そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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水球ヤンキース#10(終)

http://www.fujitv.co.jp/suikyuyankees/index.html
脚本:徳永友一 演出:宮木正悟
 
細かいとこがものすっごいスラムダンクみたいだとしても許すよ!(笑)
オレとしてはカス高のキラキラした子たちが一生懸命頑張ってる姿を見るだけでも価値があるドラマでした。
諦めずに一歩踏み出せば何かが変わる、その一歩を踏み出す勇気や諦めないで信じ続ければ奇跡は起こるとか、そんな彼らのエピソードの積み重ねがあってVS水蘭戦になってるっていう王道展開だったし、なんというかストーリーの筋道よりも(別に破綻もしてないけど)彼らの気持ちを丁寧に細やかに拾って見せてくれてた話自体が良かったんで、そこんとこは文句なかったよ。
まあミズタマ部のことや伝説の先輩のこと、それ以上になんでかメインになってた三角関係な恋愛ネタにしても、全体にあまりに盛り込みすぎていろいろエピソードはもう少しお話として見たかったとこを落としすぎてるとは思うけど、更にその締めが尚弥の告白って話だったとしても問題なし。
夏のドラマに恋愛ネタはつきものだしな!若いっていいね!
このドラマのキャストはどちらかと言うとフレッシュな顔ぶれで、その上みんなオレ好みだったこともあり本当に彼らのひと夏の話として楽しかった。男子はもとより女子も基本的にみんな可愛かったし、渚の大原櫻子ちゃんもなんというか可愛すぎずブスでもない普通なとこがいいって意味ではベストの人選。龍二は残念だったが、尚弥と渚のカップルなら普通に応援できるよ!エエのう、若いってエエのう〜 (*´▽`*)
 
しかし問題点としては、やっぱり水球って題材は男子新体操とか男子シンクロと違ってぱっと見の成果そのものが感動できる競技じゃないってことかなあ。ノリとして「WATER BOYS」とか「タンブリング」と同じ雰囲気で作ってるだけにちょっと気になった。
結局水球っていう題材が目新しいってだけで、ストーリーの内容としては普通のスポーツものと大差ないというかー、ま、それは最初から予想出来てたけどさ。
それより最終回の今回は、水球を始めたばっかのはずのカス高がいつの間に県大会勝ち上がって決勝って、さすがにえっ?て思ったよ。栃木には他に強豪校はいないってことなの?水蘭以外の学校が出てこないってのもカス高ミズタマ部の実力がわからないって意味では微妙だった。
しかもその結果がなかったからてっきりスラダンみたく全国大会には出たけど1回戦負けでしたーってことかと思ったら、全国大会優勝?優勝ですか!?さすがにそれはないっしょー(苦笑)そもそも全国大会が目標だったわけでもないじゃん。廃校中止で水蘭に勝てばいいだけだったじゃん。そんな即席な寄せ集めの部に何で強豪水蘭高校は負けたん?(なんで水球で水蘭に勝ったら廃校がなしって理由もわかんなかったんだけど)
それもあって、勝ち負けって勝負としては一見わかりやすいしドラマも作りやすいけど、やはりぱっと見で努力…というか、完成時の美しさが感動を呼ぶって意味での芸術競技と違って、強い=試合で勝ち上がるってのは積み重ねの比重が減ると見せ方として上手くないってことかなあ。ちょっと納得しづらかったかなあー。

あとどうしても納得いかないのが郷田の扱いだよな。なんであいつ尚弥を襲ったことでの罰を受けないの?その襲撃自体明らかになってないじゃん。ダメじゃん。郷田は人としてマズイレベルだけど、それでもライバル扱いの相手校の選手を悪者に描くのはダメなのかなあ?
だったら基本的なとこでキャラ設定画が間違ってると思うのよ。最終的に尚弥を目の敵にして怪我をさせるという役目なら、そんな人間性を疑うようなキャラにせず、渚のことが好きだから尚弥を目の敵にしているくらいにしとけばよかったのに。そういう恋敵レベルの嫌がらせなら小者感もあるしやり過ぎたとしても納得できるし、罰を受けるとすれば完膚なきまでに失恋したってことでいいと思うんだけどな。どうしてそうしなかったのさ。
いやこれはかなり本気でそう思うよ。ドラマ自体が結構恋愛ネタ多かったわけだし、尚弥・渚・龍二の三角関係に横入りしようとした郷田でいいじゃん。こんな凶悪なキャラにする必要なかったよなー。郷田というか演ってる鈴木くんののためにもな。このドラマのテイスト考えると、ああいうキャラだったってことが残念だよ。
もひとつは伝説の先輩・黒澤さんの扱いだよ。
彼の話って丸々1話使ってもいいくらいの挫折と復活の話で、キラキラした高校時代と大人の社会の対比としても、しかも尚弥の人格形成にも影響与えてる人物なのに描き方が中途半端すぎると思うのよね。
つかさ、オレら大人からしたらどんなに男気あってもたかが高校の番長だし、むしろ番長=不良だからね。尚弥が不良の格好してるっても記号的な不良のアイコンであって、本当の不良じゃないわけだし。てか不良=いい人でカッコイイじゃないし。
その上で彼が実社会に出た時にそんなことが通じなくて(まあ当たり前だけど)誇りを失ったっていう話でその誇りを尚弥が回復するっていう話なら、それはオレらが知ってる出来が悪い社会的にゴミなヤンキー不良の世界じゃなく、その誇りや生き様はもっと何か善なる良い物であると思えなきゃダメだと思うのよ。そういう世界の話を見たかったのよ。
だからその尚弥が憧れる伝説の先輩で番長と、あと商店街の人たちからカス高が嫌われるようになった理由はやって欲しかったよ。
あとなんで黒澤さんの会社の先輩が池田鉄洋なのかわかんないよ(笑)しかもまったく意味ねー使い方!なんだったんだw
まあ正直真冬先生(倉科カナ)がなんでああなったのかとか、渚が水球辞めた理由とか桑原教頭(北村有起哉)がカス高をsageすぎるの&急に千春ちゃんにご執心でミズタマ部を応援しだしたのとか、できればもっとちゃんと見たかったってのはあるけどさーw
 
まあドラマ自体は楽しかったし好きだったんであんまりグダグダいっても仕方ないかなと思うんで(もう十分言ってる)この辺にしとくけど、そういう意味ではいろいろもったいなかったし描ききれてなくて残念だった。もっとあの子らの話をきっちりとした形で見たかったよ。それともあともう一回分あればもう少し余裕があったのかなあ。どちらにしてもこのドラマは描きたいことを盛り込みすぎだと思うけど(^_^;)
でもストーリーラインだけをなぞってあっさり済ませるドラマをやるくらいなら、こういうふうに個々のキャラクターの気持ちを描いてる方がいいと思うし間違ってはないと思うんで、とりあえず全体に尺がないにしてもこれで良かったんだよな。描写としてないわけじゃないから補完はできる。
とにかく「弱くても勝てます」に続いて中島裕翔や山崎賢人、3バカの吉沢亮千葉雄大中川大志間宮祥太朗矢本悠馬のカス高ミズタマメンバーってのは若手イケメン的にもまさにベストであったよ。中島・山崎・間宮は弱くても〜でも良かったけどね。引き続き同じメンツを違うドラマで見られてよかった。とりあえずは満足でした!