのマッチングあたりが結構面白かったんだよね。
特にインターンシップの展開、展示会でのエピソードは、さすが「リッチマン、プアウーマン」の安達奈緒子というか、この人こういう企業ネタでの話の作り方すごい上手いよね。最近の会社システムを軸にしつつ、そこへのキャラの人物像と絡め方の必然性の織り込み方が上手いというか。
社長との話の中で、ワークとしての仕事をするだけじゃなくその結果を意識しはじめるっていう精神面での成長、それは子供や家族のためというモチベーションを持つことと、クリエイションとしての発明は広く世間に役に立たなければ意味は無い、それが利益につながるということを認識するという会社で仕事をすることの意義ってのをちゃんと描いてんだよな。
そしてそれを実現する元一の能力としては、ビジネスの世界に科学的思考を持ち込むことによって需要と供給から発想面、その次の作業効率と人員稼働までを上手くプレゼンすることで分化したシステムの中で他の社員と協力して結果を出すという、元一が出来ることとできないことを見せた上でその才能・能力を生かすという話ね。
今までのドラマで、しかもどちらかというとヒューマンコメディーでこういうふうな仕事描写をするドラマってあんまりなかったと思うんだけどさ。仕事の部分をしっかり見せるってことで、なんとなくありえないでしょーみたいな設定のドラマをリアルに見せることに成功してたと思う。

しかも何気に元一の立場として会社部分でも2つの話を進めてたけど、あのインターンシップの展示会出店の話とマグネシウム空気電池の話、それにプライベートの奥さんと光太の話ってのが上手く絡み合ってたのも見応えあった。
最終的に、元一が忙しいことで光太は父親離れをし奥さんは父親の存在を思い知り、しかもそれまでに培った会社員としてのスキルと、誰かの役に立つものをという発想でマグネシウム電池の方も上手くいくというハッピーエンドが良かったよ。このラストの説得力というか、風呂敷のたたみ方は本当に上手いと思った。
結局どんなすごい発明も、それ自体がすごいんではなく誰かのために役に立つということが重要なんだし、誰かの役に立って初めて会社も給料を出すし、家族も幸せになれるってことかなあ。
最後に元一が研究成果をちゃんと手伝ってくれた岸田と森下(忍成修吾)と3人の成果にしたのも良かったかな。もともと元一は成果を独占するような性格ではないけど、協力することで成せることもあるっていう会社体験がちゃんと反映されてるってのがね。
そういう意味で、そういや元一に「会社員なら家族より仕事が大事だろ」って言ってた金属部の川辺部長(大友康平)が、定食屋で光太の写真を財布に入れてることを早川さんにからかわれてる元一に財布に入れた娘の写真を見せて去っていくってとこはスゲー良かった(笑)岸田(八嶋智人)のありがちな家族の話より、ああいう細かい描写のほうが絶対効くよなあ(笑)川辺部長さり気なくカッコイイw
早坂さん(長谷川京子)も元一は元カレだけど既婚ってことで、コメディーだから変な事にはならないだろうっていう安心感はあったし、結婚紹介所ネタも意外とリアルだったし(しかも相手が丸山!)、それは元一なんかと寄りを戻さずちゃんと仕事出来そうな人と上手くいって欲しかったんで良かったけど、やっぱり冷蔵庫のローストビーフとかああいうネタのほうが何か気が利いてた感じかなあw(リチプアでいえばタオルのネタみたいな感じか)
全体には特に前半はいろいろミスマッチが目立つところもあったけど、細かいキャラ描写や仕事描写がしっかりしてるんで思ったより楽しめたかな。その分ごちゃごちゃしてたのはちょいわかりにくくていただけないかなと思ったけど、ちゃんと見てれば分かる程度なのでまあいいかな。
ぱっと見、ありがちなダメ親奮闘記で括られちゃったのは数字的には残念だったかも。