そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

天使と悪魔 未解決事件匿名交渉課#2

http://www.tv-asahi.co.jp/tenshitoakuma/
脚本:高橋悠也 演出:植田尚
 
最初の方ちょっとながらで見てたらやっぱり話に入りにくかった。もうこのドラマはながらで見ちゃダメ! (>_<)
というか過去の未解決事件を解決するっていう性質なのもあり、毎回話の取っ掛かりをちゃんと見てないとストーリーに入れないよね。オレが悪かった。だいたいわかるけど一応見返したよ!
というか、話自体は面白いです。
事件の展開は1話めとまったく違うパターンで来たよ。「BOADER」みたいに全体の構成はいろいろ考えてるんだろか。
でも今回のこの話のポイントは、ぶっちゃけていうといつも気弱ないい人の役が多い浅利陽介が珍しく犯人だということですよ。ネタバレスマン。
犯人と言っても悪い人じゃなく、患者には慕われていて父親である院長からも信頼されてる若手の医師が魔が差したってことで、やったことはともかく彼を逮捕するというのはとても気の毒だとしか。真相のとこでオレもうっかり情にほだされるとこだった。
手術ミスと殺人じゃどう考えても殺人のほうが悪いに決まってるけど、一応死体損壊ってことなら多少は情状酌量が効くんだろか。
基本的には信頼と評価のプレッシャーで判断を間違えた、そうせざるを得なかった彼の心情を考えると…というか、泣きながら大事な患者さんを刺す大葉先生を見てると涙ホロリ。(演技力って大切!)彼のやったことは当然許されないけど、じゃあどうすればよかったのか。手術ミスのほうが良かった…ってこともないんだよなあ。
その真相が看護師の息子の通う分不相応な進学校から導かれていくというのも面白かったしな。これオリジナルなんだよねえ、ほんとに原作ナシなの?ドラマ自体はよく出来てるよ。
シンママの看護師さん、そうまでして息子を進学校へやらんでも…と思ったけど、ちょっと昨今の貧困の連鎖とか想起させるような設定にリアリティを感じてしまったよ。まああの看護師さんが殺したわけでもないしな。
犯人じゃなく目撃関係者を追い詰めていく茶島の切れ者っぷりもワクワクするし、くノ一のような中村静香の秘書もいい。剛力ちゃんは基本やっぱり振り回される常識人、正しいことは言うけど現実はその彼女の思惑を軽く越えて行くからやりきれないし、その真実に毎回押しつぶされる…けどめげないという役が似合ってるよな。
しかし看護師さんといい院長といい、司法取引をすることの人道的な重さと身内や信頼する人間への気持ちはあるわけで、その辺の描き方がとても良いかと。もちろん事件解決という観点からすればそれは正義なんだけど、ただあまりにもその真実、というより結局自分たちの利益のために信頼する人や身内を売るというその行為自体が社会正義に繋がるという事実に心が痛いよ。
爽快感はなかった分、犯人の気の毒さを打ち出してて後味自体はそんなに悪くはなかった。現場が病院なせいか画面も明るかったし。
あと茶島さんいいね、あのキャラいいねー。ヒカリとの「なぜ人は嘘をつくと思う?」「バレたら困ることがあるから」「守りたいものがあるからだ」とか、強引に大葉先生を車に乗せといて自供しないと病院行かないとか、あそこのやりとりもよかった。
しかし、日本では認められてないとは言いながら「司法取引」といえば何をするべきなのかがわかるというその言葉の認知度ってよく考えたらすごいな。