そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

小野寺の弟・小野寺の姉

http://www.onoderake.com/
監督・脚本・原作:西田征史

 
面白かった!そしてこれはとても良い、とてもいい向井理の正しい使い方!向井りー激カワ、ちょーキュート!(*´∀`) =3ムッハー
どう考えても40歳の姉と33歳の弟、いい年の姉弟が仲良く一軒家に二人暮らし…とかねーよ!ってとこをスコーンとすっ飛ばす向井理の可愛さといったら! (*´∀`)=3
全然チェックしてなかったんだけど、これ舞台が先にあったのね。先月WOWOWでやってたらしいので見ればよかったよ。一応ググってみたらこんな話だったらしい。

これがあってこの映画というなら向井りーと片桐はいりの馴染みっぷりもよくわかる。全然似てないんだけどなんかホントに姉弟みたいなんだよな ( ´ω `*)
いつも脚本監督が同じの邦画はちょっとねー…と言ってるオレですが、西田征史の監督脚本については別に心配もしてなかった。
そもそも舞台の脚本とか演出やってたのよね。あと前にNHKでやってた「ママさんバレーでつかまえて」 *1 が普通に面白かったし。感想かけてないけど「ガチ☆ボーイ」もだいぶ前にレンタルで見たよ。もーボロ泣き。
というかね、この人やっぱり手が回る範囲がご近所町内レベルみたいだから、タイバニみたいな大きな街の話とかじゃなく町内の少人数で回るコメディっぽい話の方が断然上手いし向いてると思うわー。
原作ものというか怪物くんやベムみたいなテーマが深いものやネガティブ寄りなのもダメっぽいね。お話作りが論理的じゃないから謎解き事件ものもダメだと思う、トトリのことだけどね!(全てにダメ出し)
というかこの話みたいな、なんてことない日常のなんてことないありがちな出来事を丁寧に描くほうが断然面白いと思うよ。セリフ回しの良さも生きるし。本当に「ちょっとしたこと」に幸せを見出すようなお話のほうがいいと思う。ポジティブなお話のほうがいいんだよ、たぶん。
タイバニの虎徹のキャラみたいなのはとてもリアリティあるしわかるんだけど、あの取り巻く世界観が穴だらけなのでファンタジーとかSFが向いてないんだと思う。
 
てことでこの映画だけど、とても出来が良くて普通に面白かった。小野寺の姉、より子さん(片桐はいり)と小野寺弟、進(向井理姉弟の、不器用だけど誠実で、ちょっとほっこりナチュラルでごく当たり前な日常暮らしの記録な感じ。
結構長いと思ったけど、無駄なとこはなかった。気がついたら2時間あっという間。
ところで、向井理ってとてもイケメンだと思うけど、だからといって美形然とした役やイロモノキャラは絶対向いてないと思うのね。(SPECのあれはギリギリw)医者とかヒーロー的なキャラもちょっと違うような気がするし。
この人はごく普通の人の役をやるとすごく良くて、ごく普通のどこにでも居るような青年の演技(なのか?)バリエーションが豊富で妙にしっくりハマると思うのよ。ゲゲゲ〜の水木しげるもある意味普通の人だし。彼の演技の引き出しは「普通の人」しかないと思うのね。その中に仕切りがいっぱいあるタイプw
進の役もそうで、見る前はよくいがちななんとなくニートな残念キャラかと思ってたんだけど、そういうわけじゃなかった。お姉さんが好きだけどシスコンというわけでもなく、自然体で、本当に普通のちょっとだけナイーブで優しい青年なんだよね。
見た目的にはメガネでボサボサ寝癖頭で、変なチェックの着物シャツにジャージというダラっとした格好でとてもカワイイ。本当に向井りーはこういう役だとすごくいい。まあ性格的には天然系とかでなくただの奥手のリア充なので、そういう意味で萌えキャラってわけじゃないのが逆にリアルだし。そう、向井りーに求めるのは今風の「リアルな青年」なんだよ。
いい感じになる相手が天然系の絵本作家な岡野薫、この山本美月も普通に可愛かった。オレ彼女の見た目は全然好みじゃないんだけど、この山本美月は普通でカワイイ。
なんつか、素では美男美女の向井理山本美月だけど、この2人って見た目とかキャラ的には「そこら辺にいそうな、ちょっと小ぎれいないい感じの若い子」っていう見た目レベルだと思うのよ。普通にイケてるカップルを画面に映したら向井りーと山本美月になるんじゃねってレベルの。(言ってる意味わかるかしら?)
だからこの2人の話がとてもリアルに普通の人たちの話で良かった。
片桐はいりみたいなお姉さんは普通にはいないと思うけど、向井りーの存在だけでこの話がとても普通の人たちの日常を描いてる話になってると思うの。そこ重要だと思うの。
もちろん片桐はいりもステキだったけどね。デートの時のコートとワンピースちょーカワイイ!そして最後泣けたよ!。・゚・(ノД`)・゚・。
 
てか、うっかりあまりにも向井りーのことを語りすぎたけどw、でもこの映画のキモは彼だと思うのよねえ。
病院でより子さんの旦那にされた時の所在なさ気な感じとかそこで昔の話を聞かされていろいろ思い出したりとか、最後のほうで自分はあんな状況で家に帰ってきたけどより子さんの様子を察して(一応ネタバレにしとく)もう一度「ただいまー」からやり直すときとか、お話としてはより子さんのほうがドラマチックなんだけど、それを過剰にしないのが進の佇まいというか。
もちろん弟のことは心配してるんだけど、べったりすぎず、かといって依存してるわけでもない姉弟の距離感は片桐はいりの演技力ありきだと思うけどさ。向井りーはそこに上手くちゃんと乗っかってるというか。
まあこの話ってありがちなパターンだと共依存な話になるんだろうけど、あんまりそういう感じでもないのがいいのよね。リアルだけど物語ならではの距離感はあるし、ああいう結果であっても妙に明るく後味悪くないってのが、不器用ながらも思いやりとか誠実さに溢れた小野寺姉弟を取り巻く世界なんだと思う。
あと映画単体だとそこで終わっていいの?って思ったんだけど、帰ってきて舞台があったって知ったらこれもまたこの姉弟の日常のワンシーンなんだなあーと思えたんで、これはこれで。
まあ進は彼女と遠距離恋愛すればいいのにと思ったけど、そこはどうなったんだろね。それじゃダメだったのかしら?海外と彼氏は両立できないわけじゃないと思うけど、あの彼女は微妙にボンクラ天然系だからそこまで思い至ってなかった気もするよw
 
そいやエンディングテロップに桂正和先生の名前があったけど、あの居酒屋のマスターかな?タイバニ繋がりw
そういやムロツヨシもよかった。彼とか橋本じゅんが浮いてないって変な映画だよw(そういや片桐仁て、通りすがりの変に派手な人…と思ったけどもしかして舞台版の役でってことかしら)
そうそう、寿美菜子ってあの声優の寿美菜子だよね?あんまり可愛くてわかんなかったわーw てかタイバニ繋がり?

ほんと思ったより当たりの映画で大変面白かった。途中少しハラハラしつつ、しんみりほっこりする日常ものの王道だわー。大満足(*´∀`) オススメ。

*1:黒木瞳向井理が主演で、スタジオに観客入れて舞台形式のシットコムをそのまま生で一発撮りで流す半分ライブなドラマ。この脚本と演出を西田さん自らやってた。