そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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経世済民の男 第一部「高橋是清」後編

http://www.nhk.or.jp/dsp/keisei/
脚本:ジェームス三木 演出:田中健二
 
うーん、すごい面白そうな話なのでマジで1年の大河とかで見たいです。
ジェームス三木の脚本はやはり凄いなー。お話としては完全にダイジェストなのでそういう感想しか出てこないんだけど、それでもちゃんと高橋是清という人を描いてて凄い。
ざっくりとした感想。ペルーの話はどうして頼まれただけの是清さんが責任取らなきゃいけないのかよくわからない。酷えw
日銀の建て直しで辰野金造@林遣都が。そういや名前に見覚えがあると思った。しかもペルーで失敗したから正社員はなしって言ってたのにそこからたった6年で副総裁って、どんだけ優秀なのか。スゲェ。つーかやはり天才?
そして日露戦争の戦費のための公債発行で半分以上を引き出したってのもありえない手腕。(ところでフライパンでネズミを焼いた話は一体何なんだw)
まあその辺の政治と経歴的な話をそれなりに描くのは当然だとしても、このドラマはそれ以外の人間関係の話がとても良かったです。前編でも言ったけどそういうところのバランスとエピソードの取捨選択が本当に上手いよなあ。
妻の品子や女中のケイコとの関係は妻を愛していたということ、女中の子を実子として育てることの品子さんの理解とケイコさんの控えめな献身さが当時の価値観的とはいえ双方納得して仲が良いというのはやはり是清さんの人柄か。(実際はどうだったのかはともかくドラマとしてね)あと品子さんが今にも死ぬかと思ったのに是清さんより長生きしてる?
墓地でのお君さんとの再会の切なさと情景の美しさ。足手まといになりたくないから去ったという昔の恋人と多くを語らずただ手を取って階段を降りるだけというシーン。セリフは極力少ないけど含みは多い二人の表情とその情景。オダジョーと壇蜜の二人の節度ある美しさときたら。名残惜しそうな是清さんというのも絵になりすぎる (*´д`)=3
佐藤直紀龍馬伝のBGMがまたなんとも雰囲気があって、正直このシーンが一番心に残ったよ。
そして喜寿のお祝いで多くの家族に囲まれつつという昭和の初めのシーンで、皆に楽しいことを語らせることで是清さんのポリシーと同時に当時の風俗、活動写真や少女歌劇、地下鉄が一般的だったということをさらっと織り込む脚本の上手さ。
犬飼首相とのやりとりから戦争に向けての軍部の力が強くなることをにおわせつつ551事件から、最後の226事件はあそこで止めておくという演出のクールさといい、最後まで見応えありました。本当にスーパーダイジェストなのがもったいない。
もちろんオダジョーも良かった。新島襄より高橋是清のほうがなんかオダジョーの雰囲気には合ってるような。飄々としててユーモアが合って、時として大声で怒鳴るけど常に一般の民衆のことを真剣に考えてたという地に足の着いた役をしっかり演じきってたし、やはりオダジョーはスゴいのだなw 最後はちゃんと達磨さんっぽくなってたメイクも良かった。
本当にこれ、もう一回焼き直しでいいから大河でやってくれないかなあ。オレこの時期の歴史にも疎いので226事件に至る流れとか昭和の出来事としてちゃんと知っときたいよ。(ドラマがらみでないと覚えられないw)というかせめて5回分目いっぱいでやって欲しかったわー。もったいない。