そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

イントゥ・ザ・ストーム

http://wwws.warnerbros.co.jp/intothestorm/
監督:スティーヴン・クォーレ 脚本:ジョン・スウェットナン

 
ヤン・デ・ボン監督の「ツイスター」はいつだっけと思ったらもう18年も前(1996年公開)だったですよ。
あれはあくまでも映画的な感じの人間ドラマがあってその上で竜巻の恐ろしさを描いたデザスタームービーで、人間ドラマの部分はまったく覚えてないけど牛が巻き上げられたり小型観測機をぶちまけちゃって大急ぎで拾い集めたりにハラハラドキドキするとても面白楽しい映画でした。
あと竜巻の砂粒CGをそれっぽく見せるために何万ドルもかけて独自ソフトを開発したとかそういう話か。世間一般にはとにかくフライングもーもーが印象的な映画だと思うけどw(たぶんいま見てもそこそこ面白いはず)
しかし昨今これだけ気象が不安定になってきてると、もう巨大竜巻も面白いじゃすまないレベルで、めっちゃ怖かったよ!アメリカの竜巻チョー恐い!ありえないレベル。
 
つーかだって、この映画がもうどこからどこまでがCGなのかわかんない。どうやって撮ったのこの映画?これくらいの規模の映画で扱ってるからにはこの程度までは事実っていう確信があるわけよね、竜巻描写については。ありえねーはありえなくないっていうことよね。それが恐ろしすぎる ((;゚Д゚)ガクガクブルブル
映像的にはフェイクドキュメンタリー手法だからどこからどこまでがフィクションなんだかわからんけど、とにかく巨大竜巻が恐すぎる。牛が飛ぶどころじゃねえー!飛行機も飛んでるよ!飛行機が飛ぶのはあたりまえだけどそういう話じゃねえよ?(゚Д゚)
1時間半の上映時間に父子家庭の関係性の再構築とかも入ってるけど、殆どが竜巻の発生から去って行くまでの一連の出来事で、見てるだけで死ぬかと思った。まさか朝は超いいお天気のこの町で午後こんな惨状になると思わんよ。様子から見ても竜巻被害が過去あった感じでもないから、住民の心の準備ができてないだけに何の警戒心もなくて余計に怖ろしい。あの町の人たちはオレらだよ!
てことで映画、超凄かった。キャッチコピー通り体感的すぎてやばいね!家で見てたらヒー!とかギャーッ!とか言い続けるタイプの映画。
まともなこというと、面白かったのはとにかくカメラの視点。
全体にフェイクドキュメンタリー風で、主人公家族の弟が卒業式撮影のために回してるビデオカメラ映像だとか、ストームハンターチームのプロカメラマンが回してる映像記録だとか、果てはダーウィン賞クラスのおバカ冒険野郎のスマホ映像(あれスマホだったんだ?)からの主観映像が多く、特に前半は登場人物の紹介テロップを入れたり映像的にもそういう演出がしてあるからこの映画自体がドキュメンタリーのようにも思えるんだけど、当然そうではないよね。そういう風に錯覚するってのがこの映画を楽しむポイントというか。
実際は絶妙な編集で、誰のどういう映像かはわかるような客観映像も入ってるんだけど、そうとは感じないとこが妙にリアリティがありすぎて余計に竜巻被害が真に迫りすぎてて恐いんだよな。
あとなんだかんだ言ってもYouTube狙いのおバカスマホ映像も卒業式用の息子らの手持ちカメラ映像も、いかにもそれっぽいけどちゃんとした「プロのカメラマンの構図」なので、そういう点では映像の出来自体がとても安定した大作映画レベルなので安心して見てられるという。
でも登場人物のほとんどがカメラ(スマホ含む)を持って何かしらの映像を撮ってるんで(卒業式で生徒がデジカメやスマホで動画撮ってるのが象徴的)、そうじゃない、映画としての映像もドキュメンタリー的な劇中の誰かの映像じゃないか…?と思わされるんだよ。この映画自体が巨大竜巻を追う人々とそれを取り巻く人々(兄ちゃんたちの救出までもが)のドキュメンタリーのように見えるというか。
とにかくほんの数時間の間の人間ドラマと竜巻の恐ろしさが体感できる映画だった。
あんまりいうとネタバレになるからこのへんにしとくけど、劇中のストームチェイサーが見る竜巻の目の映像、あれは想像だよね?そんなものが撮影されたって話はさすがにないよね。あの超絶すごい嵐の中での竜巻の目とあの光景が美しすぎて、でもあれ、見たら死ぬよね。どう考えてもあの状況、あれを見て生きていられるとは思えねえ (∋_∈)
でもそこまでの経緯もあり、あのストームチェイサーに取ってはなんというご褒美か、と思ったけど。
 
あとですね、ちょっとあああ…と思ったのは、主人公家族の高校の教頭をしてるパパが竜巻避難を呼びかけに学校に戻った時、外の状況を知らない校長が校舎=シェルターから避難しない選択をしようとしたところね。東日本大震災の時、避難した小学校からバスで移動するかどうかで判断誤って津波から逃げ遅れた子供らの話思い出して心が痛かったよ (∋_∈) そのまんまのシチュエーションすぎる。
とにかく映画は1時間半だけど過不足なくバランスよく見どころが詰め込まれてて、思ってたより面白かった。内容が濃すぎて1時間半が意外と長いよw
こういう被害にあった人たちの気持ちはともかく、しょっぱなからのネタだった「インタビュー」が最後に効いててよかった。まあ実際こんな目にあったらもっとぼんやりするだろうし、こんなもんじゃ済まないと思うけど。
まあこれは映画なので画面に出てきたモブじゃない人は死ぬはずないと思ってたからいうけど、とりあえずおバカ冒険野郎が死ななくてよかったw あとおじいちゃんと犬もw
主役のパパ(リチャード・アーミティッジ)、名前聞いて誰だっけと思ってたけど(顔でわかるほど記憶力良くない)「ホビット」のドワーフの王様ね!そりゃこれだとわからんわw
 
あとこれ見つけたんで張っとく。ネタバレ無しですごい細かいツッコミあり。必聴。