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脚本：林宏司 演出：七高剛 原作：石坂啓
感想書くほどちゃんと見てたわけじゃないとは思いつつ、なんかもやもやするので。
最後の最後に沢村一樹がラスボスでゲスト！葵インペリアル証券はブラック会社だったのだ…って、本当に社長はブラック社長だったよ。損失隠しって結局なんだったんだ。
結局ながらだけどなんとなく全部見てしまったのだが、何が何だかまったく納得できねえ。
事件の経緯は分かった。損失隠しをした社長たちにしてやられた久が悪どい取り引き持ちかけた結果事故に巻き込まれ記憶喪失。（てかあの事故もホントは社長指示だったんじゃねーの？）
でも記憶喪失になって人間性を取り戻したらしい久は、記憶を取り戻し、当たり前にそのことを追求して結局全部ぶちまけたけど、自分は脅されてたってことで罪にはなりませんでした、良かった良かった…って何もかも後出しのご都合すぎて全然久に共感も出来ねー。てか別に久は記憶取り戻さなくてもよかったんじゃね？離婚して昔のモーレツブラック社員のままひとりで生きるってことでなんか問題あった？
いやだって、途中で描かれた実家の親や兄弟の話絡みで久がいい人だって描写はあったけど、そういう人が何をどうしたらそもそもああいう仕事の鬼ですべてを疑ってかかる家庭を顧みない人になるのか。そしてそんな自分に何も疑問を抱いてないならそのままでも良かったとしか。恵さんと結婚しても基本は変わんなかったんだし。
よしんば本人が実は変わりたいと思ってた…にしても、お話としてはそこに共感できないんだよなあ。だって昔の久よりも今の久のほうが人間らしくていいねというのが「常識的な世間の総意」としてあるからそのほうがいいって話じゃんよ。家路久がどういう自分を望んでいたのか、どう変わりたかったのかってことは遣り手モーレツブラック社員の時の記憶を失ってたいい人の久が考えたあるべき自分なんだし、その過程にまったく共感できないのよねー。そういや秘書の佐々木希と浮気してたのは本当だったんだっけ（流し見しちゃったんでよくわかんない）女性スキャンダルってことにして…までは聞いてたけど。
話を理屈で考えてるからそう思うんだろうとは思うけど、でもだったらあの偽善的な、久だけに都合のいい展開で感動しないとダメってことよね。人が人間性を取り戻すのは何によらず良い話に決まってんじゃん、みたいな。
原作知らないからいろいろあれだけど、まあぶっちゃけ脚本がベテランの林宏司さんで演出も七高さんだったり田村さんだったりで見せ方が上手いからなんとなくそういういい話だと思わされちゃうレベルなんじゃないかな。だってどんな展開でも最後に菅野祐悟のあのテーマ曲っぽいのがかかってきたらなんか久がすごくいいことやったような気になるじゃん？（笑）
ドラマとしてはやたら評価は高かった気がするけど、オレにはさっぱりわかりませんでした。逆にキムタクは何をやってもカッケーって人じゃないとダメなのかしらね？木村くんは演技は頑張ってたと思うんだけど、中途半端に頑張ってるから余計に久のキャラがわかんないんだよなあ。実家にいた頃の久、香さんと家族だった時の久大学時代の友人の記憶にある久、恵さんと結婚しようと思った久、料理を手際よくやる久、どれも同じ人だとは思えないよ。
とにかくなんかよくわかんない自分探しで、最後は必ずカッコイイ音楽がかかってなにか成し遂げたような、何かが解決したような気になれるおかしげなドラマだったなあという印象でした。
まあ仮面が外れたのは良かったね。でも本当にあそこまでいろいろ疑ってたのにどうして恵さんと家族でいたかったのかしらね？オレが恵さんでも疑心暗鬼になって離婚するって言い出すわー。恵さん、サッカーコーチの田中圭とくっついても良かったのに、結局稼げるスーパー会社員のほうが良かったのね（としか言いようが）コーチ可哀想。
