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福家警部補の挨拶#8「オッカムの剃刀」後編

http://www.fujitv.co.jp/fukuie/
脚本:麻倉圭司 演出:岩田和行 原作:大倉崇裕
 
やはり男が犯人の時はすっきりすっぱり終わるなーw
てか柳田教授って案の定人前で謝罪要求するような人だったわー。なんか偉そう。
えーと前編での今井殺しが唐突でなんかわかりにくかったと思ったんだけど、福家の謝罪と時間が前後してるからか!確かに謝罪で引きってのは衝撃的でいい引きだと思うけど、それはわかんないよな〜(^_^;)
なのでその間の話を時系列に並べ直したのがこのアバンで、前回あらすじの謝罪から始まって20時間戻って福家が柳田教授のところから帰ったあと教授が今井を殺して遺体が発見され、福家は捜査から外されて教授に謝罪しに行った…ってことか。
というかそれでもやっぱり石松警部がなんでキレてて、なんで福家が捜査から外され辞めるかもってことになってるのかはさっぱりわかんないんだけどさ。教授のことはちょっと怪しんでたけど、別に副家に独自捜査させようと思ったわけでもないよね、あのタイミング的に。というか石松警部は結局何もしてないじゃん(^_^;)あ、最後に過去事件の捜査資料原本探してきたか。というかああいうの一捜査員が持っててよかったのか?そんな迷宮事件になって悔しいってことでもなさそうな不明遺体発見事件にしか見えないけど。
 
それはともかくとして、こういう変形倒述形式ってのもありなのか。そりゃ前後編になるわけだ。
大雑把に言えば、池内講師殺しは視聴者的にもわかってるし、福家的にも最初から柳田教授だって目星をつけて追い詰めてるから倒述形式だけど、その動機から推測されるとこにも殺人が絡んでて、その事件自体を探すという変なミステリー?推論から導き出された殺人の証拠こそオッカムの剃刀…なのか?あと復顔術は当然重要なキーワードだった。そうでないほうがオカシイよなw
ドラマとして福家警部補自身は倒述形式ミステリーのキャラとしては薄いんだけど、ある意味強烈な犯人に対して論理的な推論の積み重ねとその推論を支える証拠集めで対抗しているというキャラだってのがとてもよく分かる話というか。
福家警部補が犯人に自供させるためならおだてたりすかしたりしつつシレッと引っ掛けも繰り出してくるし、わりと手段は選ばないタイプで、教授に謝罪も要求しないというとこでいろいろ人となりの見せ場もあったし。
ミステリーにおいての事件解決に都合のいい証拠や状況ってのは「ミステリーだからそういう話だ」で、特にツッコむとこじゃないんだよなw

というのはありつつも、伏線は前編から張りまくってたし、柳田教授の池内殺しはいっちゃなんだけど不運な事故みたいなもので、池内講師が教授を脅したりしなきゃこんな事にはならなかったし、今井はそれに巻き込まれた、こっちもある意味運が悪いアクシデントに近いことだと思うんだよな。
でもそうまでしても殺人をしなきゃいけなかったというその元々の原因、警察のやり方を良くも悪くも熟知してて、鑑識の神様とか大学教授という地位や肩書を投げ打つことになるかもしれない殺人という行為を、それでもやらなきゃいけなかったすごい大本の原因が、ただの非常にありがちな痴情のもつれというのがとても世の不条理を感じるね。なんというか今回のキモはそこなのかなあと。
教授が復顔術に傾倒した理由はいつか出てくるかもしれない証拠隠しのためだとは思ったし、それは前編で行方不明の妻を探すためにっていった時から感じてたけどさ。
警察が威信に弱いとか(だから警察内での自分の地位を確立した)、どんなに証拠隠しをしても警察が本気を出せば大抵のものは見つかるんだとか(というか教授はその探しだすことの権威だった)そういう諸々がすべて自分の身に降り掛かってくるという悲劇というか自業自得というか。
お話的には、できれば福家と二岡、あと石松警部が手に入れた本物の資料を発見するくだりはもうすこしじっくり見たかったかも。そこは小説ならじっくり描写していくとこなんだろうなあ。まあ石松警部の言ってることはちょっとばかし「はあっ?」て感じだったけど。だってお前、自分が福家追っ払ったのに…(苦笑)

でもま、まさかダイアモンド☆ユカイのバーがあんなにも重要で、あまつさえバンドやっててCD出してるってことまで伏線だったとはw
ああでもあの最後に福家が教授を追い詰めるとこ、すげー面白いんだけど映像で見ると理解がおつかなくて流されちゃって、内容を噛み締められなくて残念すぎる。ドラマだから仕方ないけど!
こういうのってじわじわと自分の中での推論を積み重ねながら、ちょっとだけ先を予測しつつその答え合わせを楽しむのが面白いんだよなあー (∋_∈)
あと「オッカムの剃刀」は、「説明に不要な存在を切り落とすことを比喩しており、そのためオッカムの剃刀は思考節約の原理や思考節約の法則、思考経済の法則とも呼ばれる」ってあるけど、端的にいうと「不要な推論を捨てる」ってことでいいんだよね。(劇中的に)教授が、証拠品やいらない捜査資料も捨てろみたいなこと言い出すから混乱したよ。
あれ、教授的には「理論通りに証拠を積み重ねたら導き出される事実は真実」くらいのつもりで言ってるっぽいけど、wikiの解説を見るまでもなくオッカムの剃刀で削ぎ落として残った部分が正しいとは限らないし、捨てた部分が正しいこともあり得るって話でしょ。だからそれを利用して教授は真実である妻殺しの証拠隠滅をしたってのが、この事件の謎解きのポイントなんだよね?でもそれ自体が勘違いというか、自分勝手な理論だよねえ。たとえそれが神様の言うことであっても正しくはないって話なんだよね。その「神様」自体も怪しいわけだけど。
まあそこひっくるめて、今回の話の前提が今ひとつわかりにくいってのはあったとは思うかなあ。そこら辺は原作のネタ選びの問題なんだろか。でもまあドラマとしてはまとまってたし、すごい面白かったと思う。時間足りないくらいだよな。
 
ところでどうでもいいけど、あの復顔研修ってちゃんと答え合わせとかあるのかなあ。実際の研修ってあの土台の頭蓋骨って本物なの?間違った復顔しちゃったらどうなるんだろ。ちょっと気になったw