そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係#1「発現」

http://www.tv-asahi.co.jp/border/
脚本:金城一紀 演出:橋本一 原案:金城一紀
 
なんとなく前情報的にはオグリンが臨死体験して霊が見えるようになる話…程度の、まあ言っちゃなんだけどわりとありがちなネタなのかな?と思ってた。見始めて20分くらいまでは、これってテレ朝でも金曜11時台のネタじゃないかしら?とか思ってた。
思ったより本気だったね、テレ朝は。まあこの枠はいつだって直球で本気かw
というか金城一紀だったんですね。そりゃ道理で面白いわけだ。(とうかこの人ここんとこ全然名前見てなかったよ?)
 
話は思ってたより重かったけど、画面自体が今までのこの枠のドラマと違って結構ねっとりとした重さがある画面と構図で、あまり見ない感じに仕上がってたな。なんというか映像のいろんなとこがクリアで高画質になってる昨今、それとはちょっと違う油絵みたいな厚みというか重さがある画面で面白いです。
最初こそオグリン演じる石川のナレーション、石川目線の状況説明がやたら多いなあと思ってたんだけど、後半気がついたらナレーションの代わりに石川の顔、というか視線を真っ直ぐに捉えてるカットが多くなってて、またそのオグリンの表情が良くてついつい見入っちゃう感じだった。
市倉班長遠藤憲一)の肩なめでピントは合ってないのにじっとこっちを見てる石川…という構図とか、緊迫感と言うんでもないけど何かありそげな感じでよかったし。他の人には見えてない霊が見えるってこともあり、オグリンの石川の目線の方向とそれの見せ方って重要よね。
あと石川が、死んでるはずの被害者の幽霊と会話しながら並んで歩いてるっていうのもよく考えると変だし。普通の絵面なのに実際はすごく異常なシーンだっていうとこが。
脳に入った弾丸のせいなのか、それとも臨死体験をしたからなのかはわからないけど、表面的なお話としては霊と話すことが出来るようになった刑事が、そのお陰でその被害者から直接真犯人の名前と証拠や証言を得られるようになった。でもそれじゃ逮捕できないからいろいろ違法捜査というか、現実的な手を尽くして犯人を確保して被害者の無念を晴らすというストーリーなのかな。
石川が一度死んだことで「人が死ぬ」ということがどういうことなのか、「死にたくない」という思いやその悔しさ、無念さ、そして失ったものが何なのか、身をもって体験したからこそわかる犯人逮捕への執念が見応えあるってことだけど、なんだろう、オグリンの柄がちょうどいいんだよね、この役。スゴい当て書きっぽいよね。
とくに話が重い分、オグリンがもともと持ってる明るさとかひょうきんさのお陰で(石川の役柄自体がどうかは別として)シリアスになり過ぎなくて助かってるというか。
最後も被害者の人たちが死んだことはともかくとして気持ちだけでも救われるからすっきりするし。それが恨みを晴らすとかそっちの無念さを晴らすんでなく、なんていうかその悔しさや無念をわかってくれる人がそれを解消してくれたという清々しさがある感じというか。死んだ人は還らないし奪われたものを考えると理不尽としかいいようがないけど、それでも被害者の無念やそれを我が身に感じてる石川の行動が「なぜ人を殺してはいけないのか」「死ぬというのはどういうことなのか」という問に正面から答えを出してるように思えるというか。最近また理不尽な殺人事件が多いから、いろいろちょっと考えちゃったよ。
だから今回、犯人に対してはそういう理屈は通じないけど、彼を庇っている母親に対しての泣き落としがすごく効いてるということ自体が重かった。殺された被害者に子供がいるからわざわざ園児たちの通学路を選んだ?っぽいし、やらせの目撃者仕立てたりとか手段選ばないって感じでいいよ。石川がそれを悩んでるというか、赤井(古田新太)に対してのあの態度とか、本当は嫌だと思ってるのがわかるのもいい。
あのやらせ目撃者も班長が普段使ってるルートってことで、言わなくてもやり方でそりゃわかるでしょうよっていう展開もよかったw
死ぬのが怖いから殺人者に対して容赦がないということなんだろうけど、そのことにまじめに向き合ってるのがわかりやすくわかるのがオグリンの芝居のいいところというか。
あとなんとなくオグリンがそう解釈してる石川のキャラのせいだと思うけど、死ぬかもしれないと思いつつ弾丸を取り出さずにぎりぎりのところ(まさにボーダーライン)で生きてる石川は、なんとなくキングの「デッド・ゾーン」を思い起こさせる雰囲気なのもとてもいいね。死んだらどこに行くのか、オレは天国も地獄もなく無になると思ってるんだけど、だから怖いんだよね、死ぬのは。死ぬときにはきれいな走馬灯とか見えないに決まってるよ。何もないんだよ(でも真っ暗い何かに襲われるのもごめんだよ><)
次回も楽しみだけど、最後のあの幽霊は話に関係ない、たぶん石川が「そういう人」になったっていう描写のためだけなんだろうなあーと思ってたらどうもそうみたいw(>公式WEBコメント)←やっぱりキャスト当て書きみたいよ?
あとどうでもいいけど、途中CMのダイワハウスのやつ、なんで今頃前の古いベトナム編を…?と思ってたらまさかの古田新太かよ!とマジで吹いたw 声でわからなかったんで、顔が出て心底えっと思ったw そんなイメージ違いすぎるタイアップヤダwww
というか、今回出てるキャスト分だけでも好みのキャストと思ってたら次から滝藤賢一野間口徹、浜野謙太っていういいキャストが!楽しみすぎる ( *´∀ `* )
変な鑑識の人の波留も良いキャラだよなー。あとはコンビの青木崇高が、というか青木さんとオグリンのコンビって結構よくね? (・∀・) いやしかもオグリン、青木、エンケンさんって3人並んだらデカすぎるw
あと宗教の人の村田充は引っ掛けだったけどいつも通りキモくてよかったし、真犯人はあれ、小柳友ってことでよかったのかな。全然わかんなかった。誰かと思ったよ。誰かと思ったのは赤井のいた店のマスターが山口祥行@田所さんだったよ!
そうそう聞いてて絶対そうだと思ったけど、音楽は川井憲次よね。また今までとちょっと違ったパターンのメロディ展開でいい (・∀・)